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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第215号 【 ゴシカ 】【 テキサス・チェーンソー 】

2004/03/29

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.215(2004. 3. 29)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品(狙った訳でもないのですが、今回はホラー映画特集)
  【 ゴシカ 】
  【 テキサス・チェーンソー 】
2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
  【 悪魔のいけにえ 】
3.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 ゴシカ 】
 原題:GOTHIKA
 製作:2003年 アメリカ映画 97分

 私的作品評価 ☆☆☆ /詰め込みすぎ感は否めないが、怖さは堪能できる
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
ロバート・ゼメキスとジョエル・シルバーが設立し、衰退するホラー映画を支
え続ける製作会社ダークキャッスルによる最新作。主演にアカデミー賞女優、
ハル・ベリーを迎え、ペネロペ・クロスとの共演を実現させるなど主演陣はま
るでアカデミー賞狙いの大作映画だが、中身はしっかりホラー映画なので、そ
の手のファンはご安心を。女子刑務所の精神病棟に勤める女医は、ある晩恐ろ
しい体験の後気を失い、再び目覚めた時、夫殺しの罪で勤めていた刑務所の精
神病棟に収容されていた。果たして女医は本当に夫を殺したのか、女医を闇か
ら見つめる亡霊の正体とは?ハル・ベリーはホラー映画でも手を抜かない渾身
の演技を披露し、女優魂を見せている。

●作品データ―
監督:マシュー・カソビッツ(憎しみ)(アサシンズ) 脚本:セバスチャン
・グディエレス 撮影:マシュー・リバディーク 音楽:ジョン・オットマン
(スパイダー・パニック!)出演:ハル・ベリー(チョコレート)(ソード・
フィッシュ)ロバート・ダウニー・Jr.(チャーリー)(相続人)ペネロペ
・クロス(オール・アバウト・マイ・マザー)

●REVIEW
一時期は、スクリーンから姿を消していたアメリカンホラーも昨年より公開作
が相次ぎ、どうやら元気を取り戻してきたようだが、その躍進に一役買ってい
るのが、今回【ゴシカ】を製作したダーク・キャッスル社だ。【TATARI
】【ゴーストシップ】と低予算が売りのホラー映画の中では、破格の制作費を
かけた作品を生み出す新鋭ホラー製作会社が放つ最新作【ゴシカ】は、セット
にお金をかけたこれまでの作品と異なり、「ホラー映画は新人俳優で安く作る
」と言う常識を覆し、アカデミー賞女優ハル・ベリーとこれまたビックネーム
のペネロペ・クロスの共演を実現した。ホラー映画をマニアの物だけに留まら
せず、あくまでメジャー街道を突き進むその製作姿勢には素直に拍手を送りた
い。

【ゴシカ】は【リング】のリメイクで話題となっているジャパニーズホラーの
流れを汲む、祟り系の怪談映画だ。アメリカが作るモンスター系の映画と決定
的に違う点は、【ゴシカ】の幽霊は物理攻撃が効かないと言うことに尽きる。
アメリカのホラー映画に登場するモンスターは、基本的に物で殴ったりすれば
やっつけられないにせよ手ごたえはある場合がほとんどだが、【ゴシカ】に登
場する幽霊は、日本人の感覚からすれば当然なのだが、神出鬼没で抵抗しよう
にもこちらの意思で触れることすら難しい。リメイクという形でこの理不尽さ
を描いた【リング】とは異なり、完全オリジナルストーリーでアメリカ映画が
描けたという点で、この映画は評価に値する。

怖がらせ方もなかなか工夫が凝らされており、マシュー・カソビッツ監督は、
ありえないものが存在するという恐怖を、幽霊を直接描くことなく表現してい
る。刑務所に閉じ込められた女医が、幽霊の来訪に恐怖する場面などは、見せ
ないことで恐怖を煽ることに成功しており、怖がらせ方一つ見ても技術の高さ
を伺わせる。劇場で観たならば恐らく2〜3回は座席から飛び上がることが出
来るだろう。

ホラー映画の主役を買って出たハル・ベリーは、手抜きのない体当たりの演技
を魅せ、観客の共感を得ることで恐怖感を増幅させることに一役買っている。
しかしながら、アカデミー賞受賞女優を迎えたことが、製作側にプレッシャー
を与えてしまったのか、【ゴシカ】は単なる恐怖映画の枠を超え、「刑務所内
の人間ドラマ」→「怪談」→「推理」→「サイコホラー」と次々と姿を変え、
結果ジャンル訳することすら難しい散漫な映画と化してしまった。やはりハル
・ベリーの出演を口説き落とすのに「ただのホラー映画です」とは言い辛かっ
たのだろうか。
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【 テキサス・チェーンソー 】
 原題:THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE
 製作:2003年 アメリカ映画 99分

 私的作品評価 ☆☆☆☆ /伝説と化した傑作のリメイクとして最高の出来
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
むせ返るような嫌悪感と狂気で彩られた20世紀を代表する傑作ホラー【悪魔
のいけにえ】のリメイク版。70年代実際に起こった連続猟奇殺人事件がベー
スとなっている本作は、偉大なるオリジナル版に敬意を払いつつも、オリジナ
ル版が描ききれなかった部分に焦点を当て、前作を愛する熱烈なファンをも納
得させる、リメイク版のお手本と言うべき作品となっている。
規制の厳しいホラー映画の中で、その残酷描写は、群を抜いておりこの手の作
品が受け入れられない人は、間違っても観てはいけない。

●作品データ―
監督:マーカス・ニスペル 脚本:スコット・コーサー 撮影:ダニエル・パ
ール 音楽:スティーブ・ジャブロンスキー 出演:ジェシカ・ビール(ブレ
イド3予定)R・リー・アーメイ(フルメタル・ジャケット)

●REVIEW
観る者に確実にトラウマを残す、狂気に彩られた怪作【悪魔のいけにえ】が、
リメイクされるというニュースを聞いたホラー映画ファンのほとんどは、その
作品にまったく期待していなかっただろう。その訳は、どんな監督が撮ること
になろうとも、【悪魔のいけにえ】を超える作品は決して作ることは出来ない
ことを、映画を観たものなら誰もが理解できるからだ。【悪魔のいけにえ】は
70年代という時代とトビー・フーパ監督の野心と再現不可能なまでに充満し
た狂気が融合して生まれた奇跡的傑作なのである。

どうせ大した作品ではあるまい、と期待せずに観た多くのホラー映画愛好家達
は、【テキサス・チェーンソー】に驚嘆したことであろう。ありえないはずの
現実が、スクリーンに起きたことに。【テキサス・チェーンソー】は、伝説的
傑作【悪魔のいけにえ】を愚弄することなく、素晴らしいリメイク作品として
登場したのだ。

【悪魔のいけにえ】には、当時のスタッフにしか再現できないであろう、優れ
たシーンがいくつも存在する。レザーフェイスが最初の殺人を犯すシーンでの
閉ざされたドアの沈黙が恐怖を増幅させる最も有名なシーンやレザーフェイス
一家がヒロインを拉致し、晩餐会を開催する狂気とユーモラスが入り混じった
シーン。このような場面を同様の演出で再現しようとしても、上手くいく訳も
ないし、仮に再現できても所詮二番煎じ。そこで【テキサス・チェーンソー】
ではあえて再現することを避け、非常に淡白にこの名場面を流してしまう。こ
れに変わるご褒美として、この作品ではリメイクならではの驚きの展開を随所
に用意している。ここで詳しい内容を言及する野暮は避けるが、オリジナル版
で最も印象的なシーンをあえてその通りに再現することで、当然「次はこうな
るだろう」と考えるオリジナルファンに対して「えっ、ここで助かるはずなの
に…」というどんでん返しを多数用意してくれているのだ。これが、オリジナ
ルを知っていればいるほど楽しめる要素となっている。恐らく製作側も相当オ
リジナル版にほれ込んでいるのだろう。

仮に【悪魔のいけにえ】を鑑賞していなくとも、単体でも十分怖がれる作品と
して、完成度も高い。それゆえに、にわかホラー映画ファンや怖い映画なんて
大嫌いという人には薦めることが出来ない毒気の強さを持っているのでご注意
願いたい。但し、どれほど【テキサス・チェーンソー】の出来が良いと言って
も、やはり30年前に作られた【悪魔のいけにえ】の足元にも及ばないという
ことは忘れずに付け加えておこう。
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2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
【 悪魔のいけにえ 】
私的作品評価 ☆☆☆☆☆
1974年 アメリカ映画 84分
監督  トビー・フーパー 出演 マリリン・バーンズ

原題は「テキサス・チェンソー大虐殺」というとんでもないタイトル。この忌
まわしきホラー映画は、その暴走する狂気ゆえに、特異な作品となった。
人皮で作った仮面をかぶった殺人気レザー・フェイスが、チェンソーを振り回
す様が強烈に心に焼きつく。次々と殺される4人の若者のうち、やはり最初の
二人のやられ様は強烈だ。けっしてお金がかかった映画ではないので、派手な
殺人シーンが繰り広げられるわけではない。しかし、全編を包む異常なまでの
緊迫感を支えるものは、その狂気ゆえだろう。終盤の晩餐会シーンは、その狂
気が炸裂するこれまた強烈なシーン。覚悟もなく見ればトラウマになること間
違いなしの傑作(怪作)だ。ちなみに私は、この映画が好きではあるが、子供
に見せようとは決して思わない。
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3.徒然なるままに・・・編集後記

今回はホラー映画特集となりました。ホラー映画なんて大嫌いという人も多い
ことでしょうから、今回の特集を不快に思う方もいるかも知れませんので、お
詫びしておきます。私は子供の頃からホラー映画とコメディ映画が大好きなの
です。笑わせることと怖がらせること。どちらも作り手側のセンスと情熱がな
ければ生み出すことが出来ない感情です。笑わせよう、怖がらせようとする作
り手側のテクニックを堪能できる、そんなホラー映画とコメディ映画はこれか
らも私の最も好きなジャンルであり続けるでしょう。

3月29日(月)
小学四年生の娘がビーチボールを持ってきて「パパ、ボール投げしよう」と言
ってきたので30分ぐらい遊んでいた。それを見ていたかみさんが「あなたが
娘とそんな風に遊ぶの、久しぶりに見た」と言ってきて、ドキッとした。

私は子供とたくさん遊んであげたいと常々願っているのだか、家には五歳にな
る息子もいる為、実際自宅にいる時、多くは小さい息子と遊んでいることが多
い。加えて私自身が多趣味な男なので、休みの日は「釣り」や「映画館」に出
かけてしまうし、週末は仕事柄休みはほとんどない。娘はパパになついている
ので、気がつかなかったのだが、よくよく考えてみたら最近あまり娘と遊んで
あげていない事に、気付いてしまったのだ。

と言う訳で、お父さんは反省し、今後娘といっぱい遊んであげることをここで
誓わせてもらいます。ごめんね、紅乃ちゃん。
 
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         【映画館で逢いましょう】 創刊1999年11月16日
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