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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュースNo.086

2007/08/02

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   中小企業の経営・技術開発支援情報
   経営/情報/技術/連携/特許/支援等

   「情報と中小企業」メールニュース
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★2007/08/02 No.086    発行:降旗清司
★毎月第1木曜日発行
★issf(情報と中小企業)<http://www31.ocn.ne.jp/~issf/
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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業
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もくじ
[今月の一言]
スピート時代の技術マネジメント
[今月のレポート]
休載
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  ■今月の一言■
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スピート時代の技術マネジメント

1.時間の技術マネジメント

経営コンサルタントの三澤一文氏はその著書「技術マネジメント入門」
で、技術マネジメントとは、「経営資源のひとつである技術を通じて、継
続的に企業価値を向上させる経営手法」だとし、「価格競争に陥らない
ような独創的な製品を開発したい」「製品開発のスピートで他社を上回
りたい」など、その「目的」ごとに論じている。そこでは、総合的なテーマ
」である「問題解決」の技術マネジメントに続いて、「独創」、「時間」
、「費用」、「品質」の技術マネジメントを取り上げ、最後の「二律背反」
の技術マネジメントで、それらの「目的」の間での微妙なバランスを取
り扱う「トレードオフ」問題を取り上げている。

その中の「「時間」の技術マネジメント」では次のようなことを強調して
いる。技術マネジメントは、商品開発プロセス、技術開発プロセス、製
品開発プロセスがあるが、重要なことは、三つのプロセスを三位一体
でうまく連携させることである。マーケティング中心の商品企画が先行
しすぎても、過剰に技術を重視しすぎても、効率一辺倒の開発・生産だ
けでもうまくいかない。まず、このように述べて三つの失敗事例(顧客
ニーズの変化を反映しない、研究開発の過剰な分散化、商品寿命の
短命化への対応に遅れる)を紹介している。

数少ない製品に集中して大型、ロングヒットを狙う戦略か、新製品の数
を増やして確実、継続的にヒットを打っていく戦略のどちらかによって、
商品開発のプロセスは違ってくるが、近年のような、製品の短命化と
価格下落のスピードが速い事業環境では、とくに後者の戦略が重要性
を増している。このような現状で、単位時間あたりにヒット商品を多く生
み出すためには、以下に述べるビジョナリー型とクロス・ファンクション
型を適切に組み合わせることが効果的であるとしている。

ビジョナリー型とはトップダウン型の商品開発であり、ビジョナリー個人
のビジョンを、その下の人々が戦略にブレイクダウンしていくプロセスが
ここでの商品開発のプロセスである。ここでは、将来を見通した創造的
な構想力に基づくビジョンと組織全体を引っ張っていくリーダーシップを
もつビジョナリー・グループと、既存の経営組織の協調体制の仕組みづ
くりが基本である。

クロス・ファンクション型はボトムアップ型の商品開発であり、商品開発
にかかわるさまざまな関係者を巻き込みながら、強調的に商品開発を
進める方法である。クロス・ファンクション型の商品開発のプロセスでは、
新製品の成功事例と失敗事例のデータベース化、系統だった新製品ア
イデアの創出とその蓄積、クロス・ファンクション・チームの成功モデル
の確立の、三点が基本である。

三澤氏は、先にあげた失敗事例「商品寿命の短命化への対応に遅れ
る」で紹介した、米国自動車における製品開発プロセスの稚拙さの原
因のひとつは、プロセスの電子化への過剰な依存にあると解釈できる
としている。製品開発プロセスを効率化するには、電子化による方法
に加え、製品開発にかかわる多くの関係者との対面による信頼関係
の強化と暗黙知の交換が不可欠であるが、これに対応できていない
ためである。

ITによる製品開発のシステムは、部門間強調・連携型の製品開発のさ
まざまな問題の早期発見と早期解決にも大きく貢献する。具体的には、
製品開発に関する情報、コンテンツ全般のマネジメント、情報やコンテ
ンツの流れを効率的にコントロールするためのプロセスマネジメント、
部門間連携を効率的、効果的に行うためのコミュニケーションの技術
である。

しかし、製品開発の部門間連携と強調で重要なのは、暗黙知としてあ
まり表に出てこなかったスキルやノウハウであり、海外の自動車メーカ
ーも注目し、組織的に取り組み始めているとして、一部の欧米自動車
メーカーでの仕組みづくりを紹介している。すなわち、ターゲット顧客の
絞込み方や、顧客ニーズの正確な把握方法、製造拠点の迅速な立ち
上げ方法、安全システムに関する新たな分析方法、少数の部品メーカ
ーとグローバルな部品調達方法、日常業務での新たな問題解決方法、
トライアル・アンド・エラーの効果的な実施方法、などの仕組みである。
また、自動車開発プロセスにおけるマイルストーン(工程の大きな節目)
ごとのノウハウも、組織をまたいで交換、共有できるようにしているとの
ことである。

2.スピード時代のリーダーシップ

日経情報ストラジー2006年12月号に「スピート時代に成功するプロジ
ェクト・マネジメント」特集が載っている。激しく変化する顧客ニーズ、加
速する市場のボーダレス化。情報システムの構築や、新商品開発、新
事業創出といったプロジェクトでは、こうしたスピード時代に対応できる
かどうかで成否が分かれる。この特集では、最近の成功プロジェクトを
検証しながら、スピード時代に成功するためのプロジェクトの進め方を
探っている。

このように述べて、まず「スピード時代のリーダーシップ」の事例として
「関係者の誰もが門外漢、社長が位置づける「顧客数100万人、75億
円のビジネス」をゼロから120日間で立ち上げた楽天野球団」「「決め
方」を決め、コンセプトを押し通す一方、メンバーの判断を尊重したカル
ビーのJagabee」「開発にかける「思い」の共有を優先したマツダのロー
ドスター」「「府民価値」を尺度に即断即決で内部業務を情報処理でス
リム化し、府民サービスの向上を目指した京都府」の事例を紹介して
いる。また、「目標構想力」「適用自在力」「巻き込み力」「臨機応変力」
の4つの力がスピード時代に対応するキーワードだとして、「松下電
器産業の食器洗い乾燥機」「カシオ計算機の電子ピアノ」「星野リゾー
トの老舗旅館の再生」「三洋電機の洗濯乾燥機」などの事例を紹介し
ている。

これらはプロジェクト・マネジメントのリーダーシップの事例として役立つ
が、スピード時代の技術マネジメントとしても参考になる。トップダウン
型とボトムアップ型、および両者を組み合わせた商品開発。製品開発
にかかわる多くの関係者との対面による部門間連携の強化と暗黙知
としてのスキルやノウハウ交換の重要性などである。

しかしながら、技術を通じて継続的に企業価値を向上していくためには、
技術マネジメントの視点からの全社的で継続的な努力が重要になろう。
日本企業に求められる今後の技術マネジメントの重点として、三澤氏
は「製品(プロダクト)・仕組み(ビジネスモデル)のイノベーション」「中核
技術・技術プラットホーム(核となる自社技術を基盤として、効率的に商
品開発ができる技術のたな)」「技術シナリオ・ロードマッピング(市場や
顧客のニーズを予測して、長期的な技術開発の領域の管理)」「技術提
携・買収、アウトソーシング」「技術開発の「見える化」「測定化」(結果指
標だけでなく、途中段階の進行指標、見込み段階での先行指標も)」
「イノベーション・マネジメント(危機感や当事者意識、個人の創造性の
尊重)」をあげている。これらは以前から指摘されてきたことではあるが、
今でも日本企業に残された課題であることに変わりはないといえよう。

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 ■今月のレポート■
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休載

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