物理学

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私が理論物理学の研究を通して身に付けて来た研究方法を、これらの問題に適用します。

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2019/02/05

おはようございます。

前回、重力理論とゲージ理論が等価であるというゲージ・重力対応を説明しました。

これまでの長い準備の末、ようやく論文の内容に入れます。


前回ちらっと名前だけ出した超対称性があると、かなり強力な道具が使えます。

そこで、その論文では超対称性を持つブラックホールに限定して議論しています。

ゲージ・重力対応の両側では対称性が一致しなければいけませんので、ゲージ理論側も超対称性を持った理論になります。

そして、実はこの場合にはブラックホールの微視的状態に相当する状態の予想があって、BPS状態と呼ばれています。

つまり、このBPS状態なるものを数え上げて、その桁数を計算したら、ブラックホールのエントロピーを再現するはずです。

ところが、先行研究ではこのBPS状態を数え上げたところ、(超対称性を持つ)ブラックホールのエントロピーに期待される振る舞いが見つからなかった、という結果を得ていました。

「期待される振る舞い」の部分をもう少し具体的に説明しましょう。

ゲージ理論はゲージ対称性を持ちます。

そのゲージ対称性をラベルする、一般的にNと書かれる自然数があります。

(強い力はN=3、弱い力はN=2に相当します。)

そして、前回少し触れた、ゲージ力を伝える粒子(ゲージ粒子)は大体N行N列の行列になっています。

つまり、その要素はN^2個あります。

(行列に馴染みがなければ、縦横Nマスづつの正方形があって、その各マス目に数字が入っていると思ってください。

このマス目のことを行列の要素と言います。

なので、N行N列の行列ならその要素はN^2個あります。)

ゲージ・重力対応が成り立つのはこのNがとても大きい時です。

ゲージ粒子はNxNの行列に対応し、その要素はN^2個あることから、ゲージ粒子の自由度は大体N^2となります。

対応するブラックホールのエントロピーもN^2の振る舞いをすることがわかっています。

ところが、先行研究でBPS状態を数え上げたところ、N^2の振る舞いが見られず、Nの関数としては定数(つまりNに依らない)という結果でした。

これではブラックホールのエントロピーのN^2の振る舞いを説明できません。

これが長年の問題となっていました。

私がボスに投げられた論文では、この問題を(少なくとも部分的に)解決した、と主張していました。

長年の不一致をどうやって解決したかはあまりにも技術的になってしまうので省略しますが、簡単に言えば、先行研究で置かれていた(暗黙の)仮定を外し、
より一般的な場合を調べたら、その一部では期待されるN^2の振る舞いが正しく見られ、また先行研究と同じ仮定を入れたら正しくNについて定数という結果を再現する、という内容でした。


研究方法に関してこの論文から学べることは、やはり暗黙の仮定がないか、疑ってみることの重要性でしょうか。


P.S. メルマガを書いている今日、2月4日は旧暦の新年(?)なのか、学食で夕飯を食べようとしたら、おまけしてくれた上に、日本円で1円ほどの安価な価格で提供してくれました。

私は暦を無視した生活をしているので、こういう場面で暦を把握します。

そう言えば、こちらには春節なる春の祭日があるようで、オフィスメイトの学生さん達も実家に帰っているのか最近見ませんし、大学にも人が少なくなっていました。



最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

何か私に聞いてみたいことやご意見ご感想ありましたら
お気軽にご連絡下さい。

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創刊日:2018-09-25  
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