名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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 ラッセル『結婚論』第六章 ロマンティックな恋愛 n.10

2018/04/19

 第六章 ロマンティックな恋愛 n.10:恋愛結婚の夢と現実

 まったく近代になって,即ち,ほぼフランス革命の頃から以降,結婚はロマ
ンチックな恋愛(身分・地位・貧富の格差などが影響しない純粋な恋愛感情)の
結果であるべきである,という考えが強まってきた。大部分の現代人は,少な
くとも英語を話す国々においては,それは当然のこととし,つい先ごろまでそ
れが革命的に新しい考えであったことはまったく知らない(のである)。百年
前の小説や戯曲は,主に,親が結婚相手を選ぶという伝統的な結婚に反対して
,この新しい結婚(ロマンティック・ラブによる結婚)の基礎を確立しようと
する若い世代の闘いを扱っている。(その闘いの)結果が革新家が望んだとお
りによいものであったかどうかは,疑問の余地がある。好きも嫌いも,ともに
結婚生活(matrimony)においてはすり減るのであるから,最初は少しぐらい
嫌いであったほうがよいという,マラプロッフ夫人の原則にも言うべきところ
(一理)はある。

 確かに,人々が事前にお互いに性的に知る(関係する)ことなく,ロマンチ
ックな恋愛の影響のもとに結婚する時には,お互いに相手が人間以上の完全さ
を備えていると想像し,結婚は一つの長い(長く続く)至福の夢になるのだ,
という思いを抱く。女性が無知かつ純粋(純潔)に育てられ,それゆえ,性的
飢餓と相性(性格と趣味)の一致との区別がつかないような場合には,特にそ
うなりやすい。アメリカにおいては,,他のどこよりもロマンチックな結婚観
が重大なものとして受けとられきており,法律も慣習も同様に未婚女性の夢に
基づいているので,その結果,アメリカにおいては,離婚が極端に流行し,幸
福な結婚が極端に少なくなってしまっている。

Chapter VI: Romantic Love n.11

In quite modern times, that is to say, since about the period of the 
French Revolution, an idea has grown up that marriage should be the 
outcome of romantic love. Most moderns, at any rate in English-
speaking countries, take this for granted, and have no idea that not 
long ago it was a revolutionary innovation. The novels and plays of a
 hundred years ago deal largely with the struggle of the younger 
generation to establish this new basis for marriage as opposed to the
 traditional marriage of parental choice. Whether the effect has been
 as good as the innovators hoped may be doubted. There is something to
 be said for Mrs. Malaprop's principle, that love and aversion both 
wear off in matrimony, so that it is better to begin with a little 
aversion. Certain it is that when people marry without previous sexual
 knowledge of each other and under the influence of romantic love, 
each imagines the other to be possessed of more than mortal 
perfections and conceives that marriage is going to be one long dream
 of bliss. This is especially liable to be the case with the woman if
she has been brought up ignorant and pure, and therefore incapable of
 distinguishing sex hunger from congeniality. In America, where the 
romantic view of marriage has been taken more seriously than anywhere
 else, and where law and custom alike are based upon the dreams of 
spinsters, the result has been an extreme prevalence of divorce and 
an extreme rarity of happy marriages. 
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM06-110.HTM

 <寸言>
 人間は勘違いしやすい動物。
 勘違いが死ぬまで続けばそれはそれで幸せかもしれないが、途中で気づく。
 いつの間にか、理想の男性(or女性)だったと思った相手に熱がさめ、その
愛情は子供あるいは他の異性へと移っていく

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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