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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十一章 売春 n.2 

2018/07/06

◆ラッセルは売春制度を肯定しているわけではないので誤読をしないように★
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 第十一章 売春 n.2:なぜ社会は売春制度を黙認するのか?

 売春(制度)の必要(性)は,次のような事実から生じる。(即ち)多くの
男性は未婚(まだ独身)でいるか,あるいは,旅行中は妻のもとを離れている
ということ(事実),それから,そういう男性は性欲を抑え続けることで満足
しないこと(事実),また,因習的に道徳的な社会においては,ちゃんとした
女性は自分の自由にできない(手に入らない)ということ(事実)から生じる
。そこで(それゆえ),社会は,男性の欲求(必要性)を満たすためにある一
定の階級の女性を別に取っておく(のである)。男性は,そういう欲望を認め
るのは恥ずかしいけれども,さりとて(注:yet しかしそうは言っても),まっ
たく満足させないでおくのもいやなのである。

 売春婦(娼婦)には,次のような利点がある。即ち,すぐに利用できるばか
りではなく,その職業以外の生活がないから(注:通常,他に仕事をもってい
ないし,子どももいない),苦もなく(売春をしていることを)隠しておける
し,売春婦(娼婦)と一緒に過ごした男性は(be with her),体面(威厳)
を傷つけないで,(情事をした後で)妻や,家族や,教会に戻っていくことが
できる(のである)。けれども,売春婦(娼婦)は,あわれにも,疑う余地の
ない奉仕を行っているにもかかわらず,また,妻や娘の貞操や,教区委員
(churchwardens)の見かけだけの美徳を守っているにもかかわらず,誰から
も軽蔑され,世間からのはみ出し者(outcast 追放者)と思われ,商売による
他は,普通の人たちとつきあうことが許されない。この明白な不公平(不正義)
は,(西欧においては)キリスト教の勝利とともに始まり,その後(現在まで)
ずっと続いている。売春婦(娼婦)の真(本当)の攻撃は,彼女たち(の存在
そのもの)が道学者の職業のむなしさをあばくことである。(フロイトの言う)
潜在意識(検閲官)によって抑圧された思考のように,売春婦(娼婦)は無意
識の領域に追放されなければならない(のである)。けれども,そこから
(Thence),こうした追放者がそうするように,売春婦(娼婦)は,意図しな
い形で,復讐をする(のである)。

だが 最もしばしば(ロンドンの)真夜中の路上で私が聞くのは
生まれたばかりの乳飲み子の涙を枯らし
結婚の霊柩車(れいきゅうしゃ)を疫病で台無しにする
年若い娼婦の呪い声

(注:出典が示されていないが,英国人ならみんな知っている W. Blake の詩
「London」からの引用だからか?)
http://pb-music.sakura.ne.jp/PoetBlake.htm

Chapter X: Prostitution, n.2

The need for prostitution arises from the fact that many men are 
either unmarried or away from their wives on journeys, that such men 
are not content to remain continent, and that in a conventionally 
virtuous community they do not find respectable women available. 
Society therefore sets apart a certain class of women for the 
satisfaction of those masculine needs which it is ashamed to 
acknowledge yet afraid to leave wholly unsatisfied. The prostitute has
 the advantage, not only that she is available at a moment's notice, 
but that, having no life outside her profession, she can remain hidden
 without difficulty, and the man who has been with her can return to 
his wife, his family, and his church with unimpaired dignity. She, 
however, poor woman, in spite of the undoubted service she performs, 
in spite of the fact that she safeguards the virtue of wives and 
daughters and the apparent virtue of churchwardens, is universally 
despised, thought to be an outcast, and not allowed to associate with
 ordinary people except in the way of business. This blazing injustice
 began with the victory of the Christian religion, and has been 
continued ever since. The real offence of the prostitute is that she
 shows up the hollowness of moralistic professions. Like the thoughts
 repressed by the Freudian censor, she must be banished into the 
unconscious. Thence, however, as such exiles will, she wreaks an 
unintended vengeance.
But most, through midnight streets I hear
How the youthful harlot's curse
Blasts the new-born infant's tear
And blights with plagues the marriage-hearse. 
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM11-020.HTM

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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