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「措置入院」精神病棟の日々(24)

2017/04/11

「措置入院」精神病棟の日々(24)
“シーチン”修一 2.0

全自動家事ロボットの小生は毎朝5:30あたりに起きて洗濯機を回すことから1日が始まる。朝食は6:30で、やがて次女が起きてきてカミサンに「ヂイヂは?」、カミサン答えて曰く「もう動いている」。やはりロボットなのだ。ルンバならぬサンバ(産婆)、ケンバ(犬馬)あたりか。

「アンタは動いてないと死んじゃうマグロだね」

最近、カミサンはそう言う。以前は「まったく多動児、サメみたい」と言っていたものだが、今は小生の牙をすっかり抜いたから危険性は大きく低下し、市場価値の高いマグロになったわけだ。ま、小生の腹の中はマックロだから、太平洋腹黒マグロあたりか・・・

先日の土日は子・孫が来襲し、長女の誕生日を祝ったが、37歳だという。ということは小生夫婦は間もなく結婚38年になる。「喜怒哀楽、いろいろあったが、よくもまあ無事に来たものだ、カミサンの願い通りに“退屈しない人生”ではあったろう」とは思うが、いろいろ心配をかけたのはまずかったかなあなんて、いささか忸怩とした思いもあるが、まあ、辛うじて及第点だったかもしれない。

病棟日記から。

【2016/11/18の続き】2Fホールに君臨する“ボス”のテーブルには、ビートルズコピーバンドの“ポール”、柔道と空手を得意とする“ノッポ”、そして2Fで最年長となった小生が坐っている。3人はいずれも独身の40代で、ノッポは2か月と20日間の治療を終えて昨日退院したが、とてもうれしそうだった。

ほぼすべてやり終えた小生と違って、彼らはこれから20年ほどは働かなくてはならないから大変だ(障害者年金で生きていく方法もあるが、働かないと人はひたすら劣化する)。精神疾患は完治せずに、いつ再発するかもしれないから苦労するだろう。

再発の恐れ・・・それは小生も同様で、ナースは「せめて年に一度は精神科でチェックしてもらいなさい」とアドバイスするが、じっと待つことができない多動児の小生は医者嫌いだから困ったものである。せめて周りに迷惑がかからないようにしたいが・・・

オムツで全身拘束され、その解除後は紙パンツとお仕着せの病院着、そして今日は社会復帰の準備として下着を含めてまったく自由な服装になったが、オツムが普通になるのはいつになるのだろう。普通になったら自分らしくないような感じもする。

【11/18】今朝は雨。傘をさして喫煙所で煙を出している人がいるが、なんか惨めっぽい。分かっちゃいるけどやめられない・・・か。

夕方、Dr.と面談。「あなたも奥様もそれぞれがフィルターを通して語るから、事情がはっきり分からない。とにかく奥様に謝ることが先決」と言う。理詰めではカミサンの理解は得られない、ということだな。ひたすら謝罪の言葉を口にしろ・・・悩ましいことだ。

【11/21】下痢が止まらない。夕べは粗相をし、夜中に洗濯。ナースは「眠剤の影響で粗相はよくあること、恥じることはないですよ」と言ってくれたが、小生は「老いとはこんなもの」と思っているから全然恥じてはいない。ただ汚物を洗っている現場は人に見せられたものではないので、さっさと処理はしているが。

10:00〜11:15、初めての自由工房での作業療法でプラ製クワガタの組み立て。スタッフは20人ほどの患者に盛んに声をかけているが、これも治療のため。小生もおしゃべりしながら「人付き合いの練習」に励むのだ。

先日“ボス”と“ポール”とともにビートルズ談議に華を咲かせたが、“ボス”が「ザ・ビートルズ 世界制覇50年 世界の音楽地図はどう変わり、現在の音楽シーンになにを残したのか」(日経BPムック2015/7/16)を貸してくれた。

プロのオタク向けだから小生にはチンプンカンプンだった。

14:00〜16:23、ロールシャッハテストなどの心理検査。担当者が「このテスト、ご存知ですか」と聞くので、「ロールシャッハでしょ」と答えたらびっくりしていた。「皆さん、ほとんど知らないですよ」と言う。フロイトの入門書あたりを読んでいれば知っているはずだが、TVを見ているような中2レベルでは無理か。

検査はとても疲れたが、終わってから「今の心理学界では相変わらずフロイト派とユング派が両立しているんですか」と問えば、「今はユング派はまずいないですね。フロイト派も多くの分派に分かれており、昔と比べればずいぶん進化していますよ」とのこと。すべての心理をリビドーで解釈するのはやはり無理だったのだろう。

【11/22】夕べから心理検査の宿題である「TEG?」(東大医学部心療内科編)と「JCT」(精研式文章完成法テスト)にシコシコ取り組む。(東大は人格障害製造本舗だが、大丈夫なのか?)

前者は「はい、いいえ、どちらでもない」の三択だから簡単だが、後者は「書きかけの文章を2行以内に完成させる」もので、60問もあるからちょっと骨折り、両方合わせて4、5時間で完成させた。

ふたつのテストで、小生はかなり偏屈、狭量、頑固、変人だということが分かる。しかし今さらそれ以外の生き方はできないし・・・悩ましい。“ボス”によると診断結果は後日知らされるそうだ。

11:00、入浴してさっぱり。15:20、インフルエンザ予防注射。発狂予防注射はないのか。

ここ数日、退院する人、入院する人が多く、入れ替わりが激しい。「浜の真砂は尽きるとも、世に病院の種は尽きまじ」だな。

余計なことだが、男性患者は前歯が欠落したままの人(つまりずーっと無職)、着た切り雀のような人が何人かいる。つまりケアしてくれる伴侶など家族がいないのだろう。(つづく)2017/4/11






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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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