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月光為替のマーケットよもやま話

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第11回 ヘッジファンド業界あるある〜シードマネー契約

2017/06/11

先週までが少し重いテーマだったので、今回は、ちょっと裏話的な軽い話。

ヘッジファンドのような私募ファンドの形態には、実は業界ならではの変わった契約が存在する。それが、シードマネー契約というものだ。

これはどういうものかというと、簡単に言えば、ファンドを始めるにあたっての初期運用資金(シードマネー)を集めてきてもらう契約のこと。

ファンドってのは、超有名トレーダーだろうがなんだろうが、イニシャルでしっかりとした運用資金が入るってことはまずない。

勿論、ファンドマネージャーとして既に実績があり有名であれば別だが、例えば元プロップトレーダーが建てるファンドだったり、新しい戦略に基づいたファンドであったりなどは、トラックレコードと言えるものがないので、基本的には初期運用資金としてまとまった金額は入りにくい。


だが、当然ヘッジファンドを運用していくには、例えば10億円とかでは、資金管理コストがほとんどになってしまうので、最低30億円くらいは必要になる。


さて、「この30億円を、なんとしてでも集めますよ。その代り、報酬として、未来永劫成功報酬の40%をちょうだいね」という契約が、シードマネー契約というものになり、販売証券会社などと結ぶことが多い。



実はこのシードマネー契約は凶悪で、未来永劫40%ということは、イニシャルで集めたのは30%なのに対し、例えばファンドが300億円とかに成長しても、その300億円の成功報酬に対して40%払わなければならない、という契約なのだ。300億円の中の30億円分の成功報酬ではないことに注意。


まぁ、つまり、どこの馬の骨ともわからないファンドに対して30億も集めるんだから、成功した時はそれ相応の対価をもらいますよっていう契約。ただ、勿論このシードマネー契約はヘッジファンドを運用していく中では重くのしかかってくるコストだということは想像に難しくないだろう。



なので、成功したファンドってのは、100億円を過ぎたあたりから、一旦そのファンドは募集を締め切り、その後リターンが2年くらい続いたところで解散する。

そして、同じようなファンドを、もう一度今度はシードマネーなしに建てるというわけだ。

100億円を過ぎてから、リターンが2年くらい出ていると、海外のファンズオブファンズなどが、お金を入れてくるようになる。

彼らはその入れ方は半端なく、一気に500億円とか近くまで膨れ上がることもざらだ。

その、海外の資金流入が期待できるフェーズになって、新しいファンドで、ガンガン稼いでいく、というのが健全なファンドの実態になる。


つまり、このシードマネー契約というものの存在により、実はヘッジファンドというのは、創立最低3年目くらいまではほとんど儲からないという構造になっているのだ。

まぁ、老舗ファンドに転職していくのなら関係はないのだが、将来もしファンドを自分で建てたいというような野心のある方がこのメルマガを読んでいれば、少し留意しておくと、いいと思う。


さて、今週はここまで。また次週もお楽しみに。


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