名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十三章 今日の家族 n.3

2018/08/01

 『結婚論』第十三章 今日の家族 n.3:母系社会時代の家族

 家族は,人間以前の(人類誕生以前からある)制度であり,その生物学的な
論拠は,妊娠や授乳期の間の父親の助けが子どもたちの生き残りに役立つ,と
いうものである。しかし,トロブリアンド島民の場合に見たように,また,類
人猿の場合にまちがいなく推測されるように(safely infer),この助けは,原
始的な状態のもとでは,文明社会の父親を行動させるのとまったく同じ理由で
与えられるのではない。原始時代の父親は,子供と自分の間に生物学的な結び
つきがあることを知らない。子供は,自分の愛する女性が生んだものである。
この事実を彼(父親)も知っている。なぜなら子供が生まれるところを見たか
らである。そして,まさに,この事実こそが,彼(父親)と子供の間に本能的
なきずなを生み出すのである。

 この段階においては(原始的な社会においては),彼(夫)は,妻の貞操を
守ることに生物学的な重要性を認めていない。ただし,妻の不倫を突きつけら
れれば,疑いもなく,本能的な嫉妬を感じるであろう。この段階においても,
彼には子供は自分の財産(所有物)だという意識(感覚)はない。子供は,妻
と妻の兄弟の財産(所有物)であるが,彼自身と子供との関係は,愛情の関係
にすぎない。

Chapter XIII: Family at present day, n.3

The family is a pre-human institution, whose biological justification
 is that the help of the father during pregnancy and lactation tends 
to the survival of the young. But as we saw in the case of the 
Trobriand Islanders, and as we may safely infer in the case of the 
anthropoid apes, this help, under primitive conditions, is not given 
for quite the same reasons which actuate a father in a civilized 
community. The primitive father does not know that the child has any
 biological connection with himself; the child is the offspring of the
 female whom he loves. This fact he knows, since he has seen the child
 born, and it is this fact that produces the instinctive tie between 
him and the child. At this stage he sees no biological importance in 
safeguarding his wife's virtue, although no doubt he will feel i
nstinctive jealousy if her infidelity is thrust upon his notice. 
At this stage, also, he has no sense of property in the child. T
he child is the property of his wife and his wife's brother, but his
 own relation with the child is merely one of affection.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM13-030.HTM

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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