名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十六章 離婚 n.15

2018/10/10

 第十六章 離婚 n.15:愛情と嫉妬

(本章の)結論は,次のようになると思われる。離婚は多くの国で必要以上に
困難である一方 −イギリスも困難な国の一つであるが− 容易な離婚は結婚に
関する問題について解決をもたらさない。結婚を続けようよ思うのであれば,
結婚(生活)の安定が子供のために重要である。しかし,この(結婚生活の)
安定は,結婚と単なる性関係とを区別することによって,また,結婚愛(結婚
生活における愛情)のロマンチックな側面と対立するものとしての生物学的な
側面を強調することによって,最も求める(手に入れる)ことができるだろう。

 私は,結婚から(いろいろな)わずらわしい義務を取り除くことができる,
などと偽って主張する(pretend ふりをする)つもりはない。私が推奨する制
度においては,夫婦は確かに,性的貞節の義務は免除されるが,しかし,その
かわりに,嫉妬(心)を抑える義務がある。自己抑制なしに良い生活を営むこ
とはできないが,抑制するのは,愛(情)のような寛大で包容力のある情緒で
はなく,嫉妬のような制限的で敵意のある情緒であるほうがよい。因習的な道
徳が誤っていたのは,自己抑制を求めた点ではなく,間違ったところに求めた
点であった(のである)。

Chapter XVI: Divorce, n.15

The conclusion seems to be that, while divorce is too difficult in
 many countries, of which England is one, easy divorce does not afford
a genuine solution of the marriage problem. If marriage is to 
continue, stability in marriage is important in the interests of the
 children, but this stability will be best sought by distinguishing 
between marriage and merely sexual relations, and by emphasizing the
 biological as opposed to the romantic aspect of married love. I do 
not pretend that marriage can be freed from onerous duties. In the 
system which I commend, men are freed, it is true, from the duty of 
sexual conjugal fidelity, but they have in exchange the duty of 
controlling jealousy. The good life cannot be lived without 
self-control, but it is better to control a restrictive and hostile
 emotion such as jealousy, rather than a generous and expansive 
emotion such as love. Conventional morality has erred, not in 
demanding self-control, but in demanding it in the wrong place.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM16-150.HTM

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