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「措置入院」精神病棟の日々(12)

発行日:3/6

「措置入院」精神病棟の日々(12)
“シーチン”修一 2.0

3/5(日)は子・孫と生田緑地に遊んだ。入院中に一番行きたかったところで、2、3年ぶりだった。腰の痛んだ身には坂の上り下りがきつく、体力の衰えを実感する。岩をも砕くほど元気だったのに今は♪杖を頼りに・・・、まったく老化は厄介だ。

紅白の梅の下で弁当を楽しみ、亀が2匹、日向ぼっこをしている池のあたりにはカワセミもいた。その先の芝生の広場には若い人たちが子連れで遊んでおり、皆、ニコニコし、子供はキャーキャー叫びながら走りまくっている。ほとんど天国、桃源郷のようだ。

それを心置きなく楽しめるまで、退院から1か月を要した。

精神病が厄介なのは「完治しないこと」、そして「家族も病むこと」だろう。独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターは“アル中界”では有名だ。サイトから。

<昭和38年に日本で初めてアルコール依存症専門病棟を設立し、現在では4ヶ病棟でアルコール依存症の治療を行っています。患者様の自主性を尊重した治療は、“久里浜方式”として全国各地に広がっています。

平成元年にはWHO(世界保健機関)から日本で唯一のアルコール関連問題の施設として指定されました。 

アルコール依存症の他に、うつ病や統合失調症などの精神疾患を対象とした入院設備もあり、物忘れ外来などの神経内科や消化器内科にも力を入れています>

小生は1970年代にここの医師であった斎藤学氏の著作「アルコール依存症」を読んで大いに啓発されたが、「一度アル中、一生アル中」という言葉はこの本から学んだ。また、どこかの本で「アル中は慢性的な自殺」であることも学んだが、斎藤氏によると「アル中患者は家族も病んでいる」ことが多いようだ。

これはアル中に限らず精神疾患は家族を巻き込みやすいということだろう。旦那が普通の病気(がんや心臓病など)の場合、周囲の人は治療は医者に任せ、心配したり、同情したり、慰めたり、あれこれ世話をするものの、基本的に旦那の病気が移ることはないし、病気と闘う主役は旦那本人である。

ところがアル中など精神病の場合、病気は緩やかに進み、明らかな症状が見られるまで、つまり発症、発狂するまで、奥さんなど家族は旦那を「お酒を飲み過ぎよ、せめて夕方からにしたら」とか、「肝臓にはウコンやオルニチンが効くそうだから、このサプリをちゃんと飲むのよ」とか、心配してあれこれケアする。

旦那も奥さんも病気だという認識が薄く、医者にかかるまでもないだろうと旦那は思い付きのように節酒を試みたり、奥さんはそれを支えたりするが、結局は小生のように酒乱となって発狂する、あるいは肝臓を壊す。

そして奥さんは自責の念にかられて精神を病んでいたり、病むケースが多いと斎藤氏は指摘している。

小生のカミサンの場合、急性期精神病棟の看護師長ということもあって、「自分はプロなのになぜ修一の病気を見落としてしまったのか、もっと早くに気づいて、引っ張ってでも病院へ連れていくべきだった、なぜそうしなかったのか」と自分を責めるのである。

さらに小生が警察に保護され、土曜の夕刻だったこともあって措置入院の受け入れ先を探すためにあちこちの病院に電話をかけまくり、勤務先の病院にも電話したため、小生が発狂したことは職場でも皆が知るところとなり、「私のプライドもずたずたになった」と言っていた。

小生が入院中も退院後もカミサンの様子はおかしかった。心身ともに疲れ果てている感じで、退院後には小生への対応が晴れたり曇ったりどしゃ降りだったりと動揺しているようだった。会話が成り立たず、「なにを言っているのか、ボクになにをして欲しいのか、まったく分からない、もう話しかけないでくれ!」と声を荒げたこともあった。

それから数日してカミサンが書面でこう伝えてきた。

<退院1か月になりました。あなたが台所、リビングで1日を過ごすことを「(心身が)休めていないのではないか、動き過ぎではないか」と、今までの経過もあり思ってしまい、先生(小生の主治医)に言ったところ、先生から「それは奥さんの不安だ、本人が(休めていないと)そう感じたら休むはずであり、私があまりいろいろ考えて修一にプレッシャーをかけ、不満がたまることが怒りになる」と指摘され、確かにそうだなと思いました。

そして、あなたが共用部分にずっといることが、私にとっても気が休まらないことであり、目につくあなたに余計なことを言う可能性もあると思う。それを避けるためにも、退院したら棲み分け用と決めたよね、だから台所にいる時間を決めてほしい。

私の希望は、午前、午後は時間を決め、夜は9時には自室へ行くようにしてほしい。できたら煙草も自室で吸ってほしい。

今後、私がリタイアして家にいることが多くなることを思えば、今から実践していくことはお互いのためだと思う。協力し合っていきましょう。

これは私の希望で、あなたも何かあったら言ってください>

簡単に言えば、家庭内別居するというから退院を了解したのに2階にうろうろするな、いらいらする、顔も見たくない、2階に来るな、3階の隔離部屋にいろ、ということだろう。翌日、小生はこう回答した。

<修一に対する「受容・好感」と「拒否・嫌悪」の気持ちが入れ替わり立ち替わり起きている感じがする。とても振幅が大きく、「心が揺れ動いている」「不安定」という印象だ。

○○心療内科でカウンセリングを受けてはどうか。もとより原因は修一にあり、済まないと思うが、治療を受けてはどうだろう。必要ならボクも同行するが・・・

どうしても嫌なら、修一は別居してもいいかなとも思う。月水金は自宅、火木土日は別宅で暮らすとか・・・

子供たちを同行して(小生の病院の)担当医とカウンセラーに相談してはどうか。ボクは君を愛している>

翌日、仕事から帰ってきたカミサンはなんとなく迷っている感じがしたが、その次の日から小生がびっくりするほど快晴、ご機嫌になった。どうにか夫婦の危機をイエローカード段階で乗り越えつつあるようだ。最後の一言が効いたかもしれないが、この機会をしくじればレッドカードになる。男は辛いよ、ハラハラドキドキの日々だ。(つづく)2017/3/6






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