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月光為替のマーケットよもやま話

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第18回 クォンツとファンダメンタルズの融合

2017/08/06

本来なら今日は時系列分析の続きを書く予定だったんだが、先週途中まで風邪でダウンしてしまっていたため、ちょっとその後既に発表されていた決算とかに追いつくために忙しく、メルマガの記事を書くことが出来なかった。

という言い訳で申し訳ないが、今回は少し毛色を変えて、軽めのお話しをしたいと思う。時系列分析の話はまた来週からやります。


さて、本日の主題は、「クォンツとファンダメンタルズの融合」だ。



最近では、クォンタメンタルとも呼ばれる手法であり、ヘッジファンドに限らず、ある種機関投資家の間でバズワードになりつつある。


クォンタメンタルといえば何か凄い特別な響きに聞こえるが、特に個人投資家でもFXトレーダーの間では、何も特別なことはなく、昔からやっていることに近い。


ただ、テクニカル分析とファンダメンタル分析を融合したのがクォンタメンタルかというと、少しだけ違う。


クォンツというのは、その分析手法が完全データドリブンであることがポイントだ。なので、例えばトレンドラインなんかはクォンツにはなりえない。システムトレードのように完全にデータのみで出来ているトレードの場合は、クォンツだ。逆に言うと、データとしてシステムに入れることが出来るのであれば、ファンダメンタルズ情報を使ったものも、当然クォンツということになる。


今流行りのクォンタメンタルでは、基本的にはクォンツ分析ででてきた、ある金融商品セクターに対するポートフォリオに対して、自分なりの裁量的な、ファンダメンタルズの知見を加えて、それを実際のアウトプットとする。


ここでポイントになるのは、基本のクォンツ分析に対して従属的な立場をとっていることだ。

つまり、クォンツ分析で出てこなかったポジションは取らない。イメージでいうと、さらなるスクリーニングとして自分の感覚も含めたファンダメンタルズな情報を通すわけだ。


このメルマガで最初の方にお伝えした、共和文検定を用いた実践的なペアトレード戦略でも、鍵となったのは最後のファンダメンタルズスクリーニングだった。だがポイントは、それまでのデータドリブンの分析で出てきたペア以外のペアをこちらが勝手に加えたりなどはしないということだ。



このクォンタメンタルの考え方は、FXにおいてはかなり重要な考え方となる。

FXトレードは、その本質的な視点において、ファンダメンタルズ分析という分析は存在しえない。

どういうことかというと、ファンダメンタルズ分析というのは、言わばバリュエーション=”割安・割高の評価”であり、理論価格・適正価格がそのファンダメンタルズ情報から算出できるからこその分析手法なのだ。

株であれば、EPS成長率を予想できれば、DCF法,予想PERを用いたマルチプル、配当割引モデル等で理論価値をファンダメンタルズ情報から算出できる。

だが、FXではそれが出来ない。FXでの価格というのは、ファンダメンタルズに基づく”価値”ではなく、二通貨間の相対的な”位置関係”でしかないからだ。ビッグマック指数のようなモデルで一応”ぽいこと”は割り出せるかもしれないが、それではあまりに為替レートを決定する説明変数として脆弱すぎるだろう。


となると、基本的にFXをトレードするときにポイントとなるのは、”データドリブン”なトレードルールということになる。それは、古典的なテクニカルでもよいし、統計的な分析手法でもよいだろうが、つまりはクォンツ分析という視点からトレードをしていかなければならないということだ。


ではFXにおけるファンダメンタルズとは何か、それは、”強弱感”であり、”センチメント”だ。

例えば次の雇用統計は今までの流れでは期待されているからドル高になりやすいのではないか、とか、ブレギジットの可能性が出てきたからポンドは売られるんじゃないか、とかこういうレベル感でのセンチメントで用いる情報ということになる。



だが、この情報は、マーケットのような水物の時系列を分析するにあたって、重要な要素になりえる。例えば、現在様々なマルチタイムフレームで分析した結果長期上昇トレンドにたいする押し目の下降トレンドとクォンツ分析で出たとしても、それはもしかすると強烈に悪かった雇用統計の結果であり、一時的なレジームの変化の結果によるものである可能性もあるからだ。


ただ、基本がクォンツ的な分析である以上、それに逆らったトレードというのは、結局のところただの感覚のトレードになってしまい、自分のそれまでに培ったルールの優位性というものを活かすことは叶わなくなる。

ここを理解したうえで、効率的にファンダメンタルズ情報を用いることは、今後FXマーケットでトレードしていくうえでも、かなり重要な要素になってくるだろう。




ということで、今日はとりとめもない話になったが、次回からは本題の時系列分析をちゃんとしていくのでご心配なく。

ということで、今週は終了。また次週をお楽しみに。




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