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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第六章 ロマンティックな恋愛 n.5

2018/04/12

 第六章 ロマンティックな恋愛 n.5:『薔薇物語』

 けれども,フランスとブルゴーニュ(注:Burgundy シャルル豪胆公(在位
:1467-1477)没後に男系が絶え,ヴァロワ朝フランスに併合された。)では,
その発達の仕方が,イタリアの場合とまったく同一ではなかった。フランス貴
族の恋愛観は,『バラ物語』(the Romaunt of the Rose)に支配されていたか
らである。この作品は,騎士の恋愛を扱っているが,その恋が満たされないま
まにしておくことを主張してはいなかった。それは,それどころか(実は),
教会の教えに対する反感(の一つ)であり,人生における恋愛の正当な地位に
対する(地位を求める),事実上,異教の主張であった。


(以下:ホイジンガ『中世の秋』pp.95-96からの引用)

 知的および道徳的な観念を恋愛技術(ars amandi)の中に大切にしまってい
る(という)上流階級の存在は,歴史上かなり例外的な事実である(事実として
残っている)。文明の理想が恋愛の理想とこれほどまでに融合した時代は,ほ
かになかった。ちょうど,スコラ哲学が,あらゆる哲学思想を唯一の中心に統
合しようとする,壮大な中世精神の努力を表わしているように,宮廷恋愛の理
論は,さほど高尚でない領域で,高貴な生活に付随するありとあらゆるものを
包含する傾向がある。『バラ物語』は,この制度を破壊はしなかった。その傾
向を修正し,その内容を豊かにしただけである。

In France and Burgundy, however, the development was not quite the 
same as it had been in Italy, since French aristocratic ideas of love
 were dominated by the Romaunt of the Rose, which dealt with knightly
 love but did not insist upon its remaining unsatisfied. It was, in 
fact, a revulsion against the teaching of the Church and a virtually 
pagan assertion of love's rightful place in life.
The existence of an upper class whose intellectual and moral notions
 are enshrined in an ars amandi remains a rather exceptional fact in
 history. In no other epoch did the ideal of civilization amalgamate 
to such a degree with that of love. Just as scholasticism represents 
the grand effort of the medieval spirit to unite all philosophic 
thought in a single centre, so the theory of courtly love, in a less
 elevated sphere, tends to embrace all that appertains to the noble 
life. The Roman de la Rose did not destroy the system; it only 
modified its tendencies and enriched its contents. (note: Huizinga, 
The Waning of the Middle Ages, pp. 95-96.)
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM06-060.HTM

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
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