政治・経済

必殺クロスカウンター! 政治・経済・社会

政治・経済・社会などについての徒然草

全て表示する >

「措置入院」精神病棟の日々(25)

2017/04/14

「措置入院」精神病棟の日々(25)
“シーチン”修一 2.0

桜の花びらが風に運ばれて、少しばかり開けておいた小生の部屋の窓からひとひら入ってきた。窓を開けて外を見ると、花びらがいくつか舞っている。桜の季節は終わりつつあるが、南の多摩丘陵を眺めると新緑で覆われ、二回りほど山容が大きくなり、そこに桜がいくつか咲き残っている。

美しい季節、今日は初夏の日射しだった。

ここ数日は無理しないように家事を控えているが、昨日で浴室の修繕は終わり、今日からは小生が包丁でぶすぶす穴を開けた木製ドアの補修を始めた。穴を開けた後の記憶がなく、気づいた(正気を取り戻した)時は警察署の保護室だった。

補修をしながら、「カミサンはずいぶん怖かったろうなあ」とか、出所、じゃない、退院後も小生をどう受け入れるかで揺らいでいたカミサンの心も最近は落ち着いてきてずいぶん明るくなったなあ、などと思っていた。

向田邦子が「あ・うん」の中で「へそ下の病気よりへそ上の病気の方が上等に見える」というようなことを書いていたが、確かに満都の子女の紅涙を誘った徳富蘆花のベストセラー「不如帰」の浪子の病気が肺結核だからサマになるのであって、それが痔疾だったらかなりまずいだろう。

それではアタマの病気、小生のような発狂はどうなのかというと、誰も同情しないし、反対に嫌われる、恐れられる、あるいは敬して遠ざけるべしとなるだろう。

「精神病? うつ病? なんてことないよ、誰でもなるし・・・20年ほど前は米国では憧れの病気で、心理カウンセリングを受けるのがセレブのステータスシンボルの一つになっていたしね、ま、病気自慢」

そんな風に思っているから小生は持病を恥じてはいないが、カミサンや娘は「表沙汰にはできない病気」と(世間の人と同様に)思っている。まあ、多少は恥じた方がいいのかなあ、などと思わないわけではないが、「それならお前だってイカレテル。人のことを言えるのかよ」と反発したくなる。

狂気というマグマは誰もが抱えている。発狂、噴火するかどうかは予知もできない。It's your turn、今度は君の番・・・病棟日記から。

【2016/11/23】下痢は続くは、歯茎は腫れるや、ろくなこともないけれど虜囚の身、俎板の上の鯉だから、こんなものだろう。気晴らしに「漢字クロスワードパズル」で遊んでみたが、とても難しくて困惑するし、自信もなくす。

支那王朝は世界に類を見ないモノ、ソフトを創ったが、漢字はその筆頭だろう。10万字もあるそうだが、日本では3万字ほどが流通し、現在は1万字ほどに絞られ、日常的に使われるのは当用漢字(後の常用漢字)を含めて3000字ほどか。それでも新字体と旧字体(斉藤、斎藤、三沢、三澤とか)もあるし、二つ以上の組み合わせで意味をなす言葉(参画、幼稚園、優勝劣敗、無我夢中とか)もあるから実に多彩だ。

アルファベットは大文字小文字で52文字。この組み合わせで単語を作るから、意味を知らなくても一応は発音できるのだろう。

しかし漢字は老人の小生でも意味不明、発音不明が多いし、たとえ読めても書けない難字も実に多い(魑魅魍魎、虎視眈々とか)。それでも漢字は一文字でもおおよそ意味が分かる(例えば「偽」なら、嘘とか偽物)からとても便利だ。

戦後、日本ではGHQの政策で漢字を大幅に制限した。GHQ占領政策としての文化大革命だ。それまで新聞は漢字にルビをふっていた(このため紙面は真っ黒だったが、子供でも読めた。一方、インテリ向きの新聞はルビがなく真っ白だったそうだ)が、当用漢字として2000字ほどに制限すればルビの手間はほとんど要らなくなるからコスト削減になり、この漢字制限に新聞社は大賛成、これに出版社、印刷会社も追随したから、あっという間に漢字狩りは成った。

かくして漢字を読めない、書けない大学生に象徴されるように浮薄は普及し、白痴化は進んでいったのだ。

中共は革命戦争に勝利すると簡体字を導入したが、日本と同様に文化、伝統破壊につながった。朝鮮は漢字を追放してハングルのみにしたから、古文書を理解できる人は年々少なくなっている。韓国では漢字復活を希望する人は少なくない。

支那のビックリ発明品の二番手は火薬かもしれないが、これは門外なので書きようがないから「纏足/てんそく」にする。女性の足を童女のように小さくしておくものだった。奇習としか言いようがないが、何のためだったのかは諸説ある。纏足しない女は女とは認知されなかったというから凄まじい。

「宦官」もそれに劣らず凄まじい。皇帝が政務する場と、私的生活の場である後宮を分離し、政務に後宮が介入しないようにしたのだという、表向きは。

後宮は女ばかりだから間違いがないように男は去勢が義務付けられ、男でも女でもない役人が取り仕切っていた。表の政務に参与する官僚と、裏の後宮を運営する宦官は一切の接触を禁じられ、それを犯せば厳罰に処せられたという、表向きは。

それでも宦官のなり手が多かったのは食が一生保障されたこと、出世すれば袖の下も期待できたためだろう。

「督戦隊」というのも実にユニークだ。戦闘中に逃げる味方の将兵を殺すのが仕事で、将兵は戦線にとどまって戦うしかないわけだ。戦えば戦死する、それを避けるために戦線離脱すれば殺される。台湾人の林建良氏(「台湾の声」代表)によると「戦闘中に唯一生き残る可能性は、武器を捨てて両手を上げ、あるいは白旗を掲げて敵陣に走ることだった」そうだ。

以上のほかにも「出世のために妻を貸す」「騙された方が悪い」「事件事故を目撃してもかかわるな」などなどあり、支那流は無尽蔵だろう。友達にはなりたくない人々が多いだろう。

13:10、ナースによる病識調査。「カミサンと上手くやれるのだろうか、どうしたらいいのか悩んでいる」などと伝えた。

漢字パズルは手に負えず、時間ばかり食うのでギブアップした。小生は月刊誌にクロスワードパズルを寄稿していたが、作るのは意外に簡単だった。解くのはちょっと手間取る。

20:00、眠剤を飲み寝つく。この真空地帯では何事もなく毎日が過ぎていく。(つづく)2017/4/14






規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 非表示   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。