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月光為替のマーケットよもやま話

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第5回 AIで見えてきたFXマーケット

2017/04/23

さて、今週は「機械学習で見えてきたFXマーケット」ということで、日々の研究成果を少しだけ紹介したいと思う。

所謂、機械学習やAIというものは、過去のパターン学習を行うものである。
その使い道は様々だが、基本的にFXや株などに機械学習を応用する場合、結局は分類問題を解くということに帰結する。


分類問題とは、例えばこのメールが”迷惑メール”か、”迷惑メールではない”かといったラべリングを行っていく問題のことだ。

株価でいえば、例えば明日上がるなら1、下がるなら0、といった具合にして、様々なデータを使って、現時点でこの株が、1か0、どちらに分類できるか、といった問題に落とし込むことになる。


勿論分類問題の設定方法は様々で、使うデータも様々だ。ここらへんの工夫に、金融実務者の経験が必要ということになる。


例えば、分類に使うデータ(一般的に説明変数という)は、多ければ多いほどよい、ということにはならない。

残念ながら、データがあまりにも多いと、過学習という状態に陥り、学習データでは物凄くいい結果がでるが、テストになるとボロボロ、といった状態になる。FX用語でいうと、カーブフィッティングという状態だ。


なので、説明変数は、ちゃんと絞り上げていかなければならない。そして、この説明変数の選び方が、金融実務者の腕の見せ所というところになる。ただのデータサイエンティストに対するエッジはここにあるわけだ。



今回、USDJPYの5分足のデータを使って、10分後に上がるか下がるかの分類問題を解いてみた。

勿論、まだまだ実用に足る精度ではないのだが、現時点で、様々な示唆が得られている。これを、みなさんと共有したい。


まず、「説明変数に適したデータ加工が重要」という点だ。

学習の時に、生の価格データを入れても意味はない。当然、同じ101円でも、102円の後の101円と、100円の後の101円では意味合いが全く違う。なので、必ず価格データは生で使うのではなく、相対値として加工してから使わなくてはならない。

テクニカルにしても、例えば移動平均でも、移動平均そのものの値には意味がなく、移動平均と現在価格の差であるとか、移動平均の傾きとか、そういうものを説明変数として加工して使わなければならない。


どういう指標、データが、実際の相場ではどのように使われているのかが分かって、そのようにデータを加工できるようにしないと精度が上がらない点は、金融実務者のエッジとなりうる点だろう。


さらに、「マルチタイムフレームワークは意味がある」という点だ。

10分後の分類問題を解くのに、様々なタイムフレームにいて加工作成したデータをつっこんで、説明変数の次元を機械学習で減らしていくという作業を行った。

つまり、膨大な説明変数から、さらに意味のある説明変数を機械学習によって分類していくという作業だ。

ここで、不思議なことに、10分後の分類問題にしろ、30分後の分類問題にしろ、どちらにしても1時間足や日足のデータも必要な説明変数となることが分かった。


つまり、我々が裁量で行う時に、ヒストリカルに時間足を変えながらチャートを分析していくという作業は、間違ってはいない行為であるということが分かったわけだ。(現時点のマーケットにおいては)


そして、「価格分析には意味がある」という点も重要なポイントだろう。

現在株式にたいしても、分類問題自体のアイディアをいろいろと変えながら様々な視点で機械学習を試みているが、「4本値」がこれほど説明変数として重要になっているマーケットは今の所FXだけだ。

終値の変化だけでなく、高値や安値の変化も重要な説明変数として機械学習によって取り出されるのは、意外だった。(つまり、価格変化だけでなく、四本値の価格変化としてセットで説明変数として重要であるということになる)


ここから、裁量で行う時に、所謂プライスアクションといわれるものを重要視するのも、間違った観点ではないということが明らかになった。



今の所、個人的な分析で読者にシェアできる有用な結果はここまでだ。また今後、面白い研究結果が出たら、シェアしようと思う。


では、また次週もお楽しみに。




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