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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第210号 【 キューティーハニー 】

2004/06/04

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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☆☆新天地、埼玉県川口市からお送りする☆☆

< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.219(2004. 6. 04)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品
  【 キューティーハニー 】
2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
  【 ドッペルゲンガー 】
  【 昭和歌謡大全集 】
3.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 キューティーハニー 】
 製作:2004年 日本映画 93分

 私的作品評価 ☆☆★  /サトエリハニーに原作ファンも納得!?
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
【新世紀エヴァンゲリオン】を生み出しながら、ファンの期待を気持ちよく裏
切りながら、アニメに実写に縦横無尽に活躍する鬼才庵野英明が選んだ次なる
ターゲットは、70年代の男の子には忘れることが出来ない、永井豪原作の超
人気アニメ【キューティーハニー】の実写版!!
完璧なプロポーションを持つ愛の戦士ハニーに扮するは、イエローキャブの看
板娘、サトエリこと佐藤江梨子。アニメと実写の境界線を消し去るパワフルな
戦闘シーン、明るく破天荒な原作の持ち味を再現した庵野監督の新たな挑戦。
決してマニア向けではなく、子供から大人まで楽しめる、健全なお色気とギャ
グに満ちた娯楽作品なので、女性の方も安心してご覧ください。

●作品データ―
監督:庵野英明(式日)(ラブ&ポップ)脚本:高橋留美 撮影:松島孝助 
音楽:遠藤幹雄 出演:佐藤江梨子(プレイガール)/市川実日子(とらば
いゆ)/村上淳(ナビィの恋)

●REVIEW
子供の頃、親に馬鹿にされながらも、しっかり観ていたアニメ版キューティー
ハニー。プロポーション抜群の可愛いハニーが、同じく女性でありながら、悪
に身を染めたパンサークローの恐持ての面々と戦う様は、子供心に異常な迫力
となって残っている。私と同世代である庵野監督がハニーに胸をときめかせた
思いをどのように実写版に込めるのか、興味津々に劇場に足を運んだのだが。

私のような子供の頃観た記憶が鮮明に残っている輩なら、アニメーションが持
つ馬鹿馬鹿しいまでの派手なアクションを実写で再現した冒頭シーンだけでも
劇場で観る価値は十分あろう。海ほたるを舞台にパンサークローと戦うハニー
のコミカルな動きや雑魚キャラのやられっぷり、大げさな見得きりなど、アニ
メを髣髴させるシーンに、庵野監督分かってるね、と肩を叩きたくなった。

ところが、派手なアクションとお色気が魅力のハニーを観に来た観客には、こ
こから終盤のアクションに至るまでの映画の8割がたはかなり辛いものとなっ
ている。予備知識やオリジナルをまったく知らずに観ている人にとっては、中
盤のコミカルな青春劇もあるいはありなのかも知れない。しかしながら70年
代のハニーを映画化したいという、庵野監督に期待する同世代としては、肩透
かしを喰らったというのが本音だろう。(アクションシーンの少なさは予算の
せいか)

ハニー役に抜擢されたサトエリについては、原作のイメージと違う云々という
野暮なことは無しにすれば、天真爛漫な能天気さと永井豪が描くハニーと同じ
衣装を着てが似合ってしまうのだから、まさにはまり役。派手なアクションシ
ーンもしっかりこなし、下着姿で商店街を走るなど辛いシーンに満面の笑みを
魅せるサトエリの勇姿は、ファンのみならずとも感激するであろう。

庵野監督の代表作である【新世紀エヴァンゲリオン】や【彼氏彼女の事情】な
どを観れば、計算ずくで緻密な才覚を誰もが認めることだろう。頭のいい庵野
監督があえて、馬鹿馬鹿しさでは代表格である名作【キューティーハニー】に
挑戦したという事実は、それだけで客を呼べる仕掛けではある。しかしながら
この実写版は、やはりどこかハジケきれていない。あほらしいけど面白い、と
いう感覚は、天性の才能があってこそ発揮できるものであって、それを狙って
再現しようとしている限り、庵野監督が永井豪先生の境地に達することは、や
はり無理なのだ。畑違いの場で才能を発揮することは、かくも難しいことを、
この作品は残酷にも証明してしまっているのかも知れない。
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2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
【 ドッペルゲンガー 】
私的作品評価 ☆☆☆★
2003年 日本映画 107分
監督:黒沢 清 出演:役所広司/永作博美/ユースケ・サンタマリア

自らの分身であるドッペルゲンガーを見た者には死が訪れる。子供の頃なにか
の本で同じような怪談話を読んだ気がするが、日本人屈指の作家性の強い黒沢
清によりユーモアとサスペンスが微妙に混ざり合ったまさにドッペルゲンガー
により一人の人間の二つの側面を見せられているかのような錯覚を覚える作品
となった。大人しそうな容姿とは裏腹に、キレ役が多い役所は、黒沢作品では
もはやおなじみであるが、今回も黒沢監督の難題に見事に答えている。そんな
役所以上に印象に残るのは、ユースケ・サンタマリア。何を考えているか分か
らない、それゆえに全ての行動に不気味さが漂う、まさに黒沢が求めている、
キャラクターがここにいる。ドッペルゲンガーに対して何の答えも提示されて
いないが、解釈は観客任せなところも黒沢清らしいと言えばらしい。今回は、
その謎賭けも分かりやすいのでご安心を。
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【 昭和歌謡大全集 】
私的作品評価 ☆★
2003年 日本映画 112分
監督:篠原哲雄 出演:松田龍平/池内博之/樋口可南子/岸本加世子

【洗濯機は俺にまかせろ】【はつ恋】と抜群の恋愛映画を撮ったかと思うと、
【死者の学園祭】【命】とベタな作品も撮る、作品の出来が読めない篠原監督
だが、今回は残念ながら後者の仲間入り。村上龍の原作は未読であるので、な
んとも言えないが、映画を見る限り、昭和の懐メロとの結びつきはほとんど見
えてこないし、なんと言っても「おばさん」と「がき」が殺しあう理由がなん
とも不明確で説得力皆無。ナイフ→ピストル→ロケット→○○○○と馬鹿らし
いほどエスカレートする武器に対して、映画はずっとローギアのまま。個性的
な女優陣(こんなきれいな女性たちに対してなんとも失礼だか)に対して、ス
ケールダウンしているガキ役の男優たち。年季と迫力で完全に負けてます。松
田龍平はチョイ役だが、【キューティーハニー】に出ていた時のほうが魅力的
だった。
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3.徒然なるままに・・・編集後記

リメイクというのは、なんとも難しい。このメルマガを書きながら聞いている
アルバムは、尾崎豊の名曲を各アーチストが歌い上げている最近出たものだが
、やはり尾崎豊本人には遠く及ばない。ノスタルジックな思いだけで、現在の
技術だけを頼りにリメイクするような作品は、正直観たくない。我々の思い出
に残る作品は、我々の世代がこの世を去った後にリメイクして欲しいものだ。

私は元々千葉県に住んでおり、大学は東京にあったので、学生の頃は新宿や有
楽町を中心に映画を観ていた。ところがここ7年ぐらいは会社の転勤で田舎暮
らしが続いたせいで、すっかり都会の毒気が抜けたようで、川口市に来て池袋
で映画を観た後一人で歩いているとなんとも寂しく、不安に感じてしまう。今
回【キューティーハニー】は夜の回で観たので劇場を出たのは夜もすっかり更
けており、ネオンの町を遊びに来た若者たちと歩いていると、妙な違和感を感
じてしまいます。これは果たして36歳になったせいなのか、田舎ののんびり
した生活に慣れたせいなのか。少なくとも映画を観る環境は都会の方がいいの
ですが…。
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