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月光為替のマーケットよもやま話

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第6回 ヘッジファンドの決算売りは本当か?

2017/04/30

さて、今週は、トレードをやっていると聞いたことがあるだろう、ヘッジファンドの決算売りというものについて、お話ししていきたいと思う。

株の世界でも、FXの世界でも、ヘッジファンドはしばしば得体の知れない巨人のような扱いを受けるが、現実とかけ離れた扱いを受けることもしばしばだ。


その中で、5月や11月に、ヘッジファンドの決算期があるので、特に株式市場において、相場が荒れる、もしくは売られる、という話を聞いたことはないだろうか?


これは、結構相場の世界では、ある種常識的なこととして受け止められがちだ。
しかし、これは本当に根拠のある話なんだろうか?



結論から言ってしまうと、これは、「まったく根も葉もない、作り話」に過ぎない。
では、その理由をこれから説明していこう。


確かに、ヘッジファンドの決算期は、このあたりにあるのは事実だ。だが、そもそもとして、この時期にヘッジファンドがポジションを決済するインセンティブというのは、皆無に等しい。


そもそも、我々ヘッジファンドは、基本的にグロスの運用資産残高に対して、キャッシュ比率を3割程度保っている。

そして、ヘッジファンドは高くてもレバレッジが大体3倍程度なので、ネットの資産残高に対して、1割程度はキャッシュとして残しているというわけだ。

ここで、そもそも解約がなければ、配当として支払うキャッシュは、この1割のキャッシュから余裕で支払えるレベルだ。


さらに、大きな解約の波が来ない限り、現在のポジションを、決済する必要性はない。そもそも計算上のリターンは含みだろうが実だろうが関係なく、いっしょくたに計算されるからだ。



勿論、例えばファンドサイズの20%、といった大きな解約が入れば、払戻日までに大きくポジションを決済する必要がある。


だが、別に1つのヘッジファンドで大きな解約があるからといって、それが全てのファンドに適用されるわけではない。全てのファンドが同時に20%くらい解約が入れば話は別だが、そういうことはめったに起こらないだろう。


また、当然ながら、例えばロングショートのファンドは、ネットポジションが0であることが多い。つまり、決済の時も、売りと買戻しがほぼ同額あるということだ。

そうなると、相場全体としては、上下の方向におけるインパクトってのは相殺されてしまう。


以上の理由から、「ほとんどのヘッジファンドに大きな解約が同時に発生し」、かつ「ほとんどのヘッジファンドがネットポジションに大きな傾きがある」場合においてのみ、ヘッジファンドの決算売りというものは、理論的に起こり得るということになるのだ。



まぁ、このように色々とあるヘッジファンドの噂ってのは、大体根も葉もない噂ベースであることが多い。

今後も、またそういった噂を思いついたら、このメルマガで真実を検証していきたいと思う。

では、また次週もお楽しみに。




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創刊日:2017-03-09  
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  • 名無しさん2017/04/30

    本当に素晴らしい。月光様は、日本の宝です。感謝を込めて。。

  • 名無しさん2017/04/30

    メルマガもよかったが、今週のブログのファンド詐欺の記事もよかったです。これからも個人投資家を育てる記事をお願いします。