名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第七章 女性の解放, n.8

2018/05/07

 第七章 女性の解放 n.8; 

 この新旧の道徳の対立という問題から,非常に明快な争点(issue 論点)が提
起される。もしも,娘の純潔や妻の貞操が,もはや要求すべきでないとすれば
,家族を守る新しい手段を持つか(講じるか),あるいは,家族(家庭)が崩壊
するのを黙認するかしなければならない。子供を作るのは結婚している場合に
限定するべきであり,すべての婚外性交は避妊用具を使用することで妊娠しな
いようにすべきであると提案してもよい。その場合は,夫は東洋人(注:中国
人)が宦官(かんがん)に対してそうであるように,妻の愛人に寛容であるよ
うになるかもしれない。今のところ,そのような案(scheme)が(実施)困難
なのは,そのためには避妊用具の効果と妻の正直さとを不合理と思われるほど
(合理的と思われる以上)信頼しなければならないからである。けれども,こ
うした困難は時が経過するにつれて減少するかもしれない。

 新しい道徳と矛盾しない(両立可能な)もう一つのやり方は,重要な社会的
な制度としての父性(父親であること/父親としての役割)が衰退して,父親の
義務を国家が引き継ぐことである。男性が父親であることを確信し,かつ,子
供を愛しているという特別な場合には,もちろん(そのような制度下にあって
も),自発的に,妻子の経済的支援(扶養)ということで現在父親が普通やっ
ていることを引き受けてもよい。しかし,法律によってそうする(扶養する)
義務が課されるわけではないだろう。事実,すべての子供は,父親のわからな
い私生児が現在置かれている境遇に置かれるだろう。ただし,国家がそれ(そ
の状態)を正常なケースとみなして,子供の養育に現在よりもいっそうと骨折
るだろう,という点だけは違っているであろう。

Chapter VII: The Liberation of women, n.8

A very clear-cut issue is raised by this question of the new morality
versus the old. If the chastity of girls and the faithfulness of wives
 are no longer to be demanded, it becomes necessary either to have new
 methods of safeguarding the family or else to acquiesce in the 
break-up of the family. It may be suggested that the procreation of 
children should only occur within marriage, and that all extra-marital
 sexual intercourse should be rendered sterile by the use of 
contraceptives. In that case husbands might learn to be as tolerant of
 lovers as Orientals are of eunuchs. The difficulty of such a scheme, 
as yet, is that it requires us to place more reliance on the efficacy 
of contraceptives and the truthfulness of wives than seems rational ;
 this difficulty may, however, be diminished with time. The other 
alternative compatible with the new morality is the decay of 
fatherhood as an important social institution, and the taking over of
the duties of the father by the State. In particular cases where a man
felt sure of his paternity and fond of his child, he might, of course,
voluntarily undertake to do what fathers now normally do in the way of
 financial support for the mother and child ; but he would not be
 obliged to do so by law. Indeed all children would be in the position
 in which illegitimate children of unknown paternity are now, except 
that the State, regarding this as the normal case, would take more 
trouble with their nurture than it does at present.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM07-090.HTM          

 <寸言>
 結婚した夫婦と区別することなく,未婚の母にも社会保障(生活保護や扶養
手当を支給)を行う方式が世界的に普及していくのか?

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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