名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』家族と国家 n.2

2018/09/05

 第十五章 家族と国家 n.2:教育制度と階級の関係 

 国家が父親に取って代わるこのプロセスに対し,明確な制限(限界)を設け
ることはできない。国家が引き継いだもの(こと)は,母親というよりも,む
しろ,父親の機能(役割)である。なぜなら,国家は,子供のために本来なら
(otherwise そうでなければ)父親が金(代価)を支払わなければならないサ
ービスをするからである。上流や中流の階級においては,このプロセス(進行/
経過)は,ほとんど起こっていない。その結果,賃金労働者の間よりも,裕福
な人びとの間のほうが父親はより重要なままであり,家族もより安定している
。ソビエト・ロシアのように,社会主義を真剣に採り入れているところにおい
ては,以前,金持ちの子弟のために作られた教育機関を廃止したり,すっかり
改革したりすることが,重要かつ絶対必要な事業だと認識されている。このよ
うなことが英国で起こるとは,少し想像し難い。私は,高名なイギリスの社会
主義者たちが,すべての子供は小学校に行くべきだという提案を聞いて,口角
泡をとばして怒鳴るのを見たことがある。「何だって? 私の子供がスラムの
子供とつきあうんだって! とんでもない!」と(言うように)彼らは叫ぶ
(のだ)。奇妙なことに,彼らは,階級の区別がどれほど深く教育制度と結び
ついているか,わかっていないのである。

Chapter XV: The Family and the State, n.2

To this process of substituting the State for the father no clear 
limit can be set. It is the functions of the father rather than of the
 mother that the State has taken over, since it performs for the child
 such services as the father would otherwise have to pay for. In the
 upper and middle classes this process has hardly taken place at all,
 and consequently the father remains more important, and the family 
more stable, among the well-to-do than among wage-earners. Where
Socialism is taken seriously, as in Soviet Russia, the abolition or 
complete transformation of educational institutions previously 
intended for the children of the rich is recognized as an important
 and vitally necessary undertaking. It is difficult to imagine this
taking place in England. I have seen prominent English Socialists 
foam at the mouth at the suggestion that all children ought to go to
 elementary schools. "What? my children associate with the children
 of the slums? Never!" they exclaim. Oddly enough, they fail to 
realize how profoundly the division between the classes is bound up
 with the educational system.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM15-020.HTM

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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