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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十四章 個人心理の中の家族 n.6

2018/08/27

 ラッセル『結婚論』第十四章 個人心理の中の家族
            n.6: 現在の家族制度に変わるものとして・・・

 (現在の家族制度に変わるものとして、)
 母権制家族(母系家族)から(検討を)始めよう。この場合想定されるのは
,子供は,片親しか知らないようになること,女性は,子供が欲しいと思えば
子供を生むであろうが父親が子供に特別な関心を寄せることは期待しないこと
,また,必ずしもそれぞれの子供に同じ父親を選ばないこと,である(注:母
系制家族というのはそういったものであると想定されるということ)。経済的
な制度や仕組み(economic arrangements)が十分だと仮定したら,子供は,
そういった制度でひどく苦しむであろうか? 結局,父親の子供に対する心理
的な効用は何であろうか?

 私見によれば,最も重要な効用は,おそらく最後に述べた点,即ち,性を結
婚愛と生殖とに結びつける点にある,と思われる。幼児期の最初の数年が過ぎ
ると,女性的な人生観とともに,男性的な人生観に触れることには,きわめて
明確な利益がある。特に男の子にとっては,このことは知的に見て重要である
。と同時に,その利益がきわめて深いものである,とは私は思わない。幼児の
ころに父親を亡くした子供は,私の知るかぎり,平均して,他の子供よりも少
しも不良になるわけではない。理想的な父親は,父親がないよりもましである
ことは疑いない。しかし,多くの父親は理想にほど遠いので,父親がいないこ
とが子供にとってはっきりした利益になる場合もある(might be 可能性もある)。


Chapter XIV: The Family in Individual Psychology, n.6

To begin with the matriarchal family. Here one supposes that the 
children will know only one parent, that a woman will have a child 
when she feels that she wants one, but without expecting the father to
 take any particular interest in it, and not necessarily choosing the
 same father for different children. Assuming the economic 
arrangements to be satisfactory, would children suffer much by such
 a system? what, in effect, is the psychological use of a father to
 his children? I think perhaps the most important use lies in the last
 point mentioned, namely the connecting of sex with married love and 
procreation. There is also, after the first years of infancy, a very 
definite gain in being brought into contact with a masculine as well 
as a feminine outlook on life. To boys especially, this is 
intellectually important. At the same time, I cannot see that the gain
 is very profound. Children whose fathers have died while they were 
infants do not, so far as I know, turn out on the average any worse 
than other children. No doubt the ideal father is better than none,
 but many fathers are so far from ideal that their non-existence might
 be a positive advantage to children.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM14-060.HTM

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