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「情報と中小企業」メールニュース

中小企業の経営者・技術者と行政関係者の方を対象に、中小企業の経営戦略、情報ネットワーク、技術、産学連携、支援制度等の情報を提供していきます。今月の一言、トピックス、今月のレポート等から構成。

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「情報と中小企業」メールニュースNo.006

2000/12/07

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   中小企業の経営・技術開発支援情報
   経営/情報/技術/連携/特許/支援等

   「情報と中小企業」メールニュース
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★2000/12/7 No.006    発行:降旗清司
★毎月第1木曜日発行   配信部数 690部
★issf(情報と中小企業)<http://plaza12.mbn.or.jp/issf/
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情報と中小企業  情報と中小企業  情報と中小企業  
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もくじ
[今月の一言]
岡野工業のホームページ
[トピックス]
金属加工業界総合インターネットサイト
[今月のレポート]
富のピラミット(文献紹介)
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   ■今月の一言■
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岡野工業のホームページ

1. 深絞り加工

先日送られてきた日経ベンチャー特別編集版(PR用)に岡野工業の記事が
載っていた。2000年4月号掲載記事と岡野社長へのインタビューである。

日経メカニカルの97年3月号によると、同社が得意とするのは、エンドユーザ
ーの感性に訴える製品のキャップなどの深絞り加工だ。例えば口紅のケー
スのキャップ。こうした製品の形状はデジタル化できないアナログの世界。
CAD/CAM/CAEなどでデジタルデータで表現できないので、職人芸で調整
するしかない。

同社の技術は以前の技術の延長がほとんど。そこで残す技術と捨てる技術
の見極めが重要になる。残す技術の方はパソコンにデータベース化するとと
もに、加工の様子をビデオ撮影して記録する。加工途中のワークも当然保存
する。

過去に残して成功した典型的な例が、ステンレス製のライターケース。30年
後、リチウムイオン二次電池のケースに応用された。こうした方法により99%
までは形に残せるが、金型のラップ仕上げやアプローチの取り方など、最後
の微妙な手加工は、体で覚えるほかない。

岡野流ものづくりの極意とは、「人のマネや後追いをしたことがない。仕事で
も何でも常に新しいものに挑戦してきた」。同社が手掛ける製品は、完成する
保証がどこにもないものばかり。失敗したら出世に響くサラリーマンには、リ
スクが大きくてとても手を出せない分野を手掛ける。だから、大メーカーも同
社には言い値で発注せざるを得ないというわけである。

2. ホームページ
 岡野工業のホームページ(http://plaza14.mbn.or.jp/~seagull_to_okano/
には、トップに、「金属加工の「なやみ」問題解決します」と書かれ、1. 加工
精度の問題、2. セラミック金型で量産コストを下げたい。3. アルミのインパ
クト成形同様にステンレス、銅、ニッケル、アンタル、モリブテン、純鉄等で
も製作したい。4. 究極のコイニング:半導体ステムの金型、順送りユニット、
プレスシステム全てのノウハウ販売します。

その下に岡野代表取締役が、量産のノウハウを提供できる技術力、試作研
究開発から量産のノウハウをフルターンキーで提供いたします。角型ケース
の製造・金型技術で特許を取得、などと説明している。

そして、岡野工業の製品各種が、
深絞り加工
・チタンの深絞り(例φ6t=0.4t、4L=130mm)
冷間加工によるトランスファー量産
・鉄ニッケルメッキケース、ステンレスケース
(φ80×450LのEV用からリチウムイオン用まで各種)

以下同様に、インパクト加工(衝撃による冷間塑性加工)、順送精密加工、
ベローズ部品各種(超深絞り)などの事例が、一部写真付きで紹介されて
いる。

このホームページは、インターネットプロバイダのホームページ提供サービ
スを利用したもので、お世辞にも立派だと言えるものではない。製品や技
術のデータベースが検索できるわけでも、関連する技術情報が公開されて
いるわけでもない。しかし、顧客に提案できるその会社のコアコンピタンス
(中核となる競争力のある技術や技能)が確立しており、他社にはできな
い、あるいは難易度の高い技術を押し出すことで、セールスポイントを明
確にしている。

中小企業を対象とした工場・製品検索のページには、NC-Network
http://ns.nc-net.or.jp/index.html)やthe business mall
http://www2b-mall.ne.jp/BM/01_TopPage/01_ToPPage.asp)がある。

NC-NetworkのEMIDAS工場検索エンジンを見ると、会社・工場詳細情報
」には、企業PRコメント、得意&得意技術情報欄が設けられている。従来
は機械設備情報が主体であった検索エンジンにも、他人にできない得意
情報をわかりやすく発信している企業も増えてきているようである。

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   ■トピックス■
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金属加工業界総合インターネットサイト

ソフトバンク・イーコマーズ�と米国VerticalNet,Ink.による合弁企業
バーティカルネット�が運営する「金属加工オンライン」がオープンし
ました。URL:http://www.metalwork-japan.com

ネット展示会には、
・バイヤーズガイド(キーワード検索、カテゴリー一覧)
・製品ショウケース(特選製品)
・Eコマースセンター(オンラインによる購入、オークションへの参加)
・ストアフロント(出展企業情報、見積依頼等のサービス問い合わせ)
・その他、業界のニュース、イベントカレンダーなど
Eコマースセンターは近日オープン。

例えば、バイヤーズガイドで、製品のカテゴリー一覧を見ると、
A.工作機械(13サブカテゴリ)
B.鍛圧機械(8サブカテゴリ)などが表示されます。

F.精密測定器・工学測定器・試験機器(3サブカテゴリ)をクリック
し、精密測定機器(16サブカテゴリ)をクリックすると、

ゲージ(限界ゲージ、ねじゲージ) (33企業)
ダイヤルゲージ(19企業)などが表示され、企業一覧から、詳細
を知ることができます。

登録無料、使用無料です。また、バイヤーズガイドに無料登録でき
ます。

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   ■今月のレポート■
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富のピラミット

1. 第三次産業革命

エジプトのピラミットで、隠された宝は、頂上までのぼっても見つからない。
宝を隠した秘密の部屋にいたる通路を見つけなければならない。従来か
らの製品の生産方法に革命をもたらし、革新的な新製品の生産を可能
にする新技術は、どのように利用すればいいのか。もっと大きな石(生産
性の高い生産要素)を扱える新たな建設技術は何なのか。この新技術
をどのように使えば、もっと大きく、もっと高いピラミットが将来、建設でき
るようになるのか。

永続性のある富のピラミットを築くには、まず登場しつつある新たな経済
環境を探検しなければならない。この新しい経済環境のどこかに、新しい
富のピラミットがある。ピラミットが見つかったら、その構造をはっきりと理
解しなければならない。

富のピラミット-----21世紀の資本主義への展望(レスター・C・サロー
著、山岡洋一訳、TBSブリタニカ)のプロローグで、マサチューセッツ工科
大学のレスター教授は上記のような書き出しで、21世紀の資本主義を
展望している。

まず、第一部の「知識主義経済の探検」で、現在の経済の全体像を論じ、
第二部で、社会組織を改革する能力、起業家のスキル、知識の創造、ス
キルの教育、資本設備の再建、天然資源と環境資源にわけて、「富のピ
ラミットの考古学」を論じている。そして、第三部の「富のピラミットで宝を
探す人たち」で、富がどこにあるのかを追求し、最後の第四章「建設者の
登場」で、その富のピラミットを建設する方法を提言している。

いまから200年前、18世紀末から19世紀初めにかけての産業革命によ
って、それまで8000年続いた時代、農業が富を創出する時代は終わっ
た。それから100年後、19世紀末から20世紀初めにかけて、電化と組織
的な研究開発体制の発明によって、経済史家がいう第二次産業革命が
起こった。

現在、第三次産業革命が起こっている。電子、コンピュータ、電気通信、
新素材、ロボット、バイオ技術などによって、生活のあらゆる面が変容し
ている。成功をもたらす基盤が変わった。これまでの人類の歴史では、
成功をもたらす源泉はつねに天然資源の支配であった。これが突然、
「知識」に変わった。

レスター教授は、この第三次産業革命という、登場しつつある新たな経
済環境のどこに、新しい富のピラミットがあり、その構造がどうなってい
るかを論じているのである。日本に関係した部分を取り上げれば、次の
ようにいっている。

1990年代の日本経済の衰退はさまざまな点で、ある環境にうまく働く
社会体制が、環境が変わればまったく機能しないことを、アメリカの再
生よりもはっきり示している。第二次世界大戦後、日本がつくりあげた
経済体制は、経済成長を促進するうえで世界最高のものであったと云
える。しかし、日本経済は金融崩落に対処できなかった。

日本経済の地位が低下した要因は、バブルの崩壊ばかりにあるので
はない。日本企業は揃いも揃って、第三次産業革命の大きな機会を
逃がしている。しかし、日本はバブルの後始末の方法がわからなけれ
ば、創造性の問題(画期的な技術革新を生み出す能力)に取り組むこ
とはできない。

2. 富のピラミットを建設する
 日本-----混乱を吸収する、西ヨーロッパ-----起業家を育成する、
アメリカ-----スキル、キャリア、高賃金の職、に分けて論じている部
分と、知識の独占と普及、地球温暖化に対する姿勢のように世界を論
じている部分に分けられる。

日本-----混乱を吸収するでは、
日本では、ピラミットをつくり変える作業は、ピラミットの最下層、社会
組織をつくり変えることからはじまる。日本は金融崩壊に対処できる新
しい経済構造をつくらなければならない。として次の二つを提案し、何
をすべきかは、まったくはっきりしている。アメリカでは、貯蓄金融業界
の危機は、経済全体には短期的にも長期的にも影響を与えな
かったと述べている。

・優先順位第一位:債務を削減する。
アメリカでは、公的資金で不良債権を処理する政策で納税者の納得を
得るために、四点が必要だったとして、株主は投資した資金を失う。経
営陣が全員解雇される。犯罪行為があれば投獄される。政治家に不正
行為があればやはり投獄される。

・優先順位第二位:構造改革を進める。
アメリカが19世紀に採用したのに似た戦略だが、日本は内需主導型の成
長戦略をとらなければならない。それには産業構造と経済政策を変えなけ
ればならない。外国企業が国内産業に参入し、国内企業に適用されるの
と同じルールのもとで競争するようにして、競争環境を維持する。

西ヨーロッパ-----起業家を育成するでは、
・優先順位第一位:産業の柔軟性を高める。
イタリヤのように、多数の新興企業が生まれている国もあるが、法規や規
制によって、新興ハイテク企業が短期間で世界規模の企業になるのが妨
げられている。ドイツやフランスでは、新興企業の数が少ない。リスクを嫌
い、失敗を容認せず、変化を避ける社会制度によって、起業が妨げられて
いる。イギリスに欠けているのは、技術系人材の基盤である。

・優先順位第二位:給与税を廃止する。
 給与税を財源とする税収は、付加価値税を引き上げて確保する。低所得
世帯には、付加価値税として支払った税金の一部あるいは全部を、負の
所得税の形で払い戻す仕組みをとればいい。

なお、日本語版によせてで、「知識主義社会の果実を得られるようにする
には、日本は二つの問題を解決しなければならない。教育制度を変え、そ
しておそらくは社会の態度も変えて、技術の大きな飛躍を生み出すような
創造的思考を促すようにしなければならない」。

「残念なことに、日本はバブル破裂の後始末の問題がのしかかっていて、
最大の問題が見えにくくなっている。最大の問題は、知識主義経済でど
のように動けばいいかを学ぶことである。最終的には、21世紀に日本経
済が成功を収められるかどうかを決めるのは、この点であり、金融システ
ムの混乱をどう解決するかではない」。と提言している。

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   ■編集後記■
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今月号は町工場のホームページづくりと情報発信について、取り上げてみ
ました。顧客に提案できるその会社のコアコンピタンスが確立しており、他
社には簡単に真似できないセールスポイントがないと、ITを活用しても、価
格競争に巻き込まれてしまうだけだと考えられるからです。また、クラスタ
ーという地域グループで他との差別化をはかるのも、有力な手法でしょう。

文献紹介では、「富のピラミット-----21世紀の資本主義への展望」(レス
ター・C・サロー著、山岡洋一訳、TBSブリタニカ)を取り上げました。本書を
見れば、日本の経済について、欧米や世界経済について、アメリカの知識
人がいま、何を考えているのかがよく理解できます。

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