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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十三章 今日の家族 n.14

2018/08/16

 ラッセル『結婚論』第十三章 今日の家族 n.14

 幼い子供の立場から見れば,両親が重要なのは,自分の兄弟姉妹を除いて,
他の誰にも与えられない愛情を両親から受けとるということである。これには
,良い面もあれば,悪い面もある。私は次章で,家族が子供にあたえる心理的
影響を考察するつもりである。だから,そのことについては,当面,明らかに
,性格形成上きわめて重要な要素であり,両親から離れて育てられた子供は,
良かれ悪しかれ,普通の子供とはかなり異なってくると考えてよい,と述べる
にとどめておきたい。

 貴族社会においては,いや,個人の栄達(高い地位を得ること)を許すすべ
ての社会において,家族は,ある重要な個人に関して(と関連し)て歴史的に
連結した(結びついた)一つの印になっている。観察によれば,ダーウィンと
いう名前の人々は,幼児期にスヌークス(snook あかんべー)と改名された場合
よりも,すぐれた科学においてよい仕事をする(科学的業績を挙げる)という
ことを示しているように思われる。もし仮に,姓が男性ではなく,女性を通じ
て伝わったとしても(注:If = even if),この種の影響は,今とまったく同
じように強いだろう,と思われる。このような場合に,遺伝と環境の役割をそ
れぞれ振り分ける(割り当てる)ことはとても不可能であるが,ゴールトンと
その弟子たちが遺伝のせいにしている現象において,家族の伝統は非常に重要
な役割を演じている,と私は固く信じている。

 家族の伝統の影響の一例として,サミュエル・バトラーに無意識的記憶の学
説を創案させ,新ラマルク派の遺伝理論を擁護させたと言われている理由を挙
げてもよい。その理由というのは,家族的因縁から(from family reason),彼
はチャールズ・ダーウィンに反対しなければならない,と感じたということで
ある。彼の祖父は,(どうやら)ダーウィンの祖父と喧嘩をし,彼の父はダー
ウィンの父と喧嘩をしたので,彼(バトラー)もダーウィンと喧嘩をしなければ
ならなかったのである。こういう次第で,ショーの『メトセラ(メトシェラ)』
(Methuselah)があのようであるのは(is what it is),ダーウィンもバトラ
ーも,短気な祖父を持っていたという事実によるのである。

Chapter XIII: Family at present day, n.14

From the point of view of the young child, the important thing about 
parents is that from them the child gets an affection not given to 
anyone else except his brothers and sisters. This is partly good and 
partly bad. I propose to consider the psychological effects of the 
family upon children in the next chapter. I shall therefore say no 
more about it at the present moment than that it is clearly a very 
important element in character formation, and that children brought 
up away from parents may be expected to differ considerably, whether
 for better or for worse, from normal children.

In an aristocratic society, or indeed in any society permitting of 
personal eminence, the family is, in regard to certain important 
individuals, a mark connected with historical continuity. Observation
 seems to show that people whose name is Darwin do better work in 
science than they would do if their name had been changed to Snooks in
 infancy. I conceive that if surnames descended through the female 
instead of the male, effects of this kind would be exactly as strong 
as they are now. It is quite impossible to apportion the shares of 
heredity and environment respectively in such cases, but I am quite 
convinced that family tradition plays a very considerable part in the
 phenomena which Galton and his disciples attribute to heredity. One 
might give as an example of the influence of family tradition the 
reason said to have caused Samuel Butler to invent his doctrine of 
unconscious memory and to advocate a neo-Lamarckian theory of 
heredity. The reason was that for family reasons he felt it necessary
 to disagree with Charles Darwin. His grandfather (it seems) 
quarrelled with Darwin's grandfather, his father with his father, so
 he must quarrel with him. Thus Shaw's Methuselah is what it is, owing
 to the fact that Darwin and Butler had ill-tempered grandfathers.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:https://russell-j.com/beginner/MM13-140.HTM

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