「措置入院」精神病棟の日々(52)

2017/06/28

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「措置入院」精神病棟の日々(52)
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“シーチン”修一 2.0

6/28も慌ただしく過ぎた。アクリルの透明波板による笠木の補強は23日に続いて25日に長男坊がやってくれたが、小生の工作は「家にある物を再利用して用が足りればOK」であり、見栄えは二の次だ。ところが長男坊は「用が足り、なおかつ美しく」と二兎を追う。パーツがなければ買いに行く。納得したいのだ。

補強というより「作品」を創っている感じで、「手伝おうか?」と声をかけると「要らない」。邪魔をしないでくれと言わんばかりだ。

“春琴”は「アンタとそっくり」と笑うが、どうやら父系のご先祖様からのモノヅクリの血、職人の血が引き継がれているようである(曽祖父は。手抜きは恥、納得できる、誇れる仕事をしたいという職人魂は男にしかない、多分。女の場合は趣味以上にはなかなかならないのではないか。

幕末の日本と清朝末期の支那を訪れたハインリッヒ・シュリーマンが面白いことを書いていた。

<1860年、清国と英仏間に締結された条約の結果、賠償金を支払い終えるまで、清国政府は自国の税務業務に外国人官吏を登用せざるを得なくなったが、そうするとほどなく税収が大幅に増え、それまでの自国役人の腐敗堕落が明らかになった。それで清国政府は彼らを罷免し、代わりに支那語を話せる外国人を雇うようになったのである。

イギリス人レイ氏は1861年に年俸50万フランで税関の長官に任命された。レイ氏の後任に、昨秋、25歳になるかならずの元イギリス領事ハート氏が据えられた。その若さにもかかわらず、ハート氏は行政の天才で、彼のとった施策のおかげで、税関の所得は、外国人官吏を雇う前の4倍に跳ね上がった>(「シュリーマン旅行記 清国・日本」1865年)

当時の1フランは今の1000円ほどか。年俸50万フランなら5億円だ。日本の税収は60兆円だが、支那の場合だと、国庫に入るのは1/4の15兆円、3/4の45兆円は役人のポケットに入っていたわけだ。5億円の投資で45兆円も増えるのなら安いものだ。

高給に魅かれたこともあって日本でも「お雇い外国人」は幕末から増えていったが、シュリーマンによると口さがない欧米人は「日本は欧米の掃きだめ」と言っていたそうだ。本国では門閥や身分制などもあって、能力はあっても就職できない、出世できない、十分な俸給を得られない、と鬱屈していた人々がすこぶる評判の良かった日本(今で言うクールジャパン)を目指したのだ。

福翁が幕藩封建体制=身分制を嫌った(ほとんど憎悪していた)のは、才能ある父親が下級官吏に甘んじるしかなかった、その口惜しさ、諦観を見ていたからだ。勉強しろ、才覚さえあれば庶民も立派な仕事に就ける、これが自由主義、民主主義だ、と叫び続けたのはご先祖様からの後押しがあったからだ、「恨み晴らさでおくものか!」と。

「江戸・幕末滞在記 若き海軍士官の見た日本」の著者エドゥアルド・スエンソン(仏)は横須賀海軍造船所を訪ねて、日本人の職工に感動している。

<(お雇い外国人のフランス人>技師が指令を(幕府の)役人に与え、それが日本人に伝えられる・・・ひょっとすると日本人の職人の方が西欧人より優秀かも知れなかった。日本のものよりはるかに優れている西欧の道具の使い方をすぐに覚え、機械類に関する知識も簡単に手に入れて、手順を教えてもその単なる真似事で満足せず、自力でどんどんその先の仕事をやってのける。

日本人の職人がすでに何人も機械工場で立派な仕事をしていた>

支那人は儲からなければ一所懸命にはやらない。カネ、カネ、カネの世界。日本人は「とにかくいい仕事をしたい、カネは暮らしに困らない程度でも構わない」。支那人は今頃になって「日本の職人に学べ、匠を目指せ」と言っているが、彼らの生活空間は昔から「臭い、汚い、カネとコネ」の4Kで、「汚物、汚染、汚辱、汚職」の4O(4オー)付き、恐ろしく「清潔、正確、質素、清貧、正直、正道、精勤」の7Sに欠ける。

そういう職場で「いい仕事」ができるはずも「いい職人」が育つはずもない。中韓北露・・・われわれは厄介な隣人に悩まされている。厄介者として3Fに隔離され、餌場の今では10羽以上に増えた雀を相手に晩年を送る発狂老人の病棟日記から。

【2016/12/9】承前。*「古い友人が丹東(中国遼寧省)で日帰り北朝鮮ツアーを催行している。一緒に行かないか」と(中国通の)Nさんに誘われ、北京経由で無事に丹東着。中朝友誼橋(鴨緑江大橋)を渡ってバスを降りたとたん、「救援金」と書かれた袋を持った人々の群に囲まれ、彼らは口々にこう叫んでいる。

「ドル、ユーロ、人民元、円、ポンド・・・わが国の朝鮮ウォン以外ならOKです。住民は皆困窮しています、助けてください!」

はなっから観光どころではない。観光地、土産屋、レストラン・・・バスが停まれば人、人、人の渦で、歩くこともままならない。「どうなっているんだ、これじゃあまるでボッタクリツアーだ!」とガイドに苦情を言うと、Nさんが「修一さん、これが北の現実なんです。中国から毎日大量の物資が入ってくる丹東対岸の街でさえこの有様です。奥地では飢餓線上の人々があふれているでしょう」・・・

ここで目が覚めた。夢だったが、幽体離脱で空から眺めたようなリアリティがあった。北の自然発生的“草の根資本主義≒改革開放”が進めばいいが、上からそれを押さえつけられたら北は破綻するしかない。

〔今朝の産経から〕*措置入院解除後のフォロー体制を整備するという。医療刑務所、予防拘禁、保護観察などが必要ではないか。

*あしながおじさん運動はいいことだが、「一口○○円」という寄付の“足切り”は再考した方がいい。低額でも高額でも、その人なりの精いっぱいの浄財ではないのか。

*正論/榊原英資「統合危うくするEUの歯車」。

<戦後、統合と経済の自由化が進んできたが、再び主権国家への回帰、保護主義化が進んできている。リベラリズムや寛容な態度でまとめて、一つのヨーロッパをつくりあげたのがEUである。確かに難民などの問題を生んでしまったのだが、その理念に立ち返るときなのではないか。

日本は自由化の流れを止めない、保護主義を食い止める(というグローバリゼーション/GLBの)リーダーシップを取るべきだ、云々>

GLBとは、国境をなくす or フェンスを低くし、ヒト、モノ、カネができるだけ自由に動けるようにすることで、それによって経済は活性化すると言われ、希望に輝いていた。自由化=○、保護主義=×だった。

日本で派遣労働が認められたころ、識者は「年功序列、終身雇用という労働市場の固定化は不合理だ。企業は必要な時に、必要な労働力を求めており、労働市場の流動化は進めるべきで、生産性向上につながる」と言っていた。で、どうなったか。非正規雇用が急増し、多くの労働者の収入は減った。

モノとカネの流動化は、賃金の安い後進国、中国など新興国への工場移転を促し、日本では国内製造業の衰退、産業空洞化、失業率の上昇、景気悪化を招き、「就職氷河期」などと言われたものである。

米国ではGBLにより「儲かればよし」とする風潮に一層拍車がかかり、自動車の街デトロイトをはじめ中部の製造業都市は軒並み産業空洞化により壊滅的打撃を受け、今やラストベルト(鉄さび地帯)と呼ばれるようになった。

EUでは移民、難民モドキが押し寄せ、低賃金化、既存労働者の解雇が進んだ。英国のEU離脱、欧州全体での“極右”の台頭、米国のトランプ勝利は、明らかにGLBの大失敗を示しているのではないか。

GLBは孤立主義の対語で、「世界的連携拡大・相互干渉主義」の意味だろう。国家、国民、民族、人種にはそれぞれの歴史、伝統、文化、成り立ち、価値観がある。国家主権とは「アナタはアナタの、ワタシはワタシの道を行く」ということで、せいぜい国連やWTO(世界貿易機関)のタガでいいものを、EUは「言うことを聞かなければ村八分にするぞ」と干渉しまくり、脅かし続けた。アカモドキのEU真理教から皆が目覚め始めたのだ。

榊原などリベラル≒アカモドキは、どうせ東大を出て大蔵省か外務省などの官僚を勤めたアホだろう。お花畑の邪論、愚論、暴論、詐論、偽論のどこが「正論」なのか。読者はこの手の妄言を読むためにカネを払っているのではない。編集者はよくよく反省すべし。(つづく)2017/6/28










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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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  • 名無しさん2017/06/28

    同感!!! 次号に期待します。