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月光為替のマーケットよもやま話

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第13回 ヘッジファンドのトレード 戦略解説 〜ペアトレード戦略その2〜

2017/06/25

では、先週の続き、ペアトレードにおける共和分検定というものを説明していきたい。

多分今回が説明としては最も難しくなると思うが、ある程度共和分やペアトレードに関する資料はGoogle先生に探してもらえばいくらでも出てくるので、メルマガで分かりにくいなぁと思ったらそちらを参考にするように。

当然共和分検定してトレードしたら勝てる程甘くはないので、そこをどう機能させていくかが主軸になるんだが、そもそも共和分検定自体を理解していないと、その先の話もできないので、まぁ数学のお勉強だと思って読んでほしい。


さて、そもそも何故ペアトレードという概念があるんだろうか。
簡単には前回のメルマガでも示した通り、マーケットのβを消すための戦略という考え方が出来る。

つまり、例えばトヨタやホンダなど、β(マーケット全体との相関性。例えばTOPIXとの相関など)が似通っている二つの銘柄をロングショートで組めば、足し合わせたペアを一つの銘柄と考えると、その銘柄のβは限りなくゼロに近づくだろう。

だが、だからと言って、銘柄Aの価格PAと銘柄Bの価格PBのスプレッドPA-PBやレシオPA/PBが平均回帰するということは言えない。

スプレッドが広がり続ける場合もあれば、狭まり続ける場合もある。

これではアービトラージにはなり得ない。それをどうにかアービトラージに近い形にできないかと考慮されたのが、共和分検定だ。(もともと共和分検定はあったので、そのための手法として選ばれたという言い方が正しいか。)


さて、ここで時系列AとBがともに単位根過程だとする。
単位根過程とは、差分系列が定常過程である非定常過程の系列のことで、簡単に言うと、ランダムウォークとかのこと。

ランダムウォークは、xt = xt-1 + e (xtは時刻tにおける系列xの値、eはノイズ)とかけ、ここで、eは正規分布に従う。

正規分布に従うということは、平均と分散が存在し、ある平均値の周りを分布しているということなので、平均回帰性があると考えられる。

この平均回帰性がある過程を定常過程といい、ランダムウォークのように平均回帰性がない=トレンドができて予測ができない過程を非定常過程という。

当然単位根過程は、非定常過程だ。


だが、ここで単位根過程A、Bにおいて、A-αBという差分系列を考えよう。

ここで、このA-αBがもし単位根過程でなく、平均回帰性をもつ定常過程であるなら、A-αBという差分系列は、ある程度予測可能ということになる。

予測可能というのは、例えば+-2σの値までくれば、そこから平均回帰していく可能性が統計的に高いと証明できるということだ。

だから、統計的アービトラージということになるわけだ。

このような、単位根過程同士に線形回帰した残差項が平均回帰性をもつ定常過程かどうかを判別する数学的な枠組みが、共和分検定というものなわけだ。

(先程の例で言えば、A=αB+εとなるようなαを線形回帰でみつけ、このεが定常過程であれば、A-αBの残差項である系列は平均回帰性を持つということになる)


これの何が良いかというと、株Aを1単位買い、株Bをα単位ショートしたそのペアポートフォリオは、ある平均値の周りを平均回帰しながら動くことになるので、ボリンジャーバンドを引いた逆張り戦略をこのペアにとることで、ほぼ確実に儲けることが出来るということになるわけだ。




さて、多分難しい言い回しも多かったので、混乱されている方が多いだろう。しつこいようだが、他の方が執筆しているものを数多く読むことで、理解が深まるのではないかと思う。
本であれば、「実践的ペアトレード入門」という本がお勧めだ。


さて、実際には、これは運用の現場では使えない。

何故使えないのか。そして、これを使うために、どのような工夫をしていく必要があるのか。
この、核心の部分を次回のメルマガで、お話ししていければと思う。


では、また次週もお楽しみに。


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