「措置入院」精神病棟の日々(75)

2017/11/19

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「措置入院」精神病棟の日々(75)
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“シーチン”修一 2.0

自分の子供や愛犬に好きだった女性の名前をつける、つけたがる男は、多分珍しくないのだろう。未練といえば未練、初心といえば初心、可愛いのかキモイのか・・・男の気持ちはいろいろだろう。

小生は「ちかこ」という名が好きで、小学生の頃は千佳子ちゃん、中学の時は千賀子ちゃんが大好きだった。それもあって旅行会社「てるみくらぶ」の山田千賀子さんが海外旅行業界のひのき舞台(お偉いさんが集まる業界団体の場など)に登場した時は「おっ、キターッ!」と感動したものである。

小生と千賀子さんは共に30歳前後で、小生は編集長、彼女は中堅旅行会社の幹部だった。美人で頭が良くてスタイルがいい・・・業界で瞬く間に人気者になった。「U社のM社長の思い者」などという噂もあったが、わがギョーカイはユルーイから「それは“有り”だな、男がほうってはおかないよ」と、むしろ「さすがに才色兼備、やり手だなあ」などと千賀子さんはさらに女をあげたのである。

千賀子さんの経歴をネットで調べていたら「風雲児ジェットツアーはなぜ倒産したか 景気低迷、競争激化が借入金依存の自転車操業的な脆弱体質を顕在化」という1998年の記事があった。目を通して「結構いい記事だなあ、誰が書いたのだろう」と署名を見たら、なんと小生の筆名があった。お懐かしゅう、という感じで、30年前の36歳、現役バリバリの小生と再会した気分だ。

ちょろっと出だしと終りを紹介する。

<準大手ホールセーラー(株)ジェットツアー(東京都品川区、資本金12億7200万円、菅原清美代表取締役社長)が1998年2月3日、倒産した。負債総額は252億円。

ジャンボ時代を1年後に控えた1969年7月、(株)世界旅行として設立され、大手に対抗する中立的な純ホールセーラー、「風雲児」として一時代を築いたジェットツアーだが、年初来の「倒産デマ」で経営危機が加速度的に表面化、事業継続を断念するに至った。

中立性ゆえのバックの弱さ、リテール機能を持たない準ホールセーラーゆえの直販力のなさ、KB(報奨手数料、修一:航空会社からのリベート、通称キックバック、口約束のために時々トラブルになる)方式による膨大な立て替え金負担というホールセール事業の無理、さらにはバブル経済の崩壊による景気低迷と競争激化が同社の借入金依存の自転車操業的な脆弱体質を顕在化させ「菅原ジェット」のあまりにもあっけない落城を招いた。

価格競争が一段と激化している中で、ジェットの倒産は対岸視できない身近な教訓を含んでいる。倒産に至る経緯と背景、原因をリポートし、特に旅行業経営者へのテキストに供したい。

・負債総額は252億円

98年2月3日の倒産記者会見から1週間後の10日午後2時半から、ホテルポポロ東京(五反田)で債権者説明会が開催された。会場には約400人の債権者が集まり、当初予定より多かったのだろう、立ち見もいて受付の方にまで人が溢れている。受付で規制されていたもののTV局などマスコミや業界紙記者も取材に来ており、倒産の影響の大きさ、関心の高さを表していた・・・

・従業員と中小業者を保護すべき

今後、ジェットに対する債権はどのようになるのか。素人の記者には分からないが一般的には、金融機関が担保を差し押さえ、残りの資産を債権者が優先度の高い順に分けあう。最も優先順位の高いのは法的な整理に伴う費用(通信費、弁護士、破産管財人への報酬など)で、次に税金や社会保険料が差し引かれる。

この残りの資産で最優先されるのが、従業員の給与と一部カットされることはあるものの退職金も順位の高い債権とされる(修一:労働債権という)。

現在、資産勘定で実際に現金化されそうなものは現金預金16億円、KBを除く旅行未収金・売掛金12億円、前払金・前度金16億円、前払金費用4億円、保証金10億円。多く見積もっても58億円ほどか。

一方でジェットに対する債権額は、保証債務を含めて292億円+従業員給与・退職金(1人当たり300万円とすれば)約10億円、合わせて302億円。

海外ホテルはほとんどが現地法人に対して債権を請求するが、ジェットが連帯保証しているだろうからジェットに対する債権額はこれから増えることはあっても減ることはないだろう。金融機関(担保に入っているのは6億円の土地のみ)、ホテル、キャリア、ツアーオペレーターを含めて、配当されるのは債権の10〜15%ほどになるかもしれない。従業員と中小業者を最優先して可能な限り厚く配当してもらいたいものである。

菅原マジックを可能にした責任の一端は、KBを餌に量販を煽った航空会社と、バブル期に融資競争に走った金融機関にもあるだろう。菅原ジェットはそのバックコーラスを受けて、おとぎ話にある「踊る靴」を履いて踊り続け、そして倒れた。電鉄系の準大手旅行会社の役員が1年前にこう言ったのを思い出す。

「業界が低収益構造に陥った原因のひとつに、航空会社との数、スケールのニギリによるKB方式が上げられると思う。これで一番恩恵を受けているのは、KBがなければ生き残れないというホールセーラーの弱みをうまく利用し安く仕入れて急成長したHISなどエアオン販売業者だろう」

奇しくも倒産前夜、菅原氏が最後に支援を依頼したのはHISの澤田社長であった。元風雲児は現風雲児を前に時代の変遷を思ったことだろう。「一将功なり万骨枯る」ではないが「澤田HIS功なり菅原ジェット枯る」となってしまった。1998年はひとつの時代の終焉の、その始まりかもしれない(旅行産業アナリスト石上幸一)>

旅行業界は「今日売れなかった座席、客室は永遠に売れない」という、在庫のきかない商売だから、バナナの叩き売りになる。生鮮食品のその日の最後のセリが廃棄物一歩手前の安さで処分されるのと同じで、こういう激安チケットを仕入れて売ったのが澤田だった。業界では澤田を「バッタ屋」と見下していたが、「競争自由化で消費者が利益を得るのはいいことだ」という日経新聞の後押しもあって今や大手にのし上がった。

HIS澤田以前、旅行業界は一生を託せる産業だったが、澤田以後は低価格競争でマイホームどころか家庭も持てない産業になってしまった。公取が航空会社に「旅行会社に“認可運賃を守れ”と指導するのはいいが、取引停止などの制裁をすれば独禁法違反だ」と運輸省や航空会社をドーカツしたことから、HIS澤田的ビジネスはお墨付けを得て業界を席巻したのである。

「てるみくらぶ」の千賀子さんも刀折れ矢尽きて2億円の詐取容疑だし、被害者も多いから懲役3年あたりかもしれない。日本最大の女子刑務所、これから寒そうな栃木刑務所送りか。出所すれば70歳、家族もいないようだから寂しい晩年になりそうだが・・・

なお、未確認情報だが、菅原氏は倒産前に(偽装?)離婚して全財産を奥様に移した(慰謝料は無税)他、米国の銀行口座に5億円を貯め込んでいたという風評があった。

頭がいい千賀子さんもどこかに蓄財しているかもしれない。うつ病などを装うと、上手くいけば八王子医療刑務所に行けるかも。看守さんはとても優しいそうだ(自殺を恐れているためとか。始末書では済まず、出世はまず無理になるのだろう)。

ペンネーム石上幸一の「幸」は、幸枝、幸子、美幸といった名前も好きだったから。Kにもその文字がある。「辛」と似ているなあ。

リアルのうつ病かつウツケ、“うつウツ”の小生は11/14に精神科外来受診。可愛くて優しいカウンセラー2人とおしゃべりができてとても楽しかった。K曰く「気に入ってるんやったら再入院してもええで」、辛辣やなあ。何やらここ2、3日、躁状態の発狂亭雀庵の病棟日記から。

【2017/1/7】*早朝、2F急性期病棟の女帝、ナースの“ジャイアン”と会話。アル中だった住職の旦那とは別居して4年だという。道理でアル中に詳しいわけだ。結局、

「あなたの発狂事件は家族にはトラウマになっているから、あなたが宗教にすがって自己犠牲で引いたところで上手くはいかないし、長続きはできないよ。時間が必要で、朝晩、天と家族に感謝していれば、やがて少しずつ家族の傷が癒えていき、寄り添うようになるよ」

とのこと。経験者の言葉は重い。どうもそれ以外に道はないようだ。「恩讐の彼方に」を期すしかないな。日米戦の傷も70年でようやく癒えてきた感じがするが、わが家の場合はどうか。1〜2年で済むのかどうか・・・

*16:30、Dr,診察、「奥さんへの思いやりが必要」という。それは感性などの右脳領域のことで、小生は基本的にロジック、論理の左脳人だから、感性ソフトがどうも発達障害なのかもしれない。

Dr,によるとKは9日(月)に小生に面会してから外出の可否をDr.と相談しながら決めるという。今は夫婦の信頼関係が欠如しているのだ。

改めて「Kや子・孫を愛しているのか」と自問してみると、ただの「身近な人、同居人」のような感じがする。信頼感とか、親愛の情といったウェットな感情が欠落しており、「他人とは言わないけれど、結局は他者だわな」という想いがする。自・他の距離感があり過ぎて、異常かもしれない。かなり怪しく、そのうち専門家に聞いてみよう。

他者への関心が薄いから会話やおしゃべりが苦手で、そもそも興味がない。他者は他者、自分は自分。言った、言わないのトラブルが嫌いだから「言いたいことはメモに書いてくれ」。これでは誰も寄り付かないが、静かな方が好きだからまったく苦にならない。

思いやり:他人の身の上や気持ちを推し量ること、同情。sympathy:同情、哀れみ、同感、共鳴。

小生が目指すのは孤高の人、孤立主義、独立独歩で、「思いやり」という感覚がよく分からない。

【1/8】*このところ体が地に着いていない感じで、フワフワしている。薬やサプリメントの影響とか、運動のし過ぎとも考えられる。もうすぐ66歳だから、そんな風になるのも自然なのかもしれない。終日、部屋を飾ったり、機能的にして楽しんだ。

*夕食後に“バアバ”とおしゃべり。「お正月は外泊したみたいね、どうでした?」と聞けば、「あっという間の2泊3日でした。家はやっぱりいいわ、自分で料理も作れるし」。

一時期、彼女は料理ができなくなっていたのだが、家族から「おいしいね」と言われてから料理を以前のように作れるようになったと言っていた。

家族からの「思いやり」とは、そういう感謝の言葉や励ましなのかもしれない。「ありがとう、美味しかったよ、また作ってね」とか・・・(つづく)2017/11/19








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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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