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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュースNo.088

2007/10/04

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   中小企業の経営・技術開発支援情報
   経営/情報/技術/連携/特許/支援等

   「情報と中小企業」メールニュース
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★2007/10/04 No.088    発行:降旗清司
★毎月第1木曜日発行
★issf(情報と中小企業)<http://www31.ocn.ne.jp/~issf/
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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業
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もくじ
[今月の一言]
京セラのアメーバ経営
[今月のレポート]
休載
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  ■今月の一言■
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京セラのアメーバ経営

1.京セラの原点回帰

日経情報ストラテジーの2007年8月号の特集で、「「京セラの原点回
帰」稲盛流改善魂を呼び戻せ!」が載せられている。京セラ創業者の
稲盛和夫・名誉会長が確立した「アメーバ経営手法」。今や同社以外
にも様々な業種で導入されている経営管理手法だが、本家本元の京
セラではここへきて再徹底を図っている。現場や幹部のアメーバ経営
の進め方に“迷い”が見られていたからで、川村誠社長のリーダーシッ
プの下に「強い京セラ」づくりが再び始動したとのこと。

「アメーバ経営の原点回帰に取り組む」。2005年6月に社長に就任し
た川村誠氏は、反年間積極的に京セラの全国の拠点に足を運んだ後、
2006年1月の経営方針発表会でこう宣言した。この原点回帰宣言を
した翌日、事業部長クラスの精鋭約20人を集め、原点回帰の具体策
を練るプロジェクトチームを結成。自らチームリーダーの座に就いた。

このアメーバ経営手法は、管理会計、リーダー育成、全員参加経営、
業務改善の特徴を持つ。会社を平均6〜7人のアメーバに細分し、ア
メーバごとに採算管理を徹底される。各アメーバはまず、次年度の累
計および各月の採算計画「マスタープラン(MP)」を作る。新年度が始
まったら、毎月月末に月次管理会計表「実績採算表」を取りまとめ、
MPで掲げた計画値と比較、達成度合いを見て翌月の「予定採算表」
を作る。毎月この作業を繰り返し、重要指標の年度累計計画値の達成
を目指す。

MPと採算表は同じフォーマットで作る。表に記入する最重要項目は
「時間当たり(時間当たり付加価値)」と呼ぶ独自指標で、「(売り上げ
−経費)÷総労働時間」で算出。売り上げ最大、経費最小、時間最短
につながる業務改善を重ねれば、この独自指標は大きくなる。MPに
も採算表にも労務費(人件費)を書く欄はない。時間当たり付加価値
は労務費を度外視した値なのだ。手法を考案した稲盛氏が、労務費
を含むと他の経費の削減効果の実感が薄れてしまうのと、人間関係
がぎくしゃくすると考えて除いたとのこと。

プロジェクトチームはこの調査結果などを基に議論を重ね、アメーバ経
営の揺らぎに起因する現場の課題を洗い出した。活気の低下、支持
待ち社員の増加、MPの達成力の低下、重視すべき指標に関する混乱
などだ。チームはこれらの課題に対処すべく、2006年7月に原点回帰
のための具体策を複数発表した。その最大の目玉は「MP達成キャン
ペーン」だ。2006年度下期の時間当たり付加価値の計画達成を競わせ、
優秀な職場を表彰することにした。特集では、目標達成度が高かった
「横綱賞」「関脇賞」の現場の検証を紹介している。

2.アメーバ経営

このアメーバ経営を紹介した書籍に、稲盛和夫著「アメーバ経営(日本
経済新聞出版社発行)」がある。「アメーバ経営」は、京セラグループに
なくてはならない経営手法であり、何の違和感もなく全従業員が日々
の仕事で使っているが、これまではその背景にある思想や仕組みを正
式に文書化したものはなかった。稲盛氏が経営の第一線から離れるな
か、アメーバ経営の真髄を伝える書籍の編纂が長年の課題となってい
た。そこで、忙しいスケジュールを縫って、約5年にわたり、京セラ幹部
を一堂に集め、稲盛氏が「アメーバ経営講義」をおこなった。その内容
を凝縮したものが、本書のベースとなっているとのことである。

本書の概要を紹介すると、第1章「ひとりひとりの社員が主役」では、
アメーバ経営の誕生を取り上げ、アメーバ経営が目指す三つの目的と
して、「市場に直結した部門別採算制度の確立」「経営者意識を持つ
人材の育成」「全員参加経営の実現」をあげ、順を追って述べている。

創業当時、さまざまなファインセラミックス製品を開発し、次々に製品化
していった。そのため、会社の規模は急速に拡大し、成長を続ける会
社をどうすれば運営していけるのか、ひとりで悩み続けた。そんなある
日、「従業員が100名のころまではひとりでやれたんだから、会社を小
集団の組織に分けたらどうだろう」「どうせ会社を小集団に分けるのな
ら、その組織を独立採算にできないだろうか」と考えたのである。

第2章「経営には哲学が欠かせない」では、アメーバ経営を実践して
いくために、必要欠くべからざる要諦のポイントを取り上げている。「事
業として成り立つ単位にまで細分化」「アメーバ間の値決め」「リーダー
には経営哲学が必要」をあげ、ここで述べている要諦は、アメーバ経営
の成否を握るといっても過言ではないとしている。

アメーバを切り分ける際の第1の条件は、切り分けるアメーバが独立
採算組織として成り立つために、「明確な収入が存在し、かつその収
入を得るために要した費用を算出できること」、第二の条件は、「最小
単位の組織であるアメーバが、ビジネスとして完結する単位となること
」、第三の条件は、「会社全体の目的、方針を遂行できるように分割す
ること」である。

またアメーバ間のでは、各アメーバの仕事をよくわかっている経営トッ
プが、そのアメーバにかかる経費や労力を社会的な常識から正しく評
価し、それに見合う売値を公平に決めるべきであり、アメーバのリーダ
ーには、個として自部門を守ると同時に、立場の違いを超えて、より高
い次元で物事を考え、判断することができる経営哲学、フィロソフィを
備える必要があるとしている。

第3章「アメーバの組織づくり」では、組織の内容と、アメーバ経営を支
える経営管理部門の役割を取りあげている。経営管理部門がアメーバ
経営において果たすべき三つの基本的な役割として、「アメーバ経営を
正しく機能させるためのインフラづくり」「経営情報の正確かつタイムリ
ーなフィードバック」「会社資産の健全なる管理」の三つがある。必要な
インフラとしては、「受注生産システム」や「在庫販売システム」などのビ
ジネスシステムの構築、運用のほかに、社内ルールを立案し、それを
維持管理することである。

第4章「現場が主役の採算管理」では、時間当たり採算表による採算
管理のポイントとその効果を取りあげ、最後の第5章「燃える集団を
つくる」では、マスタープランの立て方やリーダー育成について取り上
げている。

実績管理のポイントは、「部門の役割にもとづく活動結果が採算表に
正しく反映される」「公平・公正かつシンプル」「ビジネスの流れを「実
績」と「残高」でとらえる」。後半では、採算を計算する上で必要となる、
収入、経費、時間の各実績のとらえ方を取りあげている。 

第1章で述べているように、アメーバ経営が目指す三つの目的として、
「市場に直結した部門別採算制度の確立」「経営者意識を持つ人材の
育成」「全員参加経営の実現」をあげているが、現在も多くの企業で課
題になっている、経営情報の共有とリーダーの育成という面から、非常
に興味深い経営手法である。

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 ■今月のレポート■
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休載

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