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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第九章 人生における恋愛の位置 n.7

2018/06/13

 第九章 人生における恋愛の位置 n.7: 恋愛感情と(単なる)性的魅力

 大部分の男女は,適切な条件さえ与えられれば,生涯のある時期に情熱的な
恋愛(感情)を感じるであろう。けれども,その経験のない人びとには,情熱
的な愛(恋愛感情)と単なる性的魅力とを区別することはきわめて困難である。
愛している男性でないかぎり,とてもキスする気持ちにはなれないはずだ,と
教えられている(ような)躾のよい娘たちの場合(良家の子女の場合)は,特
にそうである。もし娘が結婚するとき処女であることを期待されているような
場合は,性体験のある女性なら容易に恋愛と区別できるような,一時的かつと
るにたらない性的魅力にとらわれてしまうことがしばしば起こるであろう。こ
れが,しばしば不幸な結婚の原因になってきたことは,疑う余地はない。

 互いに愛しあっている場合でも,どちらか一方がそれが(その愛)が罪だと
信じていれば,その愛は毒されてしまうだろう。もちろん,この信念には,確
かな根拠のある場合もあるであろう(well founded)。たとえば,パーネル
(Charles Stewart Parnell, 1846 -1891:アイルランドの政治指導者)は,
姦通によって確かに罪を犯した。というのは,パーネルは,それによってアイ
ルランドの希望(注:アイルランド自治)の実現を多年にわたって遅らせたか
らである。しかし,罪の意識は,(それを持つ)根拠がないときでも,やはり
恋愛感情を毒することであろう。もしも,愛に,可能なかぎりの善の全てをも
たらせたいと思うなら,愛は,自由で,惜しみなく,制限がなく,真心のこも
ったものでなければならない。

Chapter IX: The place of love in human life, n.7

Most men and women, given suitable conditions, will feel passionate 
love at some period of their lives. For the inexperienced, however, it
 is very diffficult to distinguish passionate love from mere 
attraction; especially is this the case with well-brought-up girls, 
who have been taught that they could not possibly like to kiss a man 
unless they loved him. If a girl is expected to be a virgin when she
 marries, it will very often happen that she is trapped by a transient
and trivial sex attraction, which a woman with sexual experience could
 easily distinguish from love. This has undoubtedly been a frequent 
cause of unhappy marriages. Even where mutual love exists, it may be 
poisoned by the belief of one or other that it is sinful. This belief 
may, of course, be well founded. Parnell, for example, undoubtedly 
sinned in committing adultery, since he thereby postponed the 
fulfilment of the hopes of Ireland for many years. But even where the
 sense of sin is unfounded, it will poison love just as much. If love
 is to bring all the good of which it is capable, it must be free, 
generous, unrestrained and wholehearted.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM09-070.HTM

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創刊日:2014-12-19  
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