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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュースNo.127

2011/01/06

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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業
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もくじ
ニュースレター廃刊のお知らせ
[今月の一言]
空き店舗等を活用したまちづくり
[今月のレポート]
休載
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 ニュースレター廃刊のお知らせ
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このニュースレターは、創刊以来約10年半発行してまいりまし
たが、都合により本号(No.127号)をもって廃刊いたします。
長い間のご愛読ありがとうございました。

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  ■今月の一言■
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空き店舗等を活用したまちづくり

1.不動産の所有と利用の分離

先に「まちづくり会社等による生活機能拠点強化」で取り上げた、「中
心商店街区域再生に係る調査・研究事業」報告書
https://www.machigenki.jp/content/view/224/250/>(経済産業省
中心市街地活性化室)では、中心市街地再生主体として「まちづくり会
社」に着目して、全国の先進事例をもとに取り組み内容とその成功の
ためのポイントを紹介している。この事例紹介では、すでに紹介した長
野県飯田市の取り組み事例のほか、岐阜県長浜市の事例と、香川県
高松丸亀町の事例も取り上げている。

長浜市と高松丸亀町の事例には幾つかの共通した特徴があるが、
特に、「不動産の所有と利用の分離」をしていることが特徴である。
長浜市の事例では、まちづくり会社((株)黒浜)が空き店舗の利用権
を集めて統一的に活用しており、高松丸亀町では、まちづくり会社が
定期借地で空き店舗等の不動産利用権を集約化している。ここでは
この2つの事例を取り上げる。

2.長浜市の事例

 岐阜県長浜市の中心市街地には北国街道、大手門通り、博物館通
り、祝町通りなどの通りが碁盤の目状に交差して走っている。各通り
には長浜を代表する「ガラス」の店やギャラリー、工房などを始め、美
術館・博物館、レストランやカフェ、オルゴール堂など、さまざまな施設
があり、縦横に走る通り沿いにちらばっているため、回遊性を生み出し、
楽しいまち歩きを演出している。

 長浜市の事例については多くの資料で報告されているが、長浜の再
生のきっかけとなったのは、1988年に始められた「黒壁銀行」の保存
活動である。みずほ地域経済インサイト「滋賀県の地域政策事例〜「
黒壁」から学ぶ街づくりと長浜市の現状〜」
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/region-insight/EEI060125.pdf
等によると、その経過は次のようになっている。

 長浜市内の民間企業8社が資本金の7割、市が3割を出資して、第
三セクターの「株式会社黒壁」を立ち上げ、民間主導で街の改革を行
った。笹原氏らの出資者は、(株)黒壁の事業として、まず、長浜の街
づくりのコンセプトとして設定した(1)歴史、(2)文化・芸術、(3)国際
性の3点を満たすものを探した。この結果、これらを満たす「ガラス」
を核とする街づくりを始めた。そして、同社の社員を欧州に派遣し、
ガラスの製法や技法を学ばせた。また、商品の輸入や店内の商品配
置の考案には、美術系の大学出身の若い女性社員たちの意見を反
映させた。

 (株)黒壁は、黒壁銀行の建物を、「黒壁ガラス館」として整備して事
業を実施した。また、そのガラス工芸館を中心に、北国街道沿いの周
辺の空き家・空き店舗の土地・建物を借り上げて(一部買収)利用権
を集約し、「黒壁のイメージ」で改装。関連事業で自ら活用または、出
店を望むテナントへの転貸等を実施し、骨董や現代作家のガラスを
置く店や、ガラス工房・教室、ガラス美術館、レストハウス、観光案内
所、飲食店、菓子店等を順次開店させていった。

事業が拡大する中で、(株)黒壁の不動産管理及びテナントマネジ
メントについては子会社の(株)新長浜計画(黒壁出資会社)に一部を
委託した。(株)黒壁立ち上げから17年、JR長浜駅の北東に位置する
黒壁ガラス館を中心とした商業地一帯は、今日「黒壁スクエア」と呼ば
れ、年間200万人を超える来街者が訪れる街として賑わいを見せて
いる。

しかし、来訪客が市内に広がり、市域全体に大きな経済効果が生み
出されるまでには至っていないようだ。長浜市内には、(株)黒壁系列
のガラス店舗以外にも、職人による工芸店や地元密着型の小売店等
から構成させる商店街が多くあるが、黒壁スクエアの中心部から離れ
た場所にある商店街には、「黒壁」による効果も弱いようだと指摘され
ている。

長浜市の街づくりとしては、観光客誘致のための隣接する商店街の
環境整備だけでなく、住民の生活環境を重視した街づくりが課題となっ
ているようだ。そのためには、地元住民が住みやすく生活を楽しめる街、
住民が親しみやすくふれあいのある街づくりが重要になるのだろう。

3.高松丸亀町の事例

 開町420年を超える高松丸亀町商店街。南北全長470メートルをA
〜Gの7街区に分けて再開発を実施中で、C街区まで完成した。再開発
は行政ではなく民間が主導し、丸亀町独自の手法により進んでいる。定
期借地権方式により土地の所有と利用を分離し、店舗の新陳代謝を
可能にし、大型店に頼らない身の丈に合った小規模連鎖型の建て替
えを行った。高齢社会に対応したまちを目指し、マンション、医療モール、
市場などの生活機能も導入する。

 兵庫県のホームページに載せられている資料「丸亀町商店街振興組
合聞き取り調査<http://web.pref.hyogo.jp/contents/000149486.pdf
等によると、平成13 年に瓦町の駅ビル開発に伴い天満屋が進出し、
三越と合わせて商店街の理想形とされる2 核1 モールが実現した。し
かし一方、瀬戸大橋開通後、平成7 年頃から郊外開発が急速に進み、
郊外型大規模店の出店が相次いだ。これと平行して大型商業施設の
進出も始まった。以下、この聞き取り調査の報告で、振興組合の専務
理事が語っている内容を紹介する。

商店街にとって重要なことは基本の商売をきちんとすることだ。しかし、
きちんとやりたくても、地権者が商売している限りコントロールできない。
それで、コントロールの仕組みを作り、まちの構造を変え、新陳代謝が
生まれる商店街にしようということになった。鍵は「土地の所有と利用の
分離」だ。丸亀町が取り組んでいる再開発のポイントは大きく3 点。「所
有と利用の分離」「地区計画」「タウンマネジメント」だ。

 1 点目は「土地の所有と利用の分離」で、これが最大のポイント。
高級ブティックの隣にコロッケ屋ができても、ブライダルショップの前に
100 円ショップができても、現状では誰も文句が言えない。でも、それ
では「まちづくり」にならない。個々人が勝手にやるのではなく、一定の
きちんとしたゾーニングのもとで、全体をコントロールできるようにする
必要があった。しかし、土地を全部買い取ることはできないので、お持
ちになったままでよいので貸してくださいということで、定期借地を導入
することになった。

「土地の所有と利用の分離」のメリットは、土地代がイニシャルの事
業費に顕在化しないため、賃料を低く抑えることができる点だ。イニシ
ャルコストは、土地を全部買い上げ一筆共有する通常の再開発だと
150 億円かかるところが、定期借地にしたため70 億円で済んだ。賃
料が安いので、よいテナントが集まる。テナントの競争倍率は5〜6 倍、
開発中のB・C 街区は既に全テナントが決まっている。

2 点目が「地区計画」で、まちの自主ルールを持つということ。どん
な都市を見ても発展している都市は自主ルールを持っている。A街区
はまとめて再開発をおこなったが、B 街区からF 街区では合意形成
ができたところから順次共同建て替えを行う小規模連鎖型の再開発を
行うこととしている。ここでは、業種を限定し、1.5m のセットバックを求
める地区計画を都市計画決定していただいた。これで次第に統一感の
あるまちづくりができていく。

自主ルールを具体化するのが3 点目の「タウンマネジメント」。タウン
マネジメント主体として、丸亀町商店街、つまり地権者が95%出資して、
まちづくり会社を設立したが、外部の視点を入れる必要があると考え、
タウンマネジメント委員会という組織を作った。まちづくり会社は、高松
市が5%出資している、民間主導型の第三セクターという形になってお
り、全て地元でやっている。

まちづくり会社は、商店街の不動産所有者と個々に定期借地権契
約を結び、複数の隣接した一定規模の土地の利用権を集約して、店
舗の改修・立て替え・整備を行い、共同運用に取り組んでいる。まちづ
くり会社は施設コンセプトを立てながら、店舗の一括した運営に取り組
み、また、デザインコードや地区計画を策定して、商店街や周辺地区
の街並みイメージの統一を図っている。

なおこの聞き取り調査資料で、振興組合の専務理事は「これからの
商店街」について、「アート重視や「作れる」商店街にしていきたい」と、
次のように述べている。「買い物だけしかできない商店街はもう要らな
い。商売以外の要素がなければ商店街は生き残れない。アートを重
視しているのはその一例で、アーティストが活躍できるまちづくりが結
局は商店街の持続性も高める」。

また、「強いのは、自分でモノを作る商売。うまいコロッケ、うまいうど
んを自分で作る店は活力がある。最近新たに靴を作る工房ができたが、
4 か月先まで予約が一杯だと聞いている。他人が作ったものを売るだ
けの商売は厳しい」。「「作れる」商店街にしていきたいという思いから、
場所を用意して、若い職人を集める計画をしている」。

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 ■今月のレポート■
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創刊日:2000-10-07  
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