名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第七章 女性の解放, n.4

2018/04/26

 第七章 女性の解放 n.4; 男女がお互いを縛るのではなく自由を認めあう

 男女の平等への要求は,最初から,政治的な問題(事柄)だけでなく,性道
徳にも関係していた。メアリー・ウルストンクラフト(Mary Wollstonecraft, 
1759- 1797:主著『女性の権利の擁護』。小説『フランケンシュタイン』で有
名なメアリ・シェリー は実の娘)の態度は,徹底して現代的であったが,彼女
に続いた女性の権利の開拓者たちは,この点で彼女を見習うことはしなかった
。反対に,彼女らは,大部分,きわめて厳格な道徳家(モラリスト)であり,
彼女たちの願いは,それまで女性だけが耐えてきた道徳的な足かせを男性にも
かけてやりたいということであった。けれども,1914年以降(注:第一次世界
大戦勃発以降),若い女性たちは,あまり理論武装することなく,違った路線
をとってきた。もちろん,第一次大戦の感情的な興奮がこの新しい発展を促進
した原因であるが,それは,いずれにせよ遠からずやって来ていたことであろ
う。過去において女性が貞操を守っていた動機は,主に,(罰としての)地獄
の業火の恐れと妊娠の恐れであった。一つ(前者)は,神学的正統主義の衰退
によって,もう一つ(後者)は,避妊法によって取り除かれた。伝統的な道徳
は,しばらくの間,慣習の力や精神的な惰性の力によって,どうにか持ちこた
えていたが(managed to hold out),大戦の衝撃によって,これらの障壁も
崩れてしまった。

 現代のフェミニスト(女権拡張論者)たちは,もはや,30年前のフェミニスト
たちほど,男性の「悪徳」を削減したがってはいない。彼女たちは,むしろ,
男性に許されるものは,自分たちにも許されることを要求する。彼女たちの先
輩が,道徳的な奴隷状態の中での平等を求めたのに対して,彼女たちは,道徳
的な自由の中での平等を求めているのである。
 
Chapter VII: The Liberation of women, n.4

The demand for equality between men and women concerned itself from 
the first not only with political matters but also with sexual 
morality. The attitude of Mary Wollstonecraft was thoroughly modern,
 but she was not imitated in this respect by the subsequent pioneers
 of women's rights. They, on the contrary, were for the most part 
very rigid moralists, whose hope was to impose upon men the moral 
fetters which hitherto had only been endured by women. Ever since 
1914, however, young women, without much theorizing, have taken a 
different line. The emotional excitement of the war was no doubt the
 precipitating cause of this new departure, but it would have come 
before very long in any case. The motives of female virtue in the past
 were chiefly the fear of hell-fire and the fear of pregnancy; the one
 was removed by the decay of theological orthodoxy, the other by 
contraceptives. For some time traditional morality managed to hold out
 through the force of custom and mental inertia, but the shock of the
 war caused these barriers to fall. Modern feminists are no longer so
 anxious as the feminists of thirty years ago to curtail the "vices"
 of men; they ask rather that what is permitted to men shall be 
permitted also to them. Their predecessors sought equality in moral
 slavery, whereas they seek equality in moral freedom.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM07-040.HTM

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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