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月光為替のマーケットよもやま話

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第26回 投資における相関係数

2017/10/15

では、今回は実はトレーディング、分析においてすこぶる重要な「相関」についてお話ししていこうと思う。

相関係数というのは、当然ながら読者も様々なところで聞いたことがあるだろうが、これを投資に活用している方はどれくらいいるだろうか。

まず知っておいてほしいのが、クォンツにおいて、相関係数というのはリターンの源泉である。基本的な分析の流れは、如何なる金融商品においても、「翌期のリターン(目的変数)」と相関の高い「ファクター(説明変数)」を見つけ出すことから始まるからである。

これを、専門的にはIC(Information Coefficient)という。


基本的には、アセットが複数ある場合は、まずその複数のアセットにおけるファクター値をクロスセクションに標準化し、その標準化したタイムシリーズのファクター値をもちいて、クロスセクション・時系列回帰を行い、相関をみる。アセットが単一の場合は、時系列回帰のみでよい。



さて、ここで重要なのが、「分布」である。

基本的に相関係数というのは、「pearsonの積率相関係数」というのが用いられる。これは、対象物の分布が正規分布に従うことをその裏で仮定した相関係数である。


だが、何度も言ってきたように、我々が扱うマーケットデータの分布というのは、ほとんどの場合正規分布には従わない。なので、そのままpearsonの相関係数を当てはめると上手くいかない。


具体的には、リターンの源泉である相関係数に統計的エラーが生じてしまうことから(昔のメルマガでやったタイプ1エラーや2エラー)、リターンを過大に見積もったり、過少に見積もったりしてしまうわけだ。



さて、ではどうずればよいのだろうか?実は解決策は2通りある。

1.相関係数の算出法を、順位相関係数に変える。

先程まで、pearsonの積率相関係数を用いていたが、当然分布を仮定しない相関係数も存在する。

それが、分布を仮定しないノンパラメトリックな手法、spearmanの順位相関係数と、kendallの順位相関係数である。

これらを用いることで、正規分布でないデータに対して、より実態に近い相関係数を算出することができる。

2.データを正規分布に整形していく。

同じpearsonの積率相関係数を用いるのであれば、今度はデータの分布を正規分布になんとか整形するしかない。

この時に用いられる手法が所謂標準化である。

標準化には様々な手法が存在する。最も有名なzscoreや、マイナーなところではBlom Transformationというのもある。


これらも、手法ごとに当然ながら特徴が違う。用いる時はその細部をしっかりと理解した上で用いるといい。


さて、今回はクォンツ運用においては、かなり実践的な内容の話だった。このような話はほとんどの実務書には出てこない。理由は単純で、書いている人間が分かっていないからだ。

そもそもクォンツの実務書というのはほとんど存在しない。日本には吉野さんの本が唯一と言っていいレベルで、海外でもまだまだ少ない。

クォンツというのは今までは基本的に現場でのノウハウの蓄積によって支えられてきた。だからこそ、その内容の理解度というのは現場においても、各人で驚く程違う。(体系づけられているコーポレートファイナンスとかとは違い、本当に人によって理解度は玉石混合だ)


まぁ、せっかくなので知識として、知ってもらえればと思う。

ということで、今週は終了。また次週をお楽しみに。




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創刊日:2017-03-09  
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  • 名無しさん2017/10/16

    ブログ、メルマガが切っ掛けで機械学習の勉強を始めました。

    最初に拝見したときと比べて仰っている事の意味が読み取れるようになっています。

    終了は残念ですがコンテンツは保存して後で見返すつもりです。

    残り数ヵ月引き続き更新を楽しみにしています。