名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

ラッセル『結婚論』第19章 性と個人の福祉 n.7

2018/11/21

 『結婚論』第19章 性と個人の福祉: n.7:学生の試験結婚の効用       

 大部分の若者(青年)は,大人になりたての頃,性に関してまったく不必要
な悩み
と困難を経験する。もしも,青年が童貞(chaste 貞節)のままでいれば,(性的
欲求の)コントロールが難しいので,多分,臆病かつ内気になるだろう。その
結果,とうとう結婚しても,過去数年の自制(の習慣)を打ち壊すことができ
ず,かりに打ち壊すことができたとしても,たぶん,粗暴かつ唐突なやり方に
なってしまうので(しかできないので,愛人として(愛人としての資格におい
て)妻を失望させることになる(注:fail his wife 妻の役に立たない)。
もしも,売春婦のもとへ通うなら,思春期に始まった恋愛(love)の肉体的な
側面と理想主義的な側面との分離は永続的なものとなり,その結果,彼の女性
との関係は,それ以後プラトニックなものになるか,あるいは,彼が信じてい
るように,品位を下げるものとならざるをえない。さらに,(売春婦と付き合う
ことによって)性病にかかるという重大な危険を冒すことになる。もしも,同じ
階級(階層)の娘と情事をもてば,害はずっと少なくなるが,その場合でも,秘
密にしなければならないことで有害なものになり,安定した関係の発達を阻害
する(ことになる)。

 ひとつには紳士気取りのために,またひとつには,結婚すればすぐに子供を
持つようにしなければならないという思い込みのために,男性が若くして結婚
することは困難である。さらに,離婚(結婚の解消)が非常に困難な場合には
,早婚には大きな危険がある。なぜなら,20歳でしっくりいっている二人の人
間が,30歳ではしっくりいかなくなる,ということは大いにありそうなことだ
からである。一人の配偶者(パートナー)との安定した関係は,多くの人びとに
とって,種々の経験を多少積まないうちは困難である。もし,われわれの性の
見方が健全なものであれば,大学生が一時的な結婚をしてもおかしくない。た
だし,子供を産んではいけない(産まないという条件で)。この方法によれば
,現在大いに勉学を阻害している性に対する強迫観念から解放されるだろう。
子供をもうける結婚というまじめなパートナーシップヘの前奏曲として望まし
い異性体験を得るだろう。また,現在,若々しい(溌剌とした)冒険を毒して
いる,ごまかし(逃げ口上),隠しだて,性病への恐れというような付随物な
しに,自由に恋愛を経験することができるだろう。

Chapter XIX: Sex and Individual Well-being, n.7

Most young men, in their early adult years, go through troubles and 
difficulties of a quite unnecessary kind in regard to sex. If young 
man remains chaste, the difficulty of control probably causes him to 
become timid and inhibited, so that when he finally marries he cannot
 break down the self-control of past years, except perhaps in a brutal
 and sudden manner, which leads him to fail his wife in the capacity 
of a lover. If he goes with prostitutes, the dissociation between the 
physical and the idealistic aspects of love which has begun in 
adolescence is perpetuated,  with the result that his relations with 
women ever after have to be either platonic or, in his belief, 
degrading. Moreover, he runs a grave risk of venereal disease. If he 
has affairs with girls of his own class, much less harm is done, but 
even then the need of secrecy is harmful, and interferes with the 
development of stable relations. Owing partly to snobbery and partly 
to the belief that marriage ought immediately to lead to children,  it
is difficult for a man to marry young. Moreover, where divorce is very
difficult, early marriage has great dangers, since two people who suit
each other at twenty are quite likely not to suit each other af 
thirty. Stable relations with one partner are difficult for many
 people until they have had some experience of variety. If our outlook
 on sex were sane, we should expect university students to be 
temporarily married, though childless. They would in this way be freed
 from the obsession of sex, which at present greatly interferes with
 work. They would acquire that experience of the other sex which is 
desirable as a prelude to the serious partnership  of a marriage with
 children. And they would be free to experience love without the 
concomitants of subterfuge, concealment, and dread of disease  which
 at present poison youthful adventures.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM19-070.HTM

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。