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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュース007

2001/01/04

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   中小企業の経営・技術開発支援情報
   経営/情報/技術/連携/特許/支援等

   「情報と中小企業」メールニュース
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★2001/1/4 No.007    発行:降旗清司
★毎月第1木曜日発行   配信部数 694部
★issf(情報と中小企業)<http://plaza12.mbn.or.jp/issf/
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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業  
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もくじ
[今月の一言]
サイボウズoffice4
[トピックス]
大学を活用するための情報集―産学連携に向けて―
[今月のレポート]
明日を支配するもの(文献紹介)
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   ■今月の一言■
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●サイボウズoffice4

1. Windows 2000 Serverを利用した小規模LANの構築

12月18日付の日経コンピュータ誌で、第6回コンピュータ顧客満足度調査
が報告されていた。ソフトウェアでは、グループウェア、ERPパッケージ、
RDBソフトが取り上げられていたが、グループウェア製品で、サイボウズが
ロータスを抑えてトップになった。

サイボウズofficeは、「導入や初期設定の容易さ」と「価値」に対する満足
度が際立って高い。調査回答企業が重複する「使い勝手」「信頼性」「運
用管理の容易さ」のすべてで、サイボウズofficeはメーカー全体の平均よ
り13点以上高い満足度を得ている。ユーザーがアプリケーションを開発し
て使うことはできないが、それ以外の機能では他社を圧倒している。

サイボウズofficeは、サイボウズのホームページ(http://cybozu.co.jp
からダウンロードして60日間試用できるが、Windows 2000 Sarverにイン
ストールして使用してみた。

最初に、Windows 2000 Sarverのインストールを行う。サーバーの構築と
いうと難しく感じるが、小規模LANを構築してサイボウズを動かすだけなら、
ファイルサーバーやプリントサーバーとして使う程度の知識があれば十分
である。今回は、インプレスから発行されている書籍Dekiru PROシリーズ
の「Windows 2000 Server」を参考に、サーバーをインストールし、必要な
設定(Active Directory、DHCP、スコープ)をした。

2. サイボウズoffice4のインストール

サイボウズのホームページからダウンロードしたexeファイルをダブルク
リックして、インストールを開始する。使用するwebサーバー(今回はIIS)
のホームディレクトリ、インストール先ディレクトリを標準のままに指定。

LAN上のクライアントでブラウザを起動し、http://(サーバーのIPアドレス)
/Scripts/cb4/office.exe? と入力すると、アイコンが並んでいるサイボウ
ズofficeのトップページが表示される。最初に基本設定をすることになるが、
今回は試用なので、最小限のグループ作成、ユーザーの登録をする。

ログイン後「個人のトップページ」が表示される。ここには、スケジュール、
行き先案内板、掲示板、施設予約、Webメール、共有アドレス帳、ToDoリ
スト、回覧版、電子会議室、情報が、1つのページで確認できるようになっ
ている。今回は、掲示板を試用してみた。

サイボウズの掲示板では、たくさんの掲示板を作ることができる。例えば、
営業部、企画部といった部署ごとに掲示板を持つことができる。この掲示
板の作成(追加、変更、削除)は、システム管理者だけが設定できる。ま
た管理者は、「サイボウズoffice」に登録されていないユーザーに対して、
閲覧・投稿のアクセス権を設定できる。

記事を検索するには、記事一覧ページで「検索する」をクリック、検索入力
欄に文字を入力すると、この文字列が含まれる掲示板が検索結果として
表示される。検索条件は、表題/名前/本文をテェックして設定できる。

サイボウズofficeは、50ユーザーで198,000円、10ユーザーのSOHO4は
79,000円(ただしいずれも、「ワークフロー管理」「プロジェクト管理」は別売
りで、10ユーザー用で共に39,800円)と比較的安価である。このような中
堅・中小企業向けグループウェアには、無料で提供されているPerson
 office(http://www.personi.com/japan/)や、ソースコード公開、クライアン
トライセンスフリーで99,000円のHyper GroupWeb CrossPlatform
http://www.akizuki.co.jp/cross/index.html/)などもあるので、検討
してみるとよいであろう。

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   ■トピックス■
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●大学を活用するための情報集―産学連携に向けて―

電気通信大学産学共同センターのホームページ
http://www.crc.uec.ac.jp/japanese/index.html>のLINKSにある「産学
連携の窓」をクリックすると、「大学を活用するための情報集―産学連携に向
けて―」がリンクされています。この情報集は平成12年度文部省「21世紀型
産学連携手法の構築に係るモデル事業」に採択された「産学連携及びセンタ
ー連携のためのネットワーク利用に関する研究」によって整備されました。北
見工大、新潟大、電通大、岡山大の4つの共同研究センターから発信されて
います。内容は、

1. 共同研究センター情報集
全国国立大学に設置された共同研究センターの情報および各センターで開設
されているホームページリンク集です。共同研究センターは、昭和62年度から
整備が進められ、平成12年度現在、56大学に設置されています。

共同研究センター情報集は、関東など全国を8つのブロックに分けられ、ブロッ
クを選択すると、ブロック内の大学共同研究センターがある大学名が表示され、
大学名をクリックすると、各センターのホームページにリンクされます。

2. 大学教員情報リンク集
全国の国公私立大学の教員情報を大学あるいは学部単位で公開しているデー
タベースへのリンク集です。大手ポータルサイトに掲載されている大学のホーム
ページから検索したものと全国共同研究センターの専任教官から寄せられた情
報に基づいて作成されています。

大学教官情報リンク集は、都道府県に分けられた地図が表示され、地図から
都道府県を選択すると、都道府県内の各大学研究者データベースのリストが、
キーワード等により検索可能なデータベースと一覧データベースに分類されて
表示されます。

例えば、東京をクリックすると、東京工業大学、電気通信大学など7つの大学の
「検索可能データベース」、慶応義塾大学、中央大学など30の大学の「一覧デ
ータベース」が表示されます。この中から東京工業大学をクリックすると、東京
工業大学教官情報検索が表示されます。

このデータベースには、研究分野などの教官に対するキーワードから検索する
キーワード検索、研究・専門分野別検索から絞り込んで検索する分野別検索、
教官の氏名、所属から検索する人名・所属別検索があります。

3. 産学連携Q&A
 大学をパートナーとして利用する際の様々な疑問にわかりやすく回答したQ&
A集です。文部省学術国際局研究協力課研究協力室作成のパンフレット「産学
連携Now」より抜粋したものです。

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   ■今月のレポート■
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●明日を支配するもの

1. 今日の世界を支配している問題
P・F・ドラッカー著の明日を支配するもの(上田淳生訳、ダイヤモンド社)の、
日本語版まえがき「日本の読者へ」で次のように述べている。

私は、日本が今日の問題に独自の解決策を見出し、近代的ではあっても西
洋的でない日本として、この転換期を乗り越え、再起することを期待している。
世界には、もうこれ以上の均質性はいらない。必要なのは、多様なモデル、
多様な成功、多様な価値観である。

しかしそのためには、日本自身が、今日の世界と日本が直面している問題を
理解しなければならない。それらの問題は前例のないものばかりである。本
書の目的は、ほかならぬそれらの問題を明らかにすることである。

本書は6章から構成されている。1章から5章までは、今日の世界が直面して
いる問題を、それぞれの切り口で論じている。

第1章は、「マネジメントの常識が変わる-----パラダイム転換」である。
1930年代にマネジメントの研究が始まって以来、学者、評論家、実務家の
間で当然のこととされてきた、組織運営上の情報(組織には唯一の正しい
構造があるなど)と事業運営上の情報(技術と市場とニーズはセットである
など)は、少なくとも1980年代の初めまでは、かなり現実に則していた。と
ころが今日では、これらの前提のすべてが陳腐化し、無効となっている。
現実は、これらの前提とは正反対であると論じている。

第2章では、「経営戦略の前提が変わる-----21世紀の現実」を取り上げ
ている。本章では、21世紀という急激な変化と不確実性の時代にあって、
経営戦略自体が前提とすべきものは何か。組織とくに企業が、自らの経営
戦略の前提とすべきものは何かを次のように論じている。

これからの時代にあって、確実なものが5つある。いずれも、今日の経営戦
略が前提としているものとは異なる。そもそも経済にかかわるものではない。
社会と政治にかかる次の5つである。(1)先進国における少子化、(2)支出配
分の変化、(3)コーポレート・ガバナンスの変容、(4)グローバル競争の激化、
(5)政治の論理と乖離である。

第3章では、「明日を変えるのは誰か-----チェンジ・リーダー」である。変化
はコントローできない。できることは、その先頭にたつことだけである。急激
な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自らの変革の担い手、チ
ェンジ・リーダーとなるものだけである。チェンジ・リーダーとは、変化を機会
としてとらえる者のことである。

この章では、「チェンジ・リーダーの条件-----仕組みと手法」(体系的放棄、
継続的改善、成功の追及、イノベーション)、「チェンジ・リーダーにとっての
三つのタブー」(現実と平仄(つじつま)の合わないイノベーション、イノベーシ
ョンと新奇さの混同、行動と動作の混同)、「チェンジ・リーダーのための手
段と予算」「継続性との調和」「未来をつくる」を取り上げている。

第4章では情報を取り上げている。組織が必要とする情報については、企業
が収入を得るのは、コストの管理ではなく、富の創造によってである。そのた
めには、(1)基礎情報、(2)生産性情報、(3)強み情報、(4)資金情報と人材情
報という、自社に関する四種類の情報が不可欠であるとしている。

2. 知識労働の生産性と明日の生き方

第5章では、「知識労働の生産性が社会を変える-----先進国の条件」を扱
っている。20世紀の偉業は、製造業における肉体労働の生産性を50倍に上
げたことである。テイラーの研究により、肉体労働の生産性が平均して年率
3.5%の割合で伸び、テイラー以降現在までに、肉体労働の生産性は50倍
になった。

続く21世紀に期待される偉業は、知識労働の生産性を、同じように大幅に上
げることである。先進国における中心的な課題は、もはや単なる肉体労働の
生産性の向上ではない。これからの中心的な課題は、知識労働の生産性の
向上である。

この章では、知識労働の生産性を向上させるための条件は、大きなものだけ
で次の6つあるとしている。(1)仕事の目的を考える。(2)働く者自身が生産性
向上の責任を負う。自らをマネジメントする。自律性をもつ。(3)継続してイノベ
ーションを行う。(4)自ら継続して学び、人に教える。(5)知識労働の生産性は、
量よりも質の問題であることを理解する。(6)知識労働者は、組織によっての
コストではなく、資本財であることを理解する。知識労働者自身が組織のため
に働くことを欲する。

6番目の条件以外は、肉体労働者の生産性向上のための条件とは、ちょうど
逆である。もちろん肉体労働においても、仕事の質は重要であるが、質は制
約にすぎない。最低の基準というものがあるだけである。これに対し、知識労
働の生産性は、仕事の質を中心に据えなければならない。ただし実際には、
きわめて多くの知識労働者が、知識労働と肉体労働の両方を行う。そのよう
な人たちを、とくにテクノロジスト(高度技能者)と呼ぶ。

最後の第6章では、この知識労働者のほとんどが自らをマネジメントしなけれ
ばならなくなるとして、「自らをマネジメントする-----明日の行き方」を取り上
げている。

知識労働者たる者は、これまでに存在しなかった次の問題を考えなければな
らなくなる。(1)自分は何か。強みは何か。(2)自分は所をえているか。(3)果たす
べき貢献は何か。(4)他の関係において責任は何か。(5)第二の人生は何か。

本書のまえがきでドラッカーは、「本書で取り上げた新しい現実は、今日の問
題ではない。全く異質である。今日当然とされ、成功の基盤となっているもの
とは合入れない。今日、われわれは転換期にある。これから起こる変化は、
19世紀半ばの第二次産業革命や、第二次大戦後の構造変化よりも急激で
ある。本書を読まれるならば、落ち着いてはいられなくなると思う」と述べて
いる。

またその影響については、「本書で取り上げた21世紀の現実は、社会のあら
ゆる組織に影響を与える。組織の中でも、企業の果たすべき役割は大きいが、
政府機関、病院、大学などの非営利組織に対し、より大きな影響を与える。そ
れは、それらの組織が、企業に比べ、はるかに硬直的であって、昨日の観念
や前提、制度にとらわれているからである」

ドラッカーが指摘しているように、本書が取り上げた問題、すなわち社会や人
口や経済にかかわる21世紀の現実は、政府や政治が対処できるものではな
く、経営陣と個々の知識労働者だけが、取り組み、解決できる問題である。今、
組織とそこに働く人々に何が起こっているのか、時代の本質を見通すドラッカー
の問題提起は、非常に考えさせるものがある。

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   ■編集後記■
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今月号は、グループウェアを中心とした製造業における小規模LANの構築
に関して、安価に構築可能なシステムの一例をを紹介してみました。現在、
盛んにITが叫ばれていますが、小規模製造業の立場は忘れ去られている
ようです。ソフトウェアメーカーや評論家の思惑に翻弄されて、このITブーム
も過去の失敗を繰り返すのでしょうか。

文献紹介では、ドラッカーの「明日を支配するもの」を取り上げました。かっ
て例を見ない変化の時代にあって、組織とそこに働く人々に何が起こって
いるのか。一章ごとに今世界が直面している問題を、するどい切り口で論
じていますので、ぜひ著書を読んでもらいたいと思います。

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