名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第八章 性知識に関するタブー, n.10

2018/05/23

 第八章 性知識に関するタブー, n.10:猥褻文書

 私が本章で論じているのは,性行為はどうあるべきかではなく,性知識の問
題における我々の態度はどうあるべきか,ということにすぎない(only)。若
者に性知識を分け与えることについてこれまで述べてきたことにおいては,現
代のすべての啓発された教育者の共感を得たことを希望するし,また,そう信
じたい。けれども,今や,読者の共感を得るのは一段とむずかしいのではない
かと思われる,もっと論議の余地のある話題をとりあげる時である。それは,
いわゆる猥褻文書の話題である。

 英国でも,またアメリカでも同様であるが,法律によれば,猥褻であると思
われる文書は,ある状況のもとでは当局によって破棄される場合があり,かつ
,著者および出版者は処罰される場合がある,と明確に宣言している。英国に
おいては,これを実施できる法律は,1857年(施行された)のロード・キャン
ベル法である。この法令は,次のように述べている。

 告訴により,猥褻図書等が販売または配布の目的で家屋やその他の場所に
保管されていると信ずべき何らかの理由があり,かつ,このような物品
(articles 物件)が一部以上かかる場所と関係あるところで販売または配布
された証拠がある場合は,治安判事(justices)は,このような物品(物件)
の出版が軽犯罪とするに足る性質および種類のものであって,そのようなも
のとして告訴することが適当であることを確認した上で,特別な令状(special
 warrant)により,このような物品(物件)を押収するように命ずることがで
きる(may order)。また,同家屋の住居人を召喚(summoning)したのち,同一
の,または他の治安判事は,押収された物品(物件)が令状に記載された性質
のものであり,上述の目的で保管されていたことを確認した場合には,その物
件(物件)を破棄することを命ずることができる。
* デズモンド・マッカーシーの優れた論文「猥褻と法律」(『人生と文学』
1929年5月号所収)を参照。

Chapter VIII: The Taboo on sex knowledge, n.10

I am not discussing in this chapter what sexual conduct ought to be, 
but only what ought to be our attitude on the question of sex 
knowledge. In what has been said hitherto as to the imparting of sex
 knowledge to the young, I shall, I hope and believe, have had the 
sympathy of all enlightened modern educators. I come, however, now to
 a more debatable topic, in which I fear that I may have more 
difficulty in securing the sympathy of the reader. This is the topic
 of what is called obscene literature.

In England and America alike the law declares that literature that is
 deemed obscene may in certain circumstances be destroyed by the 
authorities, and the author and publisher may be punished. In England
 the law under which this can be done is Lord Campbell's Act of I857.
 This Act states that :

If upon complaint there is any reason to believe that any obscene 
books, etc., are kept in any house or other place, for the purpose 
of sale or distribution, and upon proof that one or more such 
articles has been sold or distributed in connection with such a place,
 justices may, upon being satisfied that such articles are of such a
 character and description that the publication of them would be a 
misdemeanour and proper to be prosecuted as such, order by special 
warrant that such articles shall be seized, and after summoning the
 occupier of the house, the same or other justices may, if they are
 satisfied that the articles seized are of the character stated in
 the warrant, and have been kept for the purpose aforesaid, order 
them to be destroyed. (note: See an excellent discussion by Desmond
 MacCarthy, "Obscenity and the Law", Life and Letters, May I929.)
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM08-120.HTM

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創刊日:2014-12-19  
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