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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第219号 【 CASHERN 】【 ドーン・オブ・ザ・デッド 】

2004/05/28

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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☆☆新天地、埼玉県川口市からお送りする☆☆

< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.219(2004. 5. 28)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品
  【 CASHERN 】
  【 ドーン・オブ・ザ・デッド 】
2.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 CASHERN 】
 製作:2004年 日本映画 141分

 私的作品評価 ☆☆★  /映像センスだけで二時間強を退屈させない
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
写真家、広告ジャケットデザイン、宇多田ヒカルのPVなど多方面に才能を発
揮する紀里谷和明が、劇場作品第一作の題材として選んだのは、70年代アニ
メを代表する傑作TVシリーズ【新造人間キャシーン】の実写リメイク。
永きに渡る世界大戦の末、細菌兵器や公害により地球も人間も蝕まれた終末観
漂う世界を舞台に、実験の末に誕生した人間ではない新造人間たちによる人類
抹殺計画を阻止すべく、死の淵より蘇えりし戦士キャシャーンが一人立ちはだ
かる。「キャシャーンがやらねば誰がやる!!!!」

●作品データ―
監督/撮影/脚本:紀里谷和明 脚本:菅正太郎 音楽:鷲巣 詩郎 出演:
伊勢谷友介(害虫)(黄泉がえり)/麻生久美子(回路)(魔界転生)/寺尾
聡(半落ち)/唐沢寿明(嗤う伊右衛門)

●REVIEW
【新造人間キャシャーン】【キューティ・ハニー】【デビルマン】と70年代
を代表するコミックスやアニメのヒーローが実写版として映画化されている。
オリジナリティが無いと否定してしまえばそれまでだが、かつてのヒーロー達
の活躍に熱狂した世代が、30代〜40代であることから、過去への思い入れ
がオマージュとかリ・イマジネーションという形で、現在に蘇えっていること
自体は、同世代としてはむしろ歓迎したい。

【CASHERN】の元となった【新造人間キャシャーン】は、子供向けアニ
メでありながら、安易なヒーロー物として善悪を単純に描かない、骨太の人間
ドラマが魅力のシリーズであり、未だ根強いファンを持つ竜の子プロダクショ
ンを代表する作品だ。私と一つ違いの紀里谷監督も小学生時代にリアルタイム
でこの作品に触れた世代であり、オリジナルに対する愛情は、作中に散りばめ
られており、嬉しい限りだ。

アニメシリーズを原作に持つと言っても、【CASHERN】は決して過去の
焼き増しドラマではない。世界観を一新し、自らの過ちにより病んでしまった
世界を救おうとせず、自らの延命にしがみつく人間たちのおろかさや正義の名
の元に行う戦いの空しさ、迫害され異端視された者たちの悲しみなど、紀里谷
監督のメッセージが色濃く込められている。残念ながら、脚本まで手がけた紀
里谷監督の熱い思いは、登場人物からストレートに語られはするがその台詞は
空回りし、観客のハートに届くような熱いメッセージは映像から伝わりきれて
おらず、キャラクターの掘り下げなど、演出面での力不足は否めない。監督、
撮影、脚本と全てに対して自らの意思をいれようとする意気込みは分かるが、
こと脚本に関しては、よほどの才能が無い限り、他人に任したほうが無難な例
が他の作品の例を観ても多いような気がする。

但し、監督がイメージするビジュアルを出来うる限り再現した映像は、ワンシ
ーンごとの完成度も高く、よどみなく繋がるスピード感といい、実に心地よい
。脚本面に不満の残る作品ながら、二時間強という時間を映像のパワーだけで
飽きることなく見せ付けた紀里谷監督の手腕は、間違いなく本物だ。

かつてテレビの前で熱狂したアニメーションが、最新の技術により実写として
再び私たちの前に姿を現す。出来うることなら、今作【CASHERN】のよ
うに、焼き増しではなく、原作のテイストのみ抽出し、オリジナル性の高い、
新作のような作り方を望みたい。再構築し、新たな世界観を生み出しながら、
なおかつ往年のファンをも納得させる。リメイク作品に手を付けるなら、これ
ぐらいの覚悟を持って取り組んで欲しい。

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【 ドーン・オブ・ザ・デッド 】
 原題:DAEN OF THE DEAD
 製作:2004年 アメリカ映画 98分

 私的作品評価 ☆☆☆☆ /ゾンビ映画の歴史に新たな伝説が加わる

●作品紹介
ホラー映画ファンのバイブル的存在であり、今なお最高峰の名を欲しいままに
する傑作ホラー映画【ゾンビ】の再映画化。衰退の一途をたどっていたゾンビ
映画というジャンルも 【バイオ・ハザード】【28日後...】とまさにゾンビ
のごとく復活を果たした。
謎の病原菌により、死んだ人間が、生ける屍ゾンビとなって蘇えり、人間を次
々と襲い始めた。襲われた人間もまたゾンビとなって人間を襲い、世界は瞬く
間にゾンビで埋め尽くされてしまった。もはや逃げ場を失った人類に、助かる
道は残されているのか。
オリジナル版のゆっくり歩く魂の抜け殻のようなゾンビから一転、凶暴な殺意
をむき出しに全速力で迫り来るゾンビの恐怖をあなたは直視することができる
か。

●作品データ―
監督:ザック・スナイダー 脚本:ジェイムズ・ガン(スクービー・ドゥ)撮
影:マシュー・F・レオネッティ(スパイダー) 音楽 タイラー・ベイツ
出演:サラ・ポーリー(死ぬまでにしたい10のこと)(バロン)/ヴィング
・レイムス(救命士)(コン・エアー)/ジェイク・ウェバー(ザ・セル)

●REVIEW
今年は、ホラー映画ファンにとってある意味革命的な年となった。ホラー映画
が単なる見世物映画ではなく、製作された時代に息づく社会批判やタブー視さ
れた人間の闇の部分を抉り出し、狂気と現実の狭間を映し出す奥深いものであ
ると、力説するマニアが「この作品を観れば分かるはず」と差し出すバイブル
のような作品【悪魔のいけにえ】と【ゾンビ】が揃って、別の監督によりリメ
イクされたのだから。時代に息づく狂気を描ききった【悪魔のいけにえ】は【
テキサス・チェーンソー】として(215号参照)、そして消費社会への痛烈
な批判と人が人を食するというカニバニズムのタブーを描ききった【ゾンビ】
は今回紹介する【ドーン・オブ・ザ・デッド】として現代に蘇えった。そして
どちらの作品も、予想を覆し、往年のホラー映画ファンやオリジナルを知らな
い観客をも納得させる新たな衝撃と恐怖を与えてくれたのだ。

【ドーン・オブ・ザ・デッド】を観て、オリジナルと比べ最も違うものと言え
は、やはり全力疾走で襲ってくるゾンビだろう。【ゾンビ】では、魂の抜け殻
である死体が、這うようにゆっくりと徘徊し、生きた人間に群がる様が、悲し
くも不気味に表現されていた。ところが、リメイク作に登場するゾンビは、死
ぬことで理性そのものを消失させ、殺意が肉体を突き動かすかのような激しさ
で人間に襲い掛かる。そこにあるのは、死体が動いたという不気味さではなく
、自らの生命に重大な危機が訪れたという絶望的な死への予感だ。オリジナル
にあった物悲しい不気味さは確かに消えうせてしまったが、それ以上の直線的
な恐怖は、近年のホラー映画でも特出したものである。

直線的な恐怖を描ききった【ドーン・オブ・ザ・デッド】は鑑賞中ならば、確
実にオリジナル版より怖い。ところが、見終わってから、作品の世界観を思い
返して、自らをその立場において考えてみると、オリジナル版【ゾンビ】にこ
そ寒気を感じるのはなぜか。リメイク版に登場する登場人物たちは世界が滅び
ようと自分だけはどこかで助かるのではないかという楽観的な考えがあるが、
オリジナル版にあるのは、結局いつかは死ぬであろうという絶望感とそれ故に
助かっている今は少しでも楽しもうと言う物悲しいまでの陽気さなのだ。だか
らこそ、今なお、【ゾンビ】は観る者をとりこにする永遠の名作であり続ける
のだろう。

サブリミナル効果がバンバン入る【ドーン・オブ・ザ・デッド】の怖さは、正
直ホラー映画なれしていない人にはオススメできないほど衝撃的だ。但し、そ
の恐怖はオバケ屋敷のように、劇場を出てしまえば忘れることができる。そう
いう意味では、気楽に観られるホラー映画と言えるのかも。逆にこの作品を観
てオリジナル版【ゾンビ】も観てやろうという物好きな方は要注意。こちらは
古い作品ゆえに、怖さはあまり感じないかも知れないが、観た後にどしんと心
に暗い闇が圧し掛かるだろう。
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2.徒然なるままに・・・編集後記

27日は、息子の幼稚園を休ませて上野の科学博物館で6月20日まで開催さ
れている【スターウォーズ展】をかみさんと三人で観に行った。何を隠そう息
子は、私が所有する【スターウォーズepisode1】を恐らく50回以上
鑑賞したスターウォーズマニアな5歳児。私以上の思い入れをもって観に行っ
たようだ。展示品は7割ぐらいは旧三部作のミニチュアやセットと衣装、残り
三割がepisode1&2のものであった。実際近年公開された新シリーズ
はCGメインで作られている為、博物館に展示するようなリッパなものはほと
んどないのが実際のところで、見所はやはり過去の三部作で使われた宇宙船や
衣装、背景を絵で書いたマッドペインティング(近くで見るとちゃちな絵なの
に離れてみるとまるで実写のよう)。精巧に作られたミニチュアを真近て観る
感動は、SF映画ファンなら分かってくれるはず。息子もたいそう感動してお
りましたが、学校の見学で訪れていた女子中学生の集団は足早に通り過ぎてい
ました。正直展示会の終わりが近いせいかもしれないのだが、あまり人気のあ
るとは言えない客の入りでした。

お土産に息子に買ってあげたレゴブロックのスターウォーズ。当然ながら息子
に作れるはずも無く、「パパ作って」と言われるがままに、組み上げてみると
これがまた素晴らしくよく出来ているのです。思わず私のコレクター心がビク
ッと反応してしまいました。

来週は【キューティー・ハニー】でも観に行ってきます。
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