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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第221号 【 デイ・アフター・トゥモロー 】【 スイミング・プール 】

2004/06/11

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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☆☆新天地、埼玉県川口市からお送りする☆☆

< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.221(2004. 6. 11)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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       http://www.geocities.jp/kurenataka/  (毎週金曜日更新)
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ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品
  【 デイ・アフター・トゥモロー 】
  【 スイミング・プール 】
2.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 デイ・アフター・トゥモロー 】
 原題:THE DAY AFTER TOMORROW
 製作:2004年 アメリカ映画 124分

 私的作品評価 ☆☆★  /ドラマパートに期待するほうが野暮なのか
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
【インディペンデンス・デイ】で宇宙人の攻撃によりアメリカを徹底的に破壊
したエメリッヒ監督が、再び世界中を破滅に導くべく選んだ題材は「天変地異
」。長年の環境破壊により地球温暖化を招いた人類は、圧倒的な大自然の猛威
により、地球上より淘汰されてしまうのか。
雹、竜巻、津波、寒波により次々と人類発展の象徴である建築物が次々と崩壊
していく、圧倒的破壊劇を最新のVFXで表現した映像は、まさに大スクリー
ン向け。人類は(アメリカ人は)、果たして生き残ることが出来るのか。

●作品データ―
監督/脚本:ローランド・エメリッヒ(インディペンデンス・デイ)脚本:ジ
ェフリー・ナクマノフ 撮影:ユーリ・ステイガー 音楽:ハラルド・クルー
サー 出演:デニス・クエイド(オールド・ルーキー)(ドラゴンハート)/
ジェイク・ギレンホール(ドニー・ダーコ)/エミー・ロッサム(ミスティッ
ク・リバー)/イアン・ホルム(未来世紀ブラジル)

●REVIEW
環境破壊による地球温暖化は、誰もが「このままではいつか恐ろしいことが起
こるだろう」と確信しているにも関わらず、だからと言ってほとんどの人は、
その原因であるエネルギーに支えられた生活を捨てることは出来ていない。根
本を断ち切ることなく、リサイクルやエコロジーに関する協力を行うことで、
滅亡へのシナリオに自分自身は決して加担したわけではない、という免罪符を
貰っているかのようだ。(当然自分自身も環境破壊に関しては加害者である)
但し【デイ・アウター・トゥモロー】に関して、環境問題に対する訴えが不足
しているなどという見解は野暮というものだろう。エメリッヒ監督は、あくま
で地球温暖化による天災を映画的カタルシスを生み出すためのアイディアとし
て扱い、アメリカを徹底的に破壊する見世物映画としてこの作品を作り出した
のだから。

ところが、映画監督というものは、「見慣れた風景や築き上げた建造物」が、
圧倒的パワーの前にもろくも崩れ去っていくという破壊のカタルシスを描くだ
けでは、自らの作家性を表現できないと考えるのか、絶望を前にした人間の葛
藤を差し込みたがる。もがきながらもやがては全員が滅びさるとか、疑心暗鬼
に駆られた主人公たちが自らを滅亡に追いやるなんて刹那的展開が個人的には
好みなのだが、ハッピーエンドを好むハリウッド作品は、当然のように「愛」
が主題であり、【デイ・アフター・トゥモロー】も例外ではない。しかしなが
ら多くの観客は「VFXによる脅威の映像」に期待して観に来ているわけで、
エメリッヒ監督が描く温いロマンスや親子愛を延々と見せられる後半は、正直
辛いものでしかなかった。但し、誠実な父親を演じるデニス・クエイド、NY
でのサバイバルをけなげに生き抜くジェイク・ギレンホールやエミー・ロッサ
ムなど、キャスティングは抜かりの無く、甘ったるい脚本を幾分フォローして
ドラマパートもそこそこ楽しめる内容となっている。

特殊撮影による脅威の映像を期待するような娯楽作品の場合、見世物映画に徹
して、ドラマパートは出来る限りそぎ落とすような潔さが今の映画には欠けて
いるような気がする。これが出来ていたのがかつて日本が得意としていた【ゴ
ジラ】を代表する怪獣映画であった。怪獣バトルと見慣れた街並みが破壊され
るカタルシスを満喫する為に存在した円谷印の娯楽作品を久しぶりに観たくな
った。
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【 スイミング・プール 】
 原題:Swimming pool
 製作:2003年 フランス映画 124分

 私的作品評価 ☆☆☆★ /唐突で衝撃的なラストシーンを見逃すな
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
女性監督以上に女性の心理を描ききるフランソワ・オゾン監督の最新作は、世
代も生き方も違う二人の女性が出会うことで起きる不可思議なミステリー。前
作【8人の女たち】で世界的評価を得たオゾン監督の手腕は、【スイミング・
プール】でも遺憾なく発揮されている。特に衝撃的なラストシーンの鮮やかさ
と不親切さが、観客の数と同じ結末に対する解釈を生み出すことだろう。
【ピーターパン】でハリウッドデビューも飾ったリュディヴィーヌ・サニエと
ベテラン女優シャーロット・ランプリングの文字通り体を張った演技対決にも
注目。

●作品データ―
監督/脚本:フランソワ・オゾン(8人の女たち)脚本:エマニュエル・ベル
ンエイム 撮影:ヨリック・ルソー 音楽:フィリップ・ロンビ 出演:シャ
ーロット・ランプリング(愛の嵐)/リュディヴィーヌ・サニエ(8人の女た
ち)(ピーター・パン)

●REVIEW
ラストシーン、予測可能な落ちで終わりかけた瞬間に、訪れる意外すぎる一瞬
。これは物語としては、大いなる反則技であることは疑いようも無いのだが、
これほど鮮やかに、謎めいて、不可解な幕引きに使われた例は無かったのでは
ないか。この瞬間を観るだけでも、【スイミング・プール】は十分鑑賞する価
値がある。

サニエ監督の作品は、女性の監督が女の内面を描こうとする以上に鋭い視点を
もって作られている。前作【8人の女たち】では、女だらけの家族に唯一存在
した男性の家長が死んだことにより、男性によってつながれていたバランスが
崩壊する様をコミカルに描き、女性の観客で劇場は賑わっていた。最新作【ス
イミング・プール】では、若い頃のバイタリティを失い始めスランプに陥って
いる中年女性の小説家が、避暑地で出会った瑞々しい若さと美しい体を持った
女性と出会うことで、動揺し、悲観し、やがて呼応するかのように、若々しさ
を取り戻していく過程を、ミステリー仕立てで描いている。またしても劇場は
女性陣で埋め尽くされていたが、これこそサニエ監督が女性の心理を掴みきっ
ているという確かな証拠であろう。

中年の女性小説家サラを演じるシャーロット・ランプリングは、とても綺麗な
女優であるのだが、サニエ監督は、あえて美しく撮ることはせずに、もう一人
の主人公である少女ジュリーを演じるリュディヴィーヌ・サニエの美しい肢体
や瑞々しい肌と残酷なまでに対比してその老いを強調する。プールサイドで散
々ジュリーの若々しいヌードを披露し続けた後に、サラの水着姿を同じように
ゆっくりとカメラでなぞるように写すのだから、演じる女優に失礼ではないか
と心配になるぐらいだった。ところが、この老いと若さの対比こそがやがてサ
ラに訪れる心境の変化をドラマチックに見せる見事な複線となるのだから、実
に計算高い監督である。

抜群の完成度を誇る本作に対して、評価が低すぎるのではと私自身も思うのだ
がやはり、どんなに巧みであっても、どうもあの落ちには納得しかねるのだ。
個人的にはやはり使ってはいけない反則技でしかないのだが…。
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3.徒然なるままに・・・編集後記
客商売をしている手前、お客様からの苦情を受けてご自宅にお詫びに伺う機会
も多い。以前の店では、会社の車で行っていたのだが、川口市は、道がゴチャ
ゴチャしている上に、入り組んでいて、狭く、一方通行も多いのに加えて渋滞
もしている為、非常に車では行きづらい。その為、私は愛用していた折り畳み
自転車を自宅の庭に収納し、マウンテンバイクを購入した。この一ヵ月半で、
10回ぐらい自転車が活躍しているが、なれてしまえば、仕事の気晴らしにも
なるので、苦情処理もそれほど苦にならない気がします。

明日からまたしばらくお休みが無いので、来週は映画を観に行けるか微妙なと
ころ。もしかしたら来週はメルマガお休みしてしまうかも知れませんので、あ
しからず。
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