「措置入院」精神病棟の日々(1)

2017/02/17

「措置入院」精神病棟の日々(1)
“シーチン”修一 2.0

わけあって新しいペンネームで書く。シーチンは習近平とプーチンを合わせた「お騒がせの食えぬ奴」というわけではなく、その昔、新宿歌舞伎町のバーですさまじいスリットの入ったチャイナドレスのホステスが小生をそう呼んでいたからだ。2.0というのは新バージョンの意。

2016年(平成28年)7月の相模原障害者施設殺傷事件は、犯人が「措置入院」で隔離され治療を受けていたものの、退院後は行方知れずになり、凄惨な事件を起こし、「措置入院」への世間の関心が高まった。その「措置入院」で自分が保護され、3か月も隔離、治療を受けることになるとはまったく想像もしていなかった。

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リストカットし、さらに刺身庖丁と出刃包丁を持って大暴れ。風邪でしばらく体調が悪く、気力体力を鼓舞するために朝から酒を引っかける日々が3週間ほど続いたら一気に発狂、酒乱で家族、近隣に大変な迷惑をかけてしまった。

パトカー4台、警官10数名に制圧されて“保護”され、病院へ送られたのは枯葉も落ちた晩秋、そして年を越し、白梅香る初春に退院した。どう諸兄姉にこの“過ち”“蛮勇”“誤作動”を伝えたらいいのか、あれこれ考えたが、考えながら書く、書きながら考えるしかないだろうと、恥を忍んで「頂門の一針」に投稿することにした。小生のメルマガとブログは家族から禁止されている。

以前から「二十歳(はたち)でバカなら老いてもバカ」だと思っていたが、図らずも「まことにこれは真実だ」と思い知った。20歳の冬は刑務所の北側独房で3か月間拘禁され、65歳の冬も3か月間、精神病棟で拘禁され、27歳の時はコレラで市立病院に3週間隔離された。人のしないことばかりで、こうなると「そういう星のもとに生まれたのだ」と納得するしかない。

ただ、根が卑しいのだろう、転んでもただでは起きないというスネ夫的な狡猾さはある。WIKIによるとスネ夫は小生と同じ2月生まれ。「身長が低いのをコンプレックスにしている。性格は自己顕示欲旺盛なナルシスト」とある。似ている。

刑務所では読書と文筆を覚え、コレラの時はナースのカミサンをGETした。今回の措置入院では多くのことを学んだ。何を学んだのか、これから紹介していきたい。元ネタは日記や報道、公文書による。

諸兄姉の参考になればいいが、そうでなければその旨ご指摘いただきたい。一応「病棟編」「政治経済社会編(主に産経新聞を読んでの感想)」「読書編」というカテゴリーで綴っていく。

<はじめに>

多くの人は学業を終えて社会人、つまり自分で自分と家族を養える自立人、独立人になる。もちろん社会の中でしか生きられないのだが、より正確に言えば、職場とか職域とか、業界の中で生きることになる。

そうなると交際範囲はとても狭くなる。小生は主に海外旅行業界における記者・編集者だから、それ以外のまったく畑違いの人との密な交際はほとんどなかった。交際しようにも、オタク的な趣味があるわけではないから共通の話題がないのだ。

医者は医療業界の人と、料理人は飲食業界の人と、建設に携わる職人はその業界の人と交わる。類は友を呼ぶ、で、似た者同士が集まり交際するから、世間というか社会全体を見る機会はあまりない。医者と大工が親しく交際するといったことはまずない。これが現実だろう。

普通の病院は外科、内科、小児科などに病棟が分かれており、患者が一堂に会する場はまずない。せいぜいが見舞客用の椅子とテーブルがちょっとあるくらいだ。

しかし精神病棟には大きなホールがあり、患者は三食そこで食事をし、おしゃべりし、運動や娯楽をし、話し合いをしたりする。つまりそこは世間の縮図であり、職業も千差万別、金持もいれば貧乏人もいる。年齢も10代から80代までいろいろだ。

小生が多くの時間を過ごした3階の急性期病棟は30人ほどの患者がおり、完全に壊れた人から、一体どこが悪いのかとまったく分からない人もいる。

ホワイトカラー、ブルーカラー、インテリ、ヤンキー、主婦、独身、所帯持ち、フルタイム、パート、学生、無職、納税者、生活保護受給者、ハンサム、不細工、瘠せ過ぎ、太り過ぎ・・・まったく社会、世間の縮図であり、今の日本、日本人、さらに自分自身を観察するにはまたとない機会だった。

以下、人物や施設、日付などが特定されないように改めたが、基本的に小生の実況見聞である。(つづく)2017/2/17

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創刊日:2017-02-04  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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