「措置入院」精神病棟の日々(48)

2017/06/08

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「措置入院」精神病棟の日々(48)
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“シーチン”修一 2.0

産経6/5「週刊新潮の中づり広告、6年前から文春側に貸し出し トーハンが調査結果公表」から。

<発売前の「週刊新潮」(新潮社)の中づり広告を出版取次大手「トーハン」から文芸春秋が入手していた問題で、トーハンは5日、約6年前から中づり広告を文芸春秋側にほぼ毎週貸し渡していたなどとする社内の調査結果を公表し、改めて新潮社に謝罪した。

トーハンの特別調査委員会は「(「週刊文春」の)内容変更が間に合うと知っていれば、貸し渡しは行わなかった」と指摘。「当社担当者が金銭授受や供応などの提供を受けた事実は確認されていない」とした。

 調査結果に対し、週刊新潮編集部は「文芸春秋側が事実と異なる説明で出版取次会社の担当者を欺き、中づり広告のメモやコピーを取るようになったことが明確になった。看過できない不正行為」などとする見解を発表。一方、週刊文春の新谷学編集長はこれまでに公式サイトで、「情報を不正、不法に入手したり、それをもって記事を書き換えたり、盗用したりした事実は一切ない」としていた>

中づり広告を戦後、広告媒体の一つとして大普及させたのはキョウエイアドエージェンシーの力が大きい。これは利権でもある。創業家は大金持ちになり、「キョウエイ○○」とか「○○グッドラック」などの馬主でもあり、競馬界では有名だそうだ。小生はその子会社の役員からずいぶん可愛がられたので、以上の話を知ったわけだ。

他者にモラルを求め、「こいつはインモラルだ!」大騒ぎして買わせるのが週刊誌で、少なくとも東名阪福札の都市部で売ろうというのなら中づり広告は欠かせない。週刊文春をメジャーに育てた花田氏の、事件が発覚した直後の産経5/20読書面の「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」に一読唖然、「花田さん、それはないでしょう」と言いたい。

<文藝春秋OBだから言うわけではないが、文藝春秋の体質、新谷編集長の性格からしてスクープ潰しとかスクープ泥棒という悪どい意図はなかったと信じたい。単純にライバル誌が、今週はどんなメニューなのか知りたかっただけなのではないか。新潮としては・・・皮肉で済ませた方がスマートだった>

先日、家の北側マンションに若い女の子が引っ越してきた。小生が観察していたらどうなるか。

<覗きこんで録画したり、洗濯物を盗むといった悪どい意図はありません。単純に若い女性の暮らしぶりを知りたかっただけなのです。“変態ヂヂイめ、いい歳をして”とここは皮肉で済ませるのがスマートでしょう>

<ワシントンDCと東京に核ミサイルをぶち込むといった悪どい意図はありません。単純に自国を防衛したかっただけなのです。“格違いのキチ○イ豚め”とここは皮肉で済ませるのがスマートでしょう>

とでも言うのが花田流、文春流か。

花田主宰の月刊誌の内容が事前にライバル誌の「WILL」に流れていても、花田は皮肉で済ませるのか。これでは出版人としてのモラルはもたない。編集部を「何でもあり」のゴロツキ集団、梁山泊、赤匪にしないように、ここは一罰百戒、「泣いて馬謖を斬る」くらいのことをしないとダメだろう。

スマートであろうがなかろうが、不文律であろうが、売文屋の掟は掟だ。掟破りは業界永久追放ではなかったのか。

掟破りは全身拘束という全然スマートじゃない病棟日記から。

【2016/11/29】緊急措置入院から1か月、あっという間という感じだ。心も体も少しずつ正常≒普通になりつつある。いいのか悪いのか・・・持ち味の「エキセントリックな無頼派モドキ」が薄れるようで、ちょっと複雑な思いだ。

【11/30】病院の上をトンビが遊弋していた。気持ち良さそうだ。人間は大昔から自由に大空を飛びたかった。ダビンチは元祖ヘリコプターを考案、ライト兄弟が動力飛行機を砂浜で飛ばしたのは1900年頃だから、それから100年ちょっとで宇宙まで飛んでいくようになった。

ムササビのような格好をして山の上から飛ぶ映像を見たが、最初は怖かったろうな。高層ビルから飛ぶ人もいるが、まあこれは落ちるということになり、歩行者が巻き添えになったりする。「一人で死ねよ、一人で!」と皆思っているだろう。

10:00〜11:00、作業療法で木製オートバイ作り。とても難しくてぐったりしたが、刺激にはなる。草むしりでも包丁研ぎでもいいから仕事をさせてくれないかなあ。人の役に立ちたい。世話になるばかりではちっとも面白くない、生き甲斐を感じたい。

14:30、救急車が来て3Fの患者を乗せていった。多分、電気ショック療法で気絶したのだろう。この療法(カミサンによると麻酔も使う)を受けている美女“バスケ”は車椅子に乗って病室に戻ってきたが、本人によると「被害妄想」だそうだが、統失なのかもしれない。

16:40、毎日恒例、全患者の「所在確認」。外出の際に失踪したり、屋内でもどこかへ隠れたり、首を吊ったり、風呂場でリストカットしたりする患者がたまにいるのだろう。精神病棟勤務は大変だ。

なにしろ完治しないのだから看護師にとってはやりがいが薄いかもしれない。いろいろな事情から精神病棟勤務に就いたのだろうが、小生ら患者を含めて個性的な人が多い。

昨日の夕食から、転院したボスの席を使っており、座高が高い使いやすい椅子に替えて坐り心地が良くなった。

ところが知能障害の上に呆けが進行して言語不明瞭の“コンチャン”(60歳ほど)が昨日から小生の隣に引っ越してきた。彼は別の4人掛けのテーブルにいたのだが、このところ敬遠されてシカトされていたのだ。

追い出すわけにもいかず、並んで食事を摂っているが、ご飯はポロポロこぼす、箸は落とす、どうでもいいことで看護助手を呼びつける、服は着た切り雀、隙あらば小生に話しかけようとする、ベッドは隣同士だが、独り言を言う、失禁、脱糞はしょっちゅう、その上に風呂嫌い・・・

敬遠されるのも無理ないが、孤独に耐えられず、人の輪に入っていきたがり、またまた煙たがれるのだ。

先日は“コンチャン”の父親、85歳ほどが面会に来たが、本人はともかく親は気の毒だ。一生が転院の連続、過酷な人生だとは思うが、小さい頃から施設を転々として暮らした本人は、それ以外の人生、社会を知らないのだから何とも思っていないのだろう。呆けるが勝ちか・・・

15:00、ベッドで本を読んでいると“コンチャン”がカーテンを開けて顔を出し、「お昼食べた?」。

「うん、12時に食べたよ」
「その時に俺いた?」
「うん、いたよ」
「そうか・・・」

母もよく言っていたっけ。呆けの典型的な症状だ。(つづく)2017/6/8(この号はワケアリで以前のものをリメイクしました)






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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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