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第12回 ヘッジファンドのトレード戦略解説 〜ペアトレード戦略その1〜

2017/06/18

さて、今週から日本株マーケットニュートラル型のロングショート戦略の一つとして有名な、ペアトレード戦略について、詳しく話して行きたいと思う。

俺も現在進行形でずっとやっている戦略だし、同業者でもこの戦略を自分の戦略ポートフォリオの一つとして取り入れている人間はいまだに多い。

当然、時とともに細かい変遷というものがある。今回は、その変遷も追っていきながら、現代においてこのペアトレード戦略を有効に使っていくための指針を話して行きたいと思う。

個人投資家も、十二分に可能な戦略なので、興味がある人は真剣に取り組んでもらえればと思う。


さて、ペアトレードとはそもそも何かというと、簡単に言うと、トヨタを買ってホンダを売るというような一つのロングとショートのペアを作ってトレードしていく手法である。

マーケットが下がればトヨタも下がるしホンダも下がる(厳密にはそうではないが)、マーケットが上がればどちらも上がる、ということで、マーケットの上下の方向によるリスクは、大幅に軽減されている。

その上で、トヨタとホンダのような同業種で似ている2つの銘柄であれば、同じような動きをするので、二つの銘柄のスプレッド、もしくはレシオは平均回帰性を持つのではないかと考え、ある期間をトレーニング期間として、その期間におけるスプレッドのボリンジャーバンドをとり、+-2σなどで逆張りをしかける、という戦略をペアトレード戦略という。

(戦略の細かいニュアンスはさすがにメルマガでは伝えきれないので、興味のある方はググって頂ければと思う)


さて、このペアトレードという考え方自体は広く使われている概念なのだが、ここではこの中でも、統計的アービトラージという分野について話して行きたい。


ペアトレードという戦略を簡単にするなら、例えば同業種や、例えば銘柄のリターン(対数リターン)の相関係数が大きいペアを見つけ、それでスプレッドやレシオが広がった時にエントリーするというトレードでよい。

だが、単に相関係数や同業種だ、という理由だけでは、そのスプレッドやレシオが平均回帰性を持つという統計的な説明ができない。

なので、これも一般的な概念なのだが、二つの銘柄に対して、共和分検定というものを行う。


結論から先に言うと、この共和分検定において二つの時系列の原系列(早い話が株価)が共和分をもつという検定結果になった場合、統計的にその残差系列(ここではスプレッド)が平均回帰性を持つ(=定常性を持つ)ということの証明になるのだ。

なので、共和分を持つ銘柄ペアに絞ってトレードを行うことで、よりペアトレーディングの勝率が上がるということになる。


実をいうと、この共和分検定だけでトレードできるほど、現代のマーケットは甘くない。
そういった話も含めて、これから何度かに分けて、実践的に本当にペアトレードを行うのであればどういった手続きを踏むべきなのかというのを、詳しく話して行きたいと思う。



まぁ、俺がこうしてメルマガに書くということは、結局の所、”裁量の部分がリターンに対して大きな影響力を持つ”ことが分かっているからであり、統計的アービトラージ=システム完成させれば必ずもうかる、ではないことに留意して頂きたい。


そもそも現代において、統計的アービトラージというものは機能しない。機能しないものをどう機能させていくのかというヒントを、この何回かで個人投資家の皆さんに示して行きたいと思う。


投資行動を責任を持って行うためには、”自分がなぜそれをしているのか”というのを本質的に理解していなければならない。
なので、次回はそもそも論として、このペアトレードに大きくかかわる”共和分検定”というものについて、なるべく平易に、説明していきたいと思う。(ネット上に落ちている説明は初学者にはかなり難解だと思うので)



では、また次週もお楽しみに。


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  • 名無しさん2017/06/18

    難しい…。けど、勉強になる。

  • 名無しさん2017/06/18

    次回が楽しみです。やる気になってきました。