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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュース No.087

2007/09/06

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   中小企業の経営・技術開発支援情報
   経営/情報/技術/連携/特許/支援等

   「情報と中小企業」メールニュース
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★2007/09/06 No.087    発行:降旗清司
★毎月第1木曜日発行
★issf(情報と中小企業)<http://www31.ocn.ne.jp/~issf/
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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業
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もくじ
[今月の一言]
参議院選挙における自民の敗因
[今月のレポート]
休載
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  ■今月の一言■
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参議院選挙における自民の敗因

1.小泉改革の継承者

参議院選挙での自民党大敗については、年金問題、政治とカネ、閣僚
の失言、格差の増大、国際政治への対応などいくつかの原因があげ
られている。だが、河野太郎衆議院議員は根底にある本質的な敗因は、
小泉改革の継承者である安部政権と自民党が継承者としての責務を
果たさず、むしろ逆行していることだとし、「昔の自民党に戻るなら、次
の選挙も危うい」と断じている(日経ビジネス NB online No.323)。

「官民を問わず、既得権益を押さえている組織や団体がそれに安住し
ているような社会構造は変えていかなければいけない。国民もメディア
も、そうした小泉改革を圧倒的に支持したのです。今でも国民の多くは
その改革の方向性を支持しているはずです」。「郵政選挙」と呼ばれた
2年前の衆院選で、自民党は「歴史的大勝」を収めました。郵政民営
化に象徴されるように、既得権益に鋭く切り込んだ小泉改革を国民が
圧倒的に支持したからです」。

「それなのに、既存の組織や団体にたよった選挙をした。実際、無駄な
公共事業を減らしてきたことで建設業協会は昔のように動かなかった。
郵政民営化に反対していた「大樹(特定郵便局長OB会)」も全く動か
なかった。医師会も同じです。高齢化で膨張する医療費の削減を進め
てきたからですよ」。

この河野氏の発言は、小泉チルドレンで代表される自民党改革派の立
場からみた、総選挙の総括をしているようにみえる。しかし、今回の選
挙における国民の判断はそんな単純なものではないとみられる。年金
問題は、社会保険番号の管理がずさんなだけでなく、職員による年金
の着服、グリンピアなどの年金流用や利権など、何年も前から指摘さ
れてきた官僚と政治家がからんだどろどろした問題がなんら解決への
努力がはかられてこなかったことを国民に見抜かれてしまった結果で
あろう。

参議院選挙間際になって自民党では、年金の時効を延ばす法律の整
備や社会保険庁を解体して非公務員型の日本年金機構に移行させる
などの対応を言ってきたが、なぜこのような事態になったのかという本
質を解明してその解決策を示そうとしないで、やる気の無い職員は辞
めてもらうというだけで、中身の変わらない非公務員型への組織移行
を唱えているだけでは問題の解決を引き延ばしているとしかみられな
い。最大の責任者である高級官僚や政治家の責任を問わずに、単な
る社名変更と移動でその場しのぎをしていると見られても仕方がない
のである。

前の衆議院選挙の最大の争点になった郵政民営化にしても、郵便預
金で集めた国民の資産が、官僚や政治家によって第二の税金のよう
に流用され、国や地方自治体の借金が膨れ上がるのではないかとい
う国民の心配を、国営事業の民営化という分かりやすいテーマに焦点
をすり替えたところは小泉元首相の作戦勝ちということであろう。郵政
事業の民営化というのは経営効率をあげるための手法であり、どのよ
うな基準で国営と民営の線引きをすべきは一つのテーマではあるが、
国体のあり方を選別するための重要課題には、高齢者、少子化、財
政、格差、国際対応、安全、環境など、もっと緊急を要する問題が山積
している。

そもそも、無駄な公共事業や医療費の削減は、どの政党が政権を担っ
ても、避けて通れないテーマであるが、例えば、小泉元首相の行ってき
た道路公団の民営化にしても、40兆円を越す過大な責務を積み上げて
きた公団方式を清算せずに、高速道路の新規建設計画における国の
関与が色濃く残されている。道路の建設は国(機構)が実質的に行い、
維持・管理を民間に任せるという下駄履き方式であり、既存債務が予
定通り返済されるのか、債務が増大することがないのか、国民の不安
はなくならない。

既得権益といえば、天下り後の給与と退職金の合計が最大で10億円
にもなるといわれる、高級官僚の天下りがある。このような天下りの問
題としては、関連法人や企業にOBが行くことにより癒着が生じることと、
天下りのために必要性の少ない関連法人がつくられ、その関連法人を
通じて多額の税金が官僚に支払われることであろう。例えば、中央官
庁の契約の多くが随意契約であり、これを競争入札にすると、契約価
格が7割程度になるとみられている。

小泉元首相は天下りの削減を声高に唱えていたが、キャリア制度や早期
勧奨退職制度などの、実質的な改革がなされなかった。自民党の斡旋禁
止法のように、官庁が個別に斡旋をしなければ天下りをしても官民癒着
はなくなるのであろうか。キャリアの早期退職をなくして、天下りを禁
止することがどうしてできないのであろうか。参議院選挙における自民
党の敗北は、小泉改革がほんとの改革に値するのかどうかが、国民から
問われているのということなのである。

なおこのほか、閣僚の相次ぐ政治とカネの問題と安部首相のリスク対
応のまずさや、閣僚の失言も当然選挙に影響したと思われるが、あま
りにも低レベルで非常識な話であり、国会議員の資質が問われている。

2.民主党のマニフェスト

一方の民主党は、マニフェストの冒頭で、「年金通帳と基礎年金部分の
国庫負担で年金の全額支給」、「1人月額2万6000円の子供手当て」、
「農業の個別所得保障制度」をあげている。「財政をどう捻出するのか
」、「消費税の一部はすでに地方自治体に配分されている」、「年収600
万以上の人は損だ」などと議論されているが、多くの国民にとって最重
要な政策ならば、他の無駄な予算の削除や優先度の低い事業の削減
をしても重点的に配分すべきであろうから、予算が無いなどという後ろ
向きの議論をする気はない。しかしながら、民主党が2大政党の一つと
して今後の行政を担っていくのであれば、単にその予算の捻出だけで
なく、現在ある国の債務の段階的削減まで含めた長期的な財政計画を
示していただかなければならない。

行政を担当する政党ならば、財政政策に関して、無駄な予算の削除や
大企業増税、軍事費の削減を唱えていればよいというわけにはいかな
い。予算の効率的な運用や無駄な事業の削除のほか、グローバルな
国際経済の中での産業経済のあり方をどのように考えるのか、その政
策を国民に提案していく必要がある。もっとも、企業幹部と一般社員の
給与が2桁も異なる米国の賃金構造が国際的なもので、日本の企業も
それに近づけた格差拡大をしなければグローバルな企業にならないと
いうわけではない。また、株主よりもまず従業員を重視する日本企業の
伝統は今後も持ち続けてもらいたいものである。

格差是正に関しては、自民党は、格差を縮めるのではなく、経済成長を
続けて社会全体が豊かさを実感できるようにする「底上げ」を図るとして
いるが、その効果が出るかどうかは景気頼みが多いほか、豊かさが弱
者に重点的に配分される保証はない。民主党は、あくまでも格差の是
正を優先し、その目玉政策として当面「自給800円の全国最低賃金設定」
を明記している。しかし、格差是正を企業に迫るだけでなく、正社員の既
得権をある程度犠牲にしても、派遣社員の正社員化等の弱者救済をし
ていくのかどうか明らかでない。

一方、歴代政府は地域格差の解消のために地方交付金等の財政支援
を進めてきたが、産業政策ビジョンや戦略の伴わない地方空港や高速
道路をつくっても企業誘致にむすびつかない。そこで最近は、地域格差
解消策として「ふるさと納税」を言い出している。民社党は、首都圏や東
海に企業本社等が集中している現状は、日本全体の経済発展のため
に仕方がない産業ネットワーク構造だと考えるのか。そうでなければ、
首都圏や東海以外の地域にも、世界的に魅力ある産業立地をどのよう
にしてつくりあげていくのか、主要な道州制の地域ごとに住民や企業と
協力して、その特色にあわせた産業誘致政策を示すべきである。

民主党も自民党も国内問題への対応に比べて、国際問題へのウエイト
が少ない。例えば、日米関係に関しては、民主党のマニフェスト 政策
各論の「憲法(3)日米関係」で、「(2)日米の共同行動に関して基本方針
を明確にします」として、「日本の主体性を前提にして米国との防衛協力
を明確にします。また、日米の共同行動に関して基本方針を明確にしま
す」としている。しかしこれでは、例えばイラク周辺やアジア等に展開し
ているアメリカ軍が攻撃されたときに、自衛隊は集団的自衛権を発動し
て共同で反撃するのか明らかでない。具体的なケースにおける対応を
明確に示すべきである。

安部首相は憲法9条を改正して自衛隊を普通の軍隊にしたいようだが、
米国に対して主体性のない日本が、世界の領主を目指している喧嘩
早い米国に引きずられて、共同防衛の名目で他国と戦争になる恐れ
はないのか。米国国民ですらイラク攻撃の理由が間違っていたといっ
ているのに、ブッシュ政権に気兼ねして間違っていたという事実すら率
直に認めようとしない日本政府を、国民はどうして信頼できるというの
であろうか。

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 ■今月のレポート■
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休載

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