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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十八章 優生学 n.7

2018/11/02

 『結婚論』第十八章 優生学 n.7:
           国家による「品質の良い」人間の繁殖政策?

 けれども,この種の科学的知識を適用(応用)するためには,本書でこれま
で熟考してきたいかなることよりも家族に関して,いっそう根本的な変動
(upheaval 激変)が必要になるだろう。(人間の)科学的な品種改良を完璧に
実行しようとするなら,各世代ごとに,男性の約2,3パーセント,女性の約
25パーセントを繁殖の目的のために取りのけておかなければならない。たぶ
ん思春期に試験が行われ,その結果,合格しなかった候補者は,全員断種され
るだろう。父親は,その子孫に対して現在の雄牛や種馬(a bull or stallion(
くらいの関係しか持たない(以上の関係を持たない/の関係に過ぎない)だろ
うし,母親は,特別な専門職になり,生活様式は他の女性(子どもを産まない
女性)とは異なったものになるだろう。私は,こういう事態が起ころうとして
いる,と言うのではない。ましてや,それを望んでいる,と言うのでもない。
正直言って,それは,たまらなく嫌悪を催させるからだ。

 にもかかわらず,この問題(人間の科学的繁殖)を客観的に吟味すると,そ
ういった計画はめざましい結果を生むかもしれないことがわかる。議論のため
に,この計画が日本で採用され,三世代の終わりには,大部分の日本人男性が
エジソンのように頭がよくて,プロボクサー(a prize-fighter)のように強健
になっていると仮定しよう。もしも,その間,世界のほかの国家が,事態を自
然の成り行きにまかせたままにしておくならば,戦争で日本に太刀打ちするこ
とはまったくかなわなくなるだろう(注:強力な兵器と体力を持つことになる
から)。疑いもなく,日本人は,このような高度の能力を身につけたからには
,どこかほかの国家の男を兵士として雇う方法を見いだすだろうし,勝利を得
るために科学的技術に頼り,そして,まずまちがいなく,勝利を収めることだ
ろぅ。このような制度では,国家に対する盲目的な忠誠を若者に注入するのは
,いともたやすいことだろう。将来,この種の発展がありえない,と誰が言え
ようか。

Chapter XVIII: Eugenics, n.7

To apply scientific knowledge of this sort, however, would demand a 
more radical upheaval as regards the family than anything hitherto 
contemplated in these pages. If scientific breeding is to be carried 
out thoroughly, it will be necessary to set apart in each generation 
some two or three per cent. (= percent) of the males and some 
twenty-five per cent. (= percent) of the females for the purpose of
 propagation. There will be, presumably at puberty, an examination, as
 a result of which all the unsuccessful candidates will be sterilized.
The father will have no more connection with his offspring than a bull
 or stallion has at present, and the mother will be a specialized 
professional, distinguished from other women by her manner of life. 
I do not say that this state of affairs is going to come about, still
less do I say that I desire it, for I confess that I hd it exceedingly
 repugnant. Nevertheless, when the matter is examined objectively, it
 is seen that such a plan might produce remarkable results. Let us 
suppose, for the sake of argument, that it is adopted in Japan, and
 that at the end of three generations most Japanese men are as clever
 as Edison and as strong as a prize-fighter. If, meanwhile, the other
 nations of the world had continued to leave matters to nature, they
 would be quite unable to stand up against Japan in warfare. Doubtless
 the Japanese, having reached such a pitch of ability, would find ways
 of employing the men of some other nation as soldiers, and would rely
 upon their scientific technique for victory, which they would be 
pretty sure to achieve. In such a system, blind devotion to the State
 would be very easy to instil in youth. Can anyone say that a 
evelopment of this sort in the future is impossible?
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM18-070.HTM

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創刊日:2014-12-19  
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