物理学

メタ能力メルマガ

生きていく上で現れるあらゆる物事は研究とみなせます。
ビジネスで売り上げが上がらない、家族・恋人・上司などとの人間関係で悩んでいる、健康の悩みなどなど。
私が理論物理学の研究を通して身に付けて来た研究方法を、これらの問題に適用します。

全て表示する >

はるちゃんの任意の元は赤い?

2019/02/12

おはようございます。

物理の話に戻します、と思いましたが、そうするとまた数学をお話しする機会を逃しそうなので、試しに少しだけ「バリバリの数学」をやって見たいと思います。

(頭の体操になりますが、興味がなければ読み飛ばしてください。)

記号を使えると、わかってしまえばわかりやすいのですが、メルマガでは書きにくいですし、慣れていないと余計にわかりにくいと思いますので、言葉で説明します。


数学で最も基本的な対象は集合と呼ばれています。

これは日常生活でも使う言葉なのでわかりやすいと思いますが、なんらかの要素をあるルールに従って集めたものの集まりのことです。

例えば、「家にある家電製品」というルールを考えると、パソコンや携帯電話、テレビなどの要素からなる集合が得られます。

あるいはもっと抽象的に「アジアの国」というルールを考えれば、日本や中国、シンガポールなどの要素からなるまた別の集合が得られます。

数学で扱う集合としては数をあるルールで集めたものがわかりやすいでしょうか。

「整数」というルールを考えれば、-1,0,1,2,...などがこの集合の要素(集合の要素を元(げん)と呼ぶこともあります)になります。

(少し物足りない方向けに、数学っぽい記号もご紹介しておきますと、数学では集合はたいてい{}括弧で表します。

したがって、「家にある家電製品」は{パソコン,携帯電話,テレビ,...}、整数の集合は{...,-1,0,1,2,...}などと書かれます。

そして、毎回要素を書き出すのは面倒なので、便宜上これらの集合に名前を付けることが多いです。

名前はなんでも良いので、最初の集合を例えば「はるちゃん」と呼んでみましょう。

すると、はるちゃん={パソコン,携帯電話,テレビ,...}と書かれます。

整数からなる集合は数学では一般的にZと書かれます。

これはドイツ語で「数」を表すZahlenの頭文字が起源だと言われています。)

一つ注意点としては、これらの集合はまだ要素を集めてきただけで、それらの要素の間に何の関係もなければ、足し算などの演算も定義されていません。

小学校で数を習うとすぐに足し算を習うので、整数(小学校では自然数ですね)には足し算や掛け算が「元から」定義されていると一般の方は考えがちですが、
数学ではこのような暗黙の仮定は一切許されません。

これらの演算や関係は順番に導入していく、という立場を取ります。

慣れないとなんてややこしいことをするんだと思われるかもしれませんが、その代わり、何が使えて何が使えないかはっきりしますので、証明などが可能になります。

集合を「定義」した上で、数学で重要な2つの論理を説明します。

それは「任意の」と「存在する」という2つの言葉遣いです。

「任意の」は考えている集合の全ての要素に対して成り立つ主張の時に使います。

例えば、上で定義したはるちゃんを考えるなら、ほぼ定義から全ての家電製品は電力源が要りますので、「はるちゃんの任意の要素(元)は電気で動く」という命題を考えることができ、
この命題は真(しん)、つまり正しい、ということができます。

(数学では(証明可能な)命題の真偽は真か偽かはっきりでき、多分正しいみたいな曖昧な結果はありません。)

また、「任意の」の定義から、考えている集合に一つでも主張を満たさないものがあった場合、その主張は偽になります。

例えば、「はるちゃんの任意の要素(元)は赤い」という命題を考えると、赤くない家電製品もあるでしょうから、この命題は偽になります。

(家によっては真になるはるちゃんもあるでしょう。)

もう一つの論理、「存在する」は考えている集合の中に一つでも条件を満たすものがあった時、真となります。

一つ注意点としては、一つだけでもあれば良いので、「存在する」からと言って、それが一つとは限りません。

例えば、「整数には0より大きい要素が存在する」は真になります。

実際1は0より大きいですね。

(少し細かい話:先ほど集合はただ要素を集めただけで何の演算も関係も入っていないと書きました。

なので、鋭い方は0と1の関係はどうやって定義されているか、疑問に思うはずです。

この疑問は正当で、私はここで暗に整数に順序を入れました。)

また、2や3なども0より大きいので、上で注意したように、0より大きい整数は複数あることになります。

次回は今回準備した言葉を使って、位相幾何学(いそうきかがく)の最も重要な定義を与えます。



最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

何か私に聞いてみたいことやご意見ご感想ありましたら
お気軽にご連絡下さい。

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2018-09-25  
最終発行日:  
発行周期:毎週火土曜日  
発行部数:12  
総発行部数:392  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。