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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュースNo.125

2010/11/04

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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業
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もくじ
[今月の一言]
まちづくり会社等による生活拠点機能強化
[今月のレポート]
休載
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  ■今月の一言■
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まちづくり会社等による生活拠点機能強化

1.中心商店街区域再生に係る調査・研究事業

経済産業省中心市街地活性化室が「中心商店街区域再生に係る調
査・研究事業」の報告書としてまとめたものが、まちづくり情報サイト
「街元気」ホームページ
https://www.machigenki.jp/content/view/224/250/>に載せられて
いる。中心市街地再生主体として「まちづくり会社」に着目して、全国の
先進事例をもとに取り組み内容とその成功のためのポイントを紹介し
ているものである。

まちづくり会社は、関係者それぞれが望むまちを実現していく、夢や想
いを現実にしていくための、民間、行政の多様な関係者の参画、連携
による取り組みである。その推進に向けて、関係者の参画、連携を事
業活動にするための仕組みが「まちづくり会社」である。まちづくり会社
をうまく使えば、行政、民間の各主体が個々では実施しにくい事業やま
ちづくりの突破口になるような事業を行ったり、あらたな風をおこしてい
くことで、地域全体で動かし、変えていくことができる。

まちづくり会社をうまく使えば、行政、民間の各主体が個々では実施し
にくい事業やまちづくりの突破口になるような事業を行ったり、新たな
風をおこしていくことで、地域全体を動かし、変えていくことができる。
地域に根ざしたまちづくり会社だからこそ、地域のきめ細かいニーズを、
地域の人材、企業・グループとのつながりや地域の資源を活かして実
現することができる。

この本は大きく第1編と第2編に分かれている。第1編は、第2編の3つ
の分野別検討のエッセンスをまとめたものである。再生方向の典型的
な例としては、まず、地域内需を基本とする「市民の消費・生活ニーズ
を実現するコミュニティ化(生活拠点機能強化)」が挙げられる。次に、
より広域からの集客を対象とするものとして、主に地域資源に立脚す
る「地域資源活用等による特定機能の拠点化(地域資源交流強化)」
や、商業等において広域競争を勝ち抜いて集客を実現する「商業等の
都市機能の広域拠点化(広域商業拠点化)」の方向が考えられると、
3つに分類している。

このうち、「市民の消費・生活ニーズを実現するコミュニティ拠点化(生
活拠点機能強化)」は、どの地域でも対応不可欠な「地域需要への対
応」である。主に市民が集まる拠点として中心市街地を再生するもの
で、市民が暮らし、働き、楽しむために利用する機能を強化し、地域の
魅力向上・活性化をもって居住者、就業者、来街者の拡大を目指す。

事業メニュー・実施体制のポイントは、市民の消費・生活ニーズを、行
政・産業界・市民が連携、協働して自ら実現するもので、行政は地域
振興施策の一環として重要な事業実施主体となる。事業メニューは、
市民ニーズ(消費・サービス、市民活動、就業、生活支援等)を実現す
るための場づくりに関するもの、市民のまちなかへのアクセスの改善
など。

第1編では、「まちづくり会社のステップガイド」「事例紹介」「牽引」を資
料として添付しているが、この事例紹介では、「地域需要への対応」の
例として、長野県飯田市などの取り組み事例を取り上げている。また
、「広域需要対応」として、岐阜県長浜市の事例を、「商業等の都市機
能の広域拠点化(広域商業拠点強化)」として、香川県高松丸亀町の
事例を取り上げている。ここでは、「地域需要への対応」にしぼって、
飯田市の事例を紹介したい。

2.飯田市の事例

上記の報告書では、飯田市の事例について、次のように述べている。

・中心市街地衰退に危機感をもった市が再開発の勉強会から主導し、
居住者、来街者増加に向けて私有地を種地にした再開発等を展開。
地元企業、市民の出資を得た(株)飯田まちづくりカンパニーが市と両輪
となって事業推進。

・住宅、業務施設、福祉系庁舎、文化施設等の整備で来街者、居住者
を増やしポテンシャルを高めた上で地域一番店を目標に誘致集積させ、
利便向上を実現した。また、市民等の文化活動推進のための団体
IIDA WAVEについて、(株)飯田まちづくりカンパニーが事務局となり活
動支援している。

この飯田市の事例に関しては、(財)地域活性化センターのホームペー
ジに載せられている「都市機能の充実とにぎわいのあるまちづくり事例
集」の特集8事例の一つに「飯田市橋南第一種市街地再開発事業」が
「市民と行政が連携した街なか居住の促進」として、次のように紹介さ
れている。

昭和49年の中央自動車道飯田インターチェンジの開通や国道153号
バイパスの完成などを転機として、郊外への都市機能の移転、大型店
や事務所の出店等も始まり、平成3年に12,755人であった中心市街
地人口は、平成8年には11,731人、平成17年には10,270人と、約
20%減少し、高齢化率も34.2%となった。

そこで、平成6年6月に橋南地区再開発準備組合が設立された。翌年
3月、市街地総合再生基本計画等が作成されると、平成9年6月には、
商店街とりんご並木に囲まれた区域に複合ビルを建てようと、橋南第
一地区市街地再開発準備組合が設立、翌年、街区をいくつかのブロッ
クに分けて事業化、商業機能、交流・文化機能、住宅機能からなる複
合型施設建設の再開発基本計画が策定された。

再開発には商業の再生ももちろんだが、定住人口の増加、つまり「街
に住む」ことをまずは重要としていた。そして平成13年7月、魅力ある
街なか居住施設を目指した再開発ビル「トップヒルズほんまち」が、街
のシンボルであるりんご並木の沿道に完成した。飯田市の中心市街地
再開発第1号として第一種組合施行で建設された「トップヒルズほんま
ち」。地上10階・地下1階建、駐車場121台を隣接。4階〜10階が、
42戸の分譲住宅となっている。住宅機能以外にも、1階にはスーパー
マーケットを中心に、花屋・雑貨店、イタリアンレストランが、2〜3階に
は医院のほか、市役所機能の一部を移転した「飯田市りんご庁舎」を
設置、住民票や諸証明等の交付手続きが行える。他にも、市民サロン
・子どもサロンや会議室、ハローワークプラザなども入っている。

市街地の商業機能、交流・文化機能、住宅機能の再生の核となる再
開発ビルの管理は、まちづくりの担い手として活動する「株式会社 飯
田まちづくりカンパニー」(通称「まちカン」)が受託。まちカンは、再開
発事業のため、まちづくり会社設立の構想が生まれ、市民有志らによ
り平成10年8月に市街地再生を目的として設立。まちづくりに対する
市民の意欲が会社設立という「かたち」になったことで、市も、市民、企
業等とのパートナーシップに基づいた新しいまちづくりの仕組みとして
出資を行い、翌年8月には、TMOにも認定されている。

まちカンでは、同施設の管理運営の他、隣接する空き店舗を活用し、
テナント誘致を行い、商業施設として賃貸も行っている(「MACHIKAN
2002」)。このことは、空き店舗の活性化と同時に、「トップヒルズほん
まち」と「りんご並木」、近隣商店街、裏界線に回遊性を持たせ、周辺の
賑わいづくりにも役立っている。平成18年10月には、「トップヒルズほ
んまち」の向かいに、橋南第二地区市街地再開発事業として複合型施
設「トップヒルズ第二」が完成。

またまちカンでは、りんご並木沿いにある交流拠点「三連蔵」を運営し、
コミュニティの場づくりをすすめている。また、音楽と映画を主な活動と
している市民グループ「IIDAWAVE」(事務局:まちカン)では、飯田の
街をもっと楽しめるよう無料ライブやコンテストなど各種文化活動を開
催している。

飯田市のよいところは、「市民のための街の機能再編」「中心街定住人
口の増加」「市民の視点からみた商業の活性化」等による特色あるまち
づくり事業を、市民、企業、行政のパートナーシップのもとに展開してい
ることである。このほか、市民の視点からは、市民の健康づくりや市民
の文化・芸術活動などへの支援機能、地元農産物やその加工品を提
供する販売所や食堂機能などと、それらを通じた市民同士の交流活
動を支援する憩いの場づくりなどが重要であろう。

なお、このような国や関係団体が発表している街づくりの「成功事例集」
には批判も少なくない。専門家が推奨する成功事例の多くは、実は成
功していないというのである。確かに、たまに事例に載っている地方に
出かけたとき、これが本当に成功事例であるのだろうかと首を傾げるこ
ともある。またそれが、「本当の成功事例」である場合も、他の自治体が
成功事例の模倣ができるわけではない。それでも成功事例は、他の自
治体が独自に街づくりを進めていくうえで参考になることも少なくないと
思われる。

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 ■今月のレポート■
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休載

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創刊日:2000-10-07  
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