名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第二十章 人間の価値の中の性の位置 n.8

2018/12/07

 第二十章 人間の価値の中の性の位置 n.8: 刹那の快楽を求める虚しさ

 芸術家が必要とする性的な自由は,愛する(恋愛する)自由であり,見知ら
ぬ女と(で)肉体的要求を満たすような粗野な自由ではない。また(しかも)
,愛する自由は,とりわけ,因習的な道学者が認めようとしないものである。
世界がアメリカナイズされた後に芸術を復興させたければ,アメリカが変わり
,アメリカの道学者(モラリスト)がもっと道徳的でなくなり,非道徳家(モ
ラルに問題がある人々)がもっと非道徳的でなくなることが,要するに,両者
ともに,性に含まれるより高い価値を認め,また,喜びは銀行口座よりも価値
を持ちうる可能性を認める必要がある(のである)。

 アメリカを旅行する者にとって,喜びがないくらい苦痛なことはない。快楽
は,気違いじみたものであり,またどんちゃん騒ぎで,あっという間に忘れ去
られるもの(忘却されるもの)であって,歓喜に満ちた自己表現にはならない
。バルカンやポーランドの村で,笛の音に合わせてダンスした祖父を持った人
たちが,タイプライターや電話に取り囲まれて,まじめに,もったいぶって
(important),そしてむなしく,一日中机にへばりついている。夜になると,
酒と新種の喧騒に逃避し,幸福を見つけ出している気になっているが,彼らが
見つけているのは,金を生む金を稼ぐという,希望のない日々代わり映えしな
い仕事を(the hopeless routine of money that breeds money),狂ったよ
うに,また,不完全に忘却することだけである。また,その目的のために
(金を稼ぐために),魂を奴隷(卑しい仕事)に売り渡してしまった人間の肉
体を使うのである。

Chapter XX: The Place of Sex among Human Values, n.8

The sexual freedom that the artist needs is freedom to love, not the 
gross freedom to relieve the bodily need with some unknown woman ; and
 freedom to love is what, above all, the conventional moralists will
 not concede. If art is to revive after the world has been 
Americanized, it will be necessary that America should change, that
 its moralists should become less moral and its immoralists less 
immoral, that both, in a word, should recognize the higher values 
involved in sex, and the possibility that joy may be of more value 
than a bank-account. Nothing in America is so painful to the traveller
 as the lack of joy. Pleasure is frantic and bacchanalian, a matter of
 momentary oblivion, not of delighted self-expression. Men whose 
grandfathers danced to the music of the pipe in Balkan or Polish 
villages sit throughout the day glued to their desks, amid typewriters
 and telephones, serious, important, and worthless. Escaping in the 
evening to drink and a new kind of noise, they imagine that they are 
finding happiness, whereas they are finding only a frenzied and 
incomplete oblivion of the hopeless routine of money that breeds 
money, using for the purpose the bodies of human beings whose souls
 have been sold into slavery.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM20-080.HTM

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創刊日:2014-12-19  
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