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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第207号 【 ミスティック・リバー 】【 半落ち 】

2004/01/19

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.206(2003. 1. 19)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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       http://www.geocities.jp/kurenataka/  (毎週金曜日更新)
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メルマガ【映画館で逢いましょう】は鑑賞前でも安心してお読みいただける
ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.映画批評集「映画館で逢いましょう」好評発売中!!
2.本日の上映作品 ── 日米ミステリー映画対決 ──
  【 ミスティック・リバー 】
  【 半落ち 】
3.徒然なるままに・・・編集後記
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1.映画批評集「映画館で逢いましょう」好評発売中!!

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メールマガジン 第200号&創刊4周年記念
  「映画館で逢いましょう」 著者 紅乃ちゃんのパパ
     A5版 全211頁販売 価格 図書券1000円分(送料込み)
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ルvol. 1 】【マトリックス・レボリューションズ】【少林サッカー】【
フレディvsジェイソン】【座頭市】【黄泉がえり】【呪怨】【クレヨンしん
ちゃん】【ゴジラvsメカゴジラ】他、ジャンル、洋画邦画を問わない138
本の映画批評を収録。
映画の真価は映画館でこそ問われる!を信条とし、鑑賞前でも安心のネタバレ
なし批評で映画を紹介し続けるメールマガジン「映画館で逢いましょう」第2
00号&創刊4周年の集大成。パソコン用のプリンターで印刷し、著者本人の
手による製本での出版です。本格的な出版物に近い状態に仕上がっています。

◆申込方法
電子メールにて住所、お名前、お電話番号、メールアドレスをお知らせくださ
い。製本が出来次第お送りいたします。手作りの為万が一注文が重複した場合
お届けが遅れる場合もございます。
◆返礼方法
お送りした本に返信用封筒が入っています。封筒に図書券1000円分を入れて添
付された住所までご返送ください。
◆お断り事項
送料はこちらで負担させていただきます。(返信用封筒の切手のみご負担お願
いします)
本の代金は送料+制作費でほとんど占められてます。この本は営利目的ではあ
りません。ご満足いただけない時は、図書券の返送はいりません。
完全手作りの為、お一人様一冊の注文に限らせていただきます。
◆発送日程について
前回掲載時、筆者の予想以上の注文があり、10日間ほど暇な時間はほとんど
本の制作に費やされてしまいました。これでは映画すら観れなくなってしまう
ので、月の受注を5名様までとさせていただきます。これを超える場合は、翌
月以降の発送にさせていただく旨の連絡をさせていただくこともございます。

注文先電子メール  kurenataka@ybb.ne.jp
見本写真あります  http://www.geocities.jp/kurenataka/
では、よろしくお願いします。
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犯人は誰だ、犯罪に至る過程を暴く、と言ったタイプのサスペンス映画におい
て、私が目標とする【ネタバレ厳禁】という制約はキツイ。しかしながら己の
信念を曲げることは出来ないので、今号は両作品共に少々歯がゆい批評になる
ことをご了解いただきながら、お読みください。

2.本日の上映作品  ── 日米ミステリー映画対決 ──
【 ミスティック・リバー 】
 原題:MYSTIC RIVER
 製作:2003年 アメリカ映画 138分

 私的作品評価 ☆☆★  /疑心暗鬼に満ちた寒々しいサスペンス映画
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
全米でベストセラーとなり、日本でも絶賛されたデニス・ルヘイン原作のミス
テリー小説を俳優としても監督としても名声を手にしたクリント・イーストウ
ッドが完全映画化。ある事件により心に傷を残したまま少年時代を終えた三人
の男たちが25年後再び交錯するきっかけは、故郷で起きた忌まわしき殺人事
件だった。ティム・ロビンス、ショーン・ペン、ケビン・ベーコンという豪華
なキャスティングにより暴かれるのは、友情の果てに見える底知れぬ悲しみか
。配給会社による宣伝に騙されて【スタンド・バイ・ミー】のような作品と勘
違いしないよう忠告しておきます。

●作品データ―
監督:クリント・イーストウッド(スペース・カウボーイ)(ガン・トレット

脚本:ブライアン・ヘルゲランド(ブラッド・ワーク) 撮影:トム・スター
ン(ブラッド・ワーク) 出演:ショーン・ペン(? am Sam)(デッド
マン・ウォーキング)/ティム・ロビンス(ザ・プレイヤー)(ショーシャン
クの空に)/ケビン・ベーコン(コール)(インビジブル)

●REVIEW
近所の遊び友達だった三人の少年に起きた忌まわしい事件。一人の少年は陵辱
され、残る二人の少年は難を逃れた。誰もが被害者になっていた状況故に残る
罪悪感を抱えたまま、物語は25年後へと進む。過去のわだかまりを事件直前
にイタズラでコンクリートに刻んだ三人の名前(被害者の少年の名は書きかけ
)で暗示するオープニングからして、【ミスティック・リバー】は名作の風格
を漂わせている。

推理劇にどんでん返しを期待する人も多いと思うが、映画というジャンルでそ
の驚きを得ることは意外と難しい。2時間という上映時間の枠内で観客に印象
付けることができる登場人物は当然限られてくるし、その中から話の過程で次
々と犯人を臭わせつつ、ラストでは意外性を追求するとなると、犯人は「チョ
イ役で登場したどうでもいい人物」か「味方と思っていた身近な存在」の二択
しか残らない。

【ミスティック・リバー】では、あえて犯人探しについて観客を翻弄させるこ
となく、最初から一人の人物に疑いを集中させ、冒頭で展開した三人のわだか
まりを主流に置くことで、物語の主題を「犯人探しの推理劇」から「男たちの
葛藤の結末を描く人間ドラマ」へと昇華させた。これは、優れた脚本を十二分
に活かしきり、よどみなく物語を展開させたイーストウッド監督の演出と監督
の期待に答えたティム・ロビンス、ショーン・ペン、ケビン・ベーコンの鬼気
迫る共演によるものだ。

名だたる主演男優の中で、注目すべきはティム・ロビンス。気弱で誠実な男性
でありながら、少年時代事件に巻き込まれた故の精神の不安定さを同居させた
男は、物語の登場人物と共に観客さえも不安にさせてくれる。さわやかな笑顔
と胡散臭さがティムの売りだと思っていた人には驚きの変貌ぶりだろう。

各メディアからも絶賛され、もう一つの【スタンド・バイ・ミー】と賞賛され
ているこの【ミスティック・リバー】。素晴らしい脚本、手堅い演出、抜群の
キャスティング、意外性の強いラストと文句の付けようの無い傑作ではある。
しかしながら、個人的にはどうもしっくり来なかったのは、なぜなのだろう。
恐らく3人の少年が運命の日を境に、少年時代に終わりを告げ、そのくすぶり
すらも投げ捨てるような25年後の出来事に対して、極めてドライに受け止め
ている姿に戸惑いを感じてしまうのだ。それは36歳にもなってまだ大人にな
りきれていない自分自身の幼さゆえかもしれない。

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【 半落ち 】
 製作:2004年 日本映画 122分

 私的作品評価 ☆☆☆☆/守りたいものがあるから人は生きることが出来る
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
「私は妻を殺しました」そう言いながら警察へ自首してきた男は、元捜査一課
の敏腕警部 梶だった。取調べに対して妻を殺した動機を語る梶だったが、妻
を殺害してから自首するまでの空白の二日間にだけはかたくなに口を閉ざして
しまう。梶の不可解な行動は、やがて警察の威信を揺さぶり、事件に関わった
人々の人生観すら変える事件へと発展していく。
横山秀夫のベストセラー小説に寺尾聰を初めとする日本の名優たちが結集。抜
群の完成度を誇る人間ドラマがここに誕生した。

●作品データ―
監督:佐々部 清(陽はまた昇る)脚本:田部俊行/佐々木 清 撮影:長沼
六男(たそがれ清兵衛) 音楽:寺嶋民哉 出演:寺尾 聰(阿弥陀堂だより
)/柴田恭兵(福沢諭吉)/原田美枝子(OUT)/國村 隼/吉岡秀隆

●REVIEW
「半落ち」…警察用語。容疑者が容疑の一部自供するも完全に自供してはいな
い状態を指す。

殺人事件をめぐる映画を観ている多くの観客にとって、事件そのものは自分の
生活から遠く離れた異端な事件として映っている。自分の周囲にそのような事
件が起きたことのない人にとって見れば、殺人事件も空想に満ちたSF映画と
同等の扱いだろう。どうせ空想ならば、外国映画で外国人が演じているほうが
現実感が希薄でより楽しめるし、逆に日本人が演じる邦画では生々しく感じて
しまうだろう。より身近ゆえの嫌な感覚が「邦画はジメジメしていて嫌いだ」
という先入観へと繋がっているのかもしれない。

【半落ち】はかつて警察官として憎むべき凶悪犯罪を抑止する側にいた一人の
男が、妻の殺害を自供することから物語が始まる。そして口数少ない男がポツ
リポツリと語る事件の真相が、その事件に関わる人々に事件を通じて自らの人
生を問いただしていくこととなる。この極めて邦画らしい身につまされるテー
マだけを見て、その暗さ故に敬遠してしまっては、この【半落ち】という素晴
らしい傑作サスペンスドラマを観る機会を逸してしまうだろう。

確かに【半落ち】で描かれる厳しい現実は、決して自分には降りかかって欲し
くない、でもその可能性を誰もが否定できない厳しさに満ちている。しかしな
がらこの映画はそれぞれが抱える解決し得ない問題をどう自分の人生に抱えて
生きていくのか、という一つの答えを提示してくれる人への優しさに満ちてい
る。妻を殺害した梶という男が凶行に走ったやむにやまれぬ動機を目の当たり
にし、心を揺るがすことが出来ない人は決していないと信じたい。

空白の二日間の謎がついに解き明かされるラストシーンは、殺人事件という決
して犯してはいけない大罪とは相反する結末となっており、それをお涙頂戴の
甘いラストと評する人もいることだろう。それでも私は、守りたい人がいれば
人は生きていける、という温かい気持ちを忘れないこの作品を愛してやまない
のだ。

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3.徒然なるままに・・・編集後記
1月20日(火)
今年第二号です。発行が遅れて申し訳ございませんでした。言い訳をさせてい
ただきますと、前回からご紹介させていただいている自宅出版本が、当初1〜
2冊ぐらい注文が入れば上出来だろうと高をくくっていたところ、ありがたい
ことに思いのほか注文がありまして、その製本に四苦八苦していたしだい為で
ございます。ようやく注文分を発送し、ひと段落できました。お買い上げいた
だいた方々にこの場を借りて熱く御礼申し上げます。

そんな忙しい中、しっかり映画館には通っている訳でして、昨日は本年4本目
となる【着信アリ】を観てまいりました。この【着信アリ】2月14日にはも
う次回作【ゼブラーマン】も公開される日本一忙しい三池崇史監督による恐怖
映画なのですが、監督本人がホラー映画は怖くて苦手と言っているだけあって
なかなかに怖い作品でした。但し、私が観た水戸東映シネマは、なぜか場内が
微妙に明るく、せっかく真っ暗闇に一人で恐怖映画を堪能しようとした私の思
惑を見事に外してくれました。ついでに言わせて頂きますと、切符を切ってく
れるおじさん(館長?)はいつも愛想がまったく無い!!もしかしてそれは私
がお向かいの金券屋で安売り招待券を買って観に来ていることを見透かしての
ことなのでしょうか。

今週末には【着信アリ】を紹介いたします。ホラー映画好きな人は、要チェッ
クですよ。
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      映画館をこよなく愛する紅乃ちゃんのパパがお贈りする

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など映画尽くしのページです。共に映画について語り合いましょう。
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         【映画館で逢いましょう】 創刊1999年11月16日
● 発行者:紅乃ちゃんのパパ
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