名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
読者と一緒に育てていきたいと思っています.


全て表示する >

ラッセル『結婚論』第七章 女性の解放, n.10

2018/05/09

 第七章 女性の解放 n.10: 時代にあった新しい性道徳が必要

 どちらの道(コース)をとっても,困難と反対が存在することがわかるであろ
う。もしも,新しい道徳が,それ本来の道(コース)をとるままにしておけば
(自然の経過をとるままにしておけば),それは従来よりもさらに先へ進み,
これまでほとんど味わったことにないない諸困難を引き起こさざるを得ないで
あろう。これとは逆に,前の時代に可能であった(いろいろな)制約を現代の
世界において強制しようと試みるならば,不可能と思われるほどの厳重な規制
へと導かれることになり,それに対してはすぐに人間性が反逆するであろう。
このことは,あまりにも明らかなことであるので,危険や困難がどのようなも
のであっても,我々は,世界が後戻りするよりも,前進させることで満足しな
ければならない。この目的のためには,我々は真に新しい道徳が必要であろう
。これはどういうことかと言えば,過去に認められていた責任や義務とは非常
に違っているであろうが,責任や義務は,やはり,認められなければならない
,ということである。

 すべての道学者(モラリスト)が,時代遅れの制度への回帰(a system 
which is as dead as the Dodo/Dodo 飛べなくなってしまった鳥ドードー)を
説くことで満足しているかぎり,新しい自由に道徳性を与えたり,それに伴っ
て生じる新しい義務を指摘したりすることは,何びとつできない。私は,新し
い制度が古い制度以上に抑制のない衝動への屈服(衝動に身をまかせる)を伴
うとは考えないが,衝動を抑制する機会とそうする動機は,過去のものとは違
っていなければならない,と考えている。要するに,性道徳の問題全体を,改
めて徹底的に検討し直す必要がある。以下のページは,ささやかではあるが,
この仕事に寄与しようと意図されたものである。

Chapter VII: The Liberation of women, n.10

It will be seen that there are difficulties and objections whichever 
course we adopt. If we are to allow the new morality to take its 
course, it is bound to go farther than it has done, and to raise 
difficulties hardly as yet appreciated. If, on the other hand, we 
attempt in the modern world to enforce restrictions which were 
possible in a former age, we are led into an impossible stringency of
 regulations, against which human nature would soon rebel. This is so
 clear that, whatever the dangers or difficulties, we must be content
 to let the world go forward rather than back. For this purpose we 
shall need a genuinely new morality. I mean by this that obligations 
and duties will still have to be recognized, though they may be very 
different from the obligations and duties recognized in the past. 
So long as all the moralists content themselves with preaching a r
eturn to a system which is as dead as the Dodo, they can do nothing 
whatever to moralize the new freedom or to point out the new duties 
which it brings with it. I do not think that the new system, any more 
than the old, should involve unbridled yielding to impulse, but I 
think the occasions for restraining impulse and the motives for doing
 so will have to be different from what they have been in the past. 
In fact the whole problem of sexual morality needs thinking out 
afresh. The following pages are intended as a contribution, however
 humble, to this task.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM07-100.HTM          

 <寸言>
 前進あるのみ。
 ただし、時代にあった新しい性道徳を構築する必要がある

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
Score!: 97 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。