「措置入院」精神病棟の日々(44)

2017/05/28

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「措置入院」精神病棟の日々(44)
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“シーチン”修一 2.0

狂気じみた人は珍しくないだろうが、正真正銘のキチ○イで刃物を振り回して緊急措置入院させられ、退院後も懲りずに、恥ずかしげもなく、せっせとキーを打っている小生のような人は稀少動物ではないか。

レア、rare、珍奇、生焼き・・・Call me Rareってどうか。キラキラネームで「麗阿」と書いて「れあ」と読ませるのはありそうだ。「阿(あ、お)」は「女子の名の上につける愛称」でもあり、「おたまちゃん/阿玉」「おゆきちゃん/阿雪」はその類だそうだ。

5/23は4週おきの通院。カウンセラー“ピーコック”とおしゃべりを楽しんだが、「保育園に行っている長女の息子が来年小学校に入学するけど、長女夫婦は毎朝7時頃に家を出るから、通学時刻まで息子をどうしようか困っている」と言えば、「それ“小1の壁”って言いますよ」。なるほど。

「老人の壁」もある。病気ではなくても体力が衰え、ヨボヨボする。「歳をとると、目はかすむ、耳は遠くなる、“我”ばかり強くなって嫌われる」と国定忠治は嘆いたが、考えてみれば人生は壁の連続だ。夫にとっては「妻の壁」もありそうだ。

「アベさんもアキエさんには手を焼いているんじゃない? 余計な苦労をさせられて気の毒だ」という話になり、“ピーコック”も「モリトモの奥さん見ました? すごい顔ですよ」。

小生は知らないが、大阪のオバチャン風なのかもしれない。

ま、どうでもいい話なのだが、カウンセラーは雑談の中でもしっかり観察しているのだ、「自分のことだけではなく、家族や社会に関心を持つようになったんですね、前回とはずいぶん違ってきましたよ」と言われた。さすがプロ、と大いに関心、感銘を受けた。

小生は「うん、脳ミソが回復してきた感じがある、と言っても元のエキセントリックに戻りつつある感じだけれど」。そしてともに笑うのだが、当事者のカミサンには言えないこと、言わないことをカウンセラーには言えて、結構心が楽になる。

Dr.には「晴れたり曇ったり、ときどき雷雨だったけれど、今は雷雨はめったにないし、ほとんど晴れになりました、ついては薬を減らしていきたい」と申し入れた。

カミサンもこのところ明るくなってきたし、多分、わだかまりも徐々に消えていくと思うが・・・残念ながら現実は多分、そうはならないだろう。女は概ね感情の動物であり、常にフラッシュバックし、般若のごとく憎悪を新たにするから、韓国人と一緒、謝罪も合意も無意味という真実(多分)を知らなかった初心な小生の病棟日記から。

【2016/12/2】*カミサンにいかに謝罪するか・・・これが問題だ。以下、草案。

<永年にわたり苦労をかけた上に、また迷惑をかけて申し訳ない。会話が苦手のため、以下、文書にしたので子供たちにも見せてほしい。

「謝罪と誓い」

沢山の幸せをもらいながら、良き夫、良き父から転落して、手の付けられない酒乱になってしまい、皆の気持ちを傷つけ、悲しい思いをさせたことを心から詫びる。

入院治療により心も体もリフレッシュされ、徐々に自分の弱さ、至らなさを知るようになった。もう一度チャンスをもらい、生まれ変わり、良きヂイヂとして皆の幸せに貢献したい。

ここに断酒を決意し、恩に報いる生活に邁進することを誓う>

*職場復帰を目指す“マジメ”は不眠症のようで今朝も暗いうちに目覚めた。21:00〜6:30までは部屋で横になっている決まりなので6畳ほどの室内をウロウロしている。読書の習慣もないからウロウロ、モンモンするしかない。

朝食後に廊下で運動をしていたら、60歳ほどの“令夫人”から声を掛けられた。

「ずいぶん熱心ですね、運動したり、読書したり、少しも退屈しないみたいですね」

「はい、一日があっという間に過ぎていきます」

彼女は「私には一日がとても長く感じる」と表情を暗くした。

その後、洗面所で見かけると、彼女は洗濯ものを抱えながらプリペイドカード式洗濯機の前で困惑しており、「洗剤は別なの?」と聞く。

小生はいつも手洗いなので洗濯機は使ったことがなく、近くの女子に訊くと「洗剤は自分で用意します」とのこと。小生は使い切れないほどの洗剤を持っているので、「好きなだけ使って」と提供し、その後、10回分くらいの洗剤をビニール袋に入れて彼女の部屋に届けてあげた。

「昨日入院したばかりで勝手が分からず・・・どうもありがとうございます」と喜んでいた。人の役に立つのは良いこと。お互いさま、だ。

10:00〜11:00、今日の作業療法はラヂオ体操第一、第二、柔軟運動、ゲーム。ゲームは2連敗、急性期病棟は弱い!

作業療法士の話では「冬季うつ」という病名が近年創られたようだ。日射しが不足し、脳が1日=24.7時間と認識するために、毎日0.7時間=42分ずつ遅れ、2週間もすれば昼夜逆転の生活になったりするらしい。

「罹患率は北国が高いの?」と聞けば、「北極圏の人の罹患率が高い。九州と関東を比べても、関東の方が高い」そうだ。

エスキモーとか、アラスカに追いやられたインディアンなどネイティブアメリカンは、アルコール依存症で寿命は短いが、ロシアなど旧ソ連邦の男はウォッカで命を縮めている。北欧は大丈夫なのか。

米国ユタ州はスキーのメッカだから冬はずいぶん冷える。州都のソルトレイクシティは酒、タバコはもちろんコーヒーもダメダメのモルモン教徒の聖地で、指導者のブリガム・ヤング牧師に率いられた信者が西へ西へと幌馬車での苦難の旅の果て、聖地に至ったのだ。

街はタバコの臭いがしなかったが、ドラッグストアの店先ではホームレスが酔っ払って寝ていた。モルモン教も彼の救いにはならなかった。

神は己を助く者を助く・・・自助努力をしない者は神にも人にも見放される。「善人は往生する、(救いが必要な)悪人はさらに往生する」という具合には、まあ行かないだろう。世の中は甘くない。(つづく)2017/5/28






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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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