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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第十章 結婚 n.1

2018/06/20

 第十章 結婚 n.1: 結婚(制度)の法律的側面の重要性

 本章では,子供のことに言及することなく,ただ男女間の関係としての結婚
について論じるつもりである。結婚は,もちろん,法律上の制度であるという
事実によって,他の性的関係とは異なる。結婚はまた,大部分の社会において
は宗教的な制度でもあるが,本質的なのは,(結婚制度の)法律的な側面であ
る。法律的な制度は,未開人の間だけではなく,サルやその他いろいろな動物
の間にも存在する慣習(慣行)を具体化したものにすぎない。動物は,子供の
養育にとってオスの協力が必要な場合にはいつでも,事実上結婚にあたるもの
を実行している。概して,動物の結婚は一夫一婦制であり,一部の専門家によ
ると,このことは,特に類人猿の間で事実である(そうである)。

 これらの専門家の話を信じてよいなら,こういった幸福な動物は,人間社会
につきまとう諸問題に直面しないらしい。というのも,オスは,びとたび結婚
すると(つがいになると),他のどのメスにも惹かれなくなるし,メスはメスで
,ひとたび結婚すると,他のどのオスにとっても魅力的でなくなるからである
。それゆえ,類人猿の間では,宗教の助けはないけれども,罪(という観念)
は知られていない。本能だけで十分に貞操を全うできるからだ。最も低級な未
閑人種の間にも,似たような状態が存在するという証拠がいくらかある。ブッ
シュマン族は,厳格に一夫一婦制だと言われているし,また,タスマニア人
(いまは絶滅している)は,妻に対してつねに貞節であったと聞いている(理
解している)。

 文明人においてさえ,一夫一婦制の本能のかすかな痕跡をときどき認めるこ
とができる。習慣が行動に及ぼす影響(の大きさ)を考えれば,一夫一婦制の
本能に及ぼす支配(力)が,現状よりも強くならないのは,もしかすると
(perhaps)驚くべきことかもしれない。けれども,これは人間の精神的特性
の一例であり,そこから,人間の悪徳と知能(知性)の両方が すなわち,習
慣を打破して,新しい行動方針を始める想像力が生まれるのである。

Chapter IX: The place of love in human life, n.12

In this chapter I propose to discuss marriage without reference to 
children, merely as a relation between men and women. Marriage differs,
 of course, from other sex relations by the fact that it is a legal 
institution. It is also in most communities a religious institution, 
but it is the legal aspect which is essential. The legal institution 
merely embodies a practice which exists not only among primitive men
 but among apes and various other animals. Animals practise what is 
virtually marriage, wherever the co-operation of the male is necessary
 to the rearing of the young. As a rule, animal marriages are 
monogamic, and according to some authorities this is the case in 
particular amongst the anthropoid apes. It seems, if these authorities
 are to be believed, that these fortunate animals are not faced with
 the problems that beset human communities, since the male, once 
married, ceases to be attracted to any other female, and the female,
 once married, ceases to be attractive to any other male. Among the 
anthropoid apes, therefore, although they do not have the assistance
 of religion, sin is unknown, since instinct suffices to produce 
virtue. There is some evidence that among the lowest races of savages
 a similar state of affairs exists. Bushmen are said to be strictly 
monogamous, and I understand that the Tasmanians (now extinct) were 
invariably faithful to their wives. Even in civilized mankind faint
traces of a monogamic instinct can sometimes be perceived. Considering
 the influence of habit over behaviour, it is perhaps surprising that
 the hold of monogamy on instinct is not stronger than it is. This, 
however, is an example of the mental peculiarity of human beings, from
which spring both their vices and their intelligence, namely the power
 of imagination to break up habits and initiate new lines of conduct.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM09-120.HTM

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創刊日:2014-12-19  
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