名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『権力−その歴史と心理』第2章:指導者と追従者 n.14

2019/02/12

 無政府状態の後,その自然な最初の第一歩(第一段階)は独裁制(専制政治)
である。なぜなら,(無政府状態の後では)独裁制は,支配と服従の本能的な
メカニズムによって促進されるからである。このことは,家族や国家やビジネ
ス(実業)において例証されてきた。対等な立場で協力することは,独裁制よ
りもはるかに難しく,本能と一致するところはずっと少ない。人々が対等な立
場で協力しようとする場合,各人が完全な支配を求めて(雌雄を決しようと)
争うことは自然なことである。そこでは服従衝動は出てこない(brought into
 play )からである。関係者全てが,彼らの外部にある何らかのものに共通の
忠誠を認めることがほぼ必須となる(のである)。中国においては,家業
(family business)は,家族に対する儒教的忠誠によって成功することが多
い。しかし,非個人的な合資会社(共同出資企業)はうまくいかない(機能し
ない)ことが証明されがちである。なぜなら,誰も他の共同出資者(株主)に
対して誠実であるためのやむにやまれないいかなる動機もないからである。審
議による統治を行なっているところには,法律に対する敬意,あるいは国家に
対する敬意,あるいははすべての関係者が重んじている何らかの原理原則に対
する世間一般の敬意(general respect)がなければならない。フレンド教会
(注:The Society of Friends キリスト友会。よくクェーカーと呼ばれる。)
は,何か疑わしいことを決めなければならない時には,決をとってはならず,
しかも多数に従う。(即ち)彼らは「召集されたグループにおける一般的な合
意(the sense of the meeting)」に達するまで議論をする。その一般的な合意
は,聖霊に促されて出て来ると見なされるのが普通である。フレンド友会の場
合は,稀にみるほど同質的な社会に関わっている。しかし,ある程度の同質性
がないと,論議による統治は機能しない(のである)。

Chapter II: Leaders and followers, n.14

After anarchy, the natural first step is despotism, because this is 
facilitated by the instinctive mechanisms of domination and submission;
this has been illustrated in the family, in the State, and in business.
 Equal co-operation is much more difficult than despotism, and much 
less in line with instinct. When men attempt equal co-operation, it is
 natural for each to strive for complete mastery, since the submissive
 impulses are not brought into play. It is almost necessary that all 
the parties concerned should acknowledge a common loyalty to something
outside all of them. In China, family businesses often succeed because
 of Confucian loyalty to the family ; but impersonal joint-stock 
companies are apt to prove unworkable, because no one has any 
compelling motive for honesty towards the other shareholders. Where 
there is government by deliberation, there must, for success, be a 
general respect for the law, or for the nation, or for some principle
 which all parties respect. The Society of Friends, when any doubtful
 matter has to be decided, do not take a vote and abide by the 
majority: they discuss until they arrive at "the sense of the meeting,"
 which used to be regarded as prompted by the Holy Spirit. In their 
case we are concerned with an unusually homogeneous community, but 
without some degree of homogeneity government by discussion is 
unworkable.
 出典: Power, 1938.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/POWER02_140.HTM

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