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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第218号 【 キル・ビル vol.2 】【 スクール・オブ・ロック 】

2004/05/22

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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☆☆新天地、埼玉県川口市からお送りする☆☆

< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.218(2004. 5. 22)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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       http://www.geocities.jp/kurenataka/  (毎週金曜日更新)
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メルマガ【映画館で逢いましょう】は鑑賞前でも安心してお読みいただける
ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品
  【 キル・ビル vol.2 】
  【 スクール・オブ・ロック 】
2.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 キル・ビル vol.2 】
 原題:KILL BILL:vol.2
 製作:2004年 アメリカ映画 138分

 私的作品評価 ☆☆☆★ /ケレン味を失い、普通の楽しい映画へ変貌
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
世界屈指の映画オタクでもあるタランティーノ監督が、自らが敬愛する映画た
ちに捧げ、映画マニアのバイブル的存在となった【キル・ビルvol.1】は
、一般的な映画ファンをも巻き込み大ヒットを記録した。
連作となる【vol.2】は、日本映画への愛に満ちた前作から一転、マカロ
ニウェスタンとカンフー映画のエッセンスを盛り込みながらも、恋愛映画とし
ても成立し、まっとうな映画ファンにも納得の完成度となって登場。前作のフ
ァンにとっては物足りないという感想も聞かれる続編にどのような感想を抱く
かで、あなたの映画ファンとしてのディープ度が計られる…かも。

●作品データ―
監督/脚本:クエンティン・タランティーノ 撮影:ロバート・リチャードソ
ン 音楽:THE RZA/ロバート・ロドリゲス 出演:ユマ・サーマン/
/デヴィッド・キャラダイン/ダリル・ハンナ/マイケル・マドセン

●REVIEW
ディープな趣味を持った人間なら経験があるだろう。自分の趣味について熱く
語った為に、周りから浮いてしまった時の寂しさを。そして普通のマニアは、
世間体を保ちながら、話の分かる仲間とのみ熱く語るようになっていく…。
ところがマニアックな映画オタクで知られるタランティーノ監督は、違った。
一部のマニアを除き忘れ去られた過去の名作の魅力を抽出し、自らの作品の中
で再現することで、タランティーノ自身が熱狂した作品たちの面白さを追体験
させようと試みたのだ。自らのマニア道を、万人に知らしめる為に、映画を撮
る。自己満足と呼ばれても仕方のないこの伝道師に、一映画オタクとして、尊
敬の念を禁じえない。

タランティーノ監督の溢れんばかりの映画への愛が、結果として一本の作品を
前後編に分けることとなった【キル・ビル】。前作を敬愛するファンならば、
ケレン味と血とバイオレンスと日本映画への愛の洪水にもみくちゃにされた快
感よ、もう一度と願ってやまないことだろう。ところが【vol.2】は、前
作の暴れん坊ぶりから一転、アクションあり、恋愛あり、親子愛ありの完成度
の高い、良作として登場したのだ。結果として、前作との比較でどちらが好き
かという論争が出てしまっているようだ。

ヤクザ、チャンバラ、ジャパニメーションが持つ、日本映画独自のケレン味を
現在の日本人以上に理解し、日本映画の素晴らしさを日本人に再認識させてく
れた【vol.1】が魅せてくれたお祭り騒ぎは、邦画ファンの心を歓喜させ
てくれた。対して【vol.2】は、人間の体術の限界を超えたアクションを
魅せてくれた中国カンフー映画と、バイオレンス描写と主人公への徹底した虐
待の末の復讐劇というカタルシスが魅力のマカロニ・ウェスタンがモチーフと
なっている。幅広く、そして偏った映画マニアのタランティーノらしいモチー
フだが、まったく異なるアプローチゆえに、前編と後編での評価が二分されて
しまうことも止むを得ないことであろう。

【vol.1】と【vol.2】の決定的な違いを一つ述べるとすれば、ザ・
ブライドと復讐される側との対決の描き方だろう。【vol.1】では、多く
の時間が、ザ・ブライドの殺戮シーンに費やされ、ゲップが出るほどの血のり
の量と次々と出てくる敵キャラがばったばったと倒されながら、最後にはボス
キャラとの仰々しい対決シーンが待っており、アクション好きには堪らない作
品であった。ところが【vol.2】では、復讐リストに残る三人とザ・ブラ
イドの対決は、肩透かしを喰らったようにあっさりと、前作から比べれば実に
淡白に(普通の映画と比べたら十分戦っているのだが)終えてしまう。タイト
ルにもあるビルとザ・ブライドの最後の決戦の盛り上がりは、【vol.1】
のオーレン・イシイの時と比較して1/10程度しか高揚できなかった。前作
はアクの強さに対して、批評家からバッシングもあったようだが、その対策と
して、このような形に映画が落ち着いてしまったのだとすれば、やはり残念な
ことだ。

とは言え、期待を裏切ったと言うわけではない。マカロニ・ウェスタンが大好
きな私には、前半の苛められっぷりに熱いテイストを感じたし、ビル役のデヴ
ィッド・キャラダインはしびれるほどカッコよかった。(パイ・メイは、ちょ
っと外していた気もしますが)

【vol.1】を通じて、日本人自身が、元ネタとなった邦画を再評価してい
る。【vol.2】の観客が、まだ触れたことがないマカロニ・ウェスタンを
観るきっかけになったとしたら、タランティーノ同様、映画オタクである私と
しても、嬉しい限りだ。

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【 スクール・オブ・ロック 】
 原題:School of Rock
 製作:2003年 アメリカ映画 110分

 私的作品評価 ☆☆☆☆ /ジャック・ブラックの魅力爆発、ロック最高!

●作品紹介
ロックに人生の全てを捧げ、スター街道をを夢見る中年男デューイ。しかしな
がら、そんな破天荒な生活が許されるほどデューイは若くなく、世間から見れ
ば、ブラブラしている親父に過ぎなかった。ある日デューイは、金欲しさから
友人の名を語り名門小学校の臨時教師として赴任する。勉強一筋の生徒たちに
音楽の才能を見出したデューイは、コンクールで自分が成り上がる為、子供達
を騙して新たなバンドを結成しようとするのだが・・・。
身勝手わがまま放題のデューイに振り回され、騙されながらも、次第にロック
の魅力に取り付かれていく子供達と、いつしか子供達に支えられながら、自覚
なく一人盛り上がるデューイの関係は、ロックのように熱く、そしてキュート
。ポッチャリ系の親父が、ロックを愛するという純粋な気持ちで子供達以上に
輝く姿を、ジャック・ブラックが見事に演じている。

●作品データ―
監督:リチャード・リンクレイター 脚本:マイク・ホワイト撮影:ロジェ・
ストファーズ 音楽 クレング・ウェドレン 出演:ジャック・ブラック/ジ
ョン・キューザック/マイク・ホワイト

●REVIEW
「最近、面白い映画なんかない」と聞かれた時、どんな映画が好きな人にも、
自信を持って薦められる映画は、なかなか無いものだが、この【スクール・オ
ブ・ロック】は、まさに万人に薦めることが出来る傑作だ。題材がロックンロ
ールだけに、そちら方面の知識があればあるほど楽しめる作品ではあるのだが
ロックをかじったことしかない人でもご安心願いたい。我らがロックの先生、
ジャック・ブラックが熱く(暑苦しく)激しく(大暴れで)優しく(粘っこく
)ロックンロールの魅力についてご教授してくださるからだ。

同時期に公開された【キル・ビル】が映画ファン度が深いほど楽しめるのと同
様、【スクール・オブ・ロック】は、ロックンロールを敬愛している人ほど、
熱くさせずにはいられない作品である。かつてバンドを組んでいたロックファ
ンならば、ロックンロールの神になる夢を捨てずにバンドを続ける中年男デュ
ーイ・フィンの熱いハートに胸を打たれ、家に帰ってすぐさまギターを弾きた
くなることだろう。

では、ロックにさほど興味を持っていない人は、場違いなコンサートに来てし
まったような疎外感を感じさせてしまうのか、という懸念はこの作品には不要
である。ロックを聞いたことすらない一流小学校の生徒たちと共に、怪しい臨
時教師デューイ・フィンの熱いロック魂を注ぐ授業を聞いていれば、映画の終
盤には、もうロックンロールのとりこになっているはずだ。

ロックが好きな人も、嫌いな人も、興味のなかった人も、劇場を出て行く時は
お互いがロックについて語り合える、この共有体験は、映画というよりむしろ
コンサートに近いのだろうか。見ず知らずの隣の席の人に、「面白い映画でし
たね」と語りかけたくなる、そんな素敵な映画は滅多にお目にかかれるもので
はない。もうすぐ公開も終わってしまうが、是非是非劇場で、一人ではなく知
人と観に行っていただきたい。
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2.徒然なるままに・・・編集後記

お待たせしました。2年間ほど暮らした茨城県水戸市から、転勤により埼玉県
川口市へと越して約3週間、ようやく仕事も生活も落ち着きを取り戻し、やっ
とメルマガを作る時間が取れるようになりました。

今度の勤務地は、私が今までいた部署の3.5倍の売上規模があり、私自身に
かかる責任も仕事量も、それに比例して大変なものでして、仕事の日は朝から
夜の11時過ぎまでほぼ一日の2/3は仕事場にいるような日々を過ごしてい
ます。茨城では、休日に釣りに出かけたり、近所の田舎道を散策したり、自転
車で映画館に行ったりしていましたが、川口市には、海も釣りをするような川
も無く、行けども行けども工場と家ばかりで、田舎暮らしが長かった我が家は
なれるまでなかなか時間がかかりそうです。それでも娘は小学校、息子は幼稚
園で新しい友達が出来て楽しく過ごしているようで、一安心です。かみさんは
友達がいなくて寂しそうですが…。私にとって唯一よかったことは、池袋まで
バスと電車を乗り継いで40分程度で行けるようになったことで、これまで以
上に幅広く映画を観ることが出来るようになれそうです。

今週は【CASSHERN】と【ドーン・オブ・ザ・デッド】を観てきました
。【ドーン…】はかみさんと観に行ったのですが、いつもはホラー映画を馬鹿
にしているかみさんも「面白かった」と絶賛しておりましたので、こちらにつ
いては次号ご紹介いたします。

これから新天地で心機一転、映画館通いを続け、メルマガも精力的に発行して
行きたいと思っていますので、引き続きのご愛読をよろしくお願いします。


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      映画館をこよなく愛する紅乃ちゃんのパパがお贈りする

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         【映画館で逢いましょう】 創刊1999年11月16日
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