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(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第五章 キリスト教倫理 n.13

2018/04/05

 第五章 キリスト教倫理 n.13:教父たちの女性に対する罵り言葉

 教父たちの著作は,女性(というもの)に対するののしり言葉(悪口雑言)
で満ちあふれている。(注:Woman と大文字になっている。)
(レッキーによれば,教父たちの著作の中で)女性は,地獄(へ)の門として,
(また)人間のあらゆる害悪の母として表現(象徴)された。女性は,自分が
女性であるというまさにその考えだけで(=女性であること自体を)恥じるべ
きである。女性は,自分がこの世にもたらした呪いのゆえに,絶えず悔い改め
る(懺悔の)生活を送らなければならない。女性は,自分の衣装を恥じるべき
である。というのは,衣装こそは,女性の堕落を記憶に留めたものであるから
である。女性は特に自分の美を恥じるべきである。美は悪魔の最も有力な道具
(instrument 手段)であるからである。(女性の)肉体美は,実際,絶えず,
キリスト教会による非難の主題となった(のである)。ただし,不思議なこと
に,一つだけ例外とされていたようである。というのは,中世においては,司
教たちの容姿の美しさが絶えず墓石の上で言及された(上に記された)と述べ
られてきているからである(has been observed)。女性は,紀元6世紀には,
不純であるがゆえに,聖餐(注:せいさん:キリストを象徴するパンとぶどう
酒)を素手で受け取ることをある地方の教会会議によって禁止されたことさえ
あった(のである)。女性たちの本質的に隷属的な地位は,絶えず維持された
のである。(注:レッキー『ヨーロッパ道徳史』第二巻,pp.357-358)
 財産と相続の法律も,同じ意味で,女性の不利になるように改正された。そ
して,フランス革命の自由思想家の力によって,初めて,娘たちは,自分の相
続権を回復したのである。

Chapter V Christian Ethics、n.13

The writings of the Fathers are full of invectives against Woman.

Woman was represented as the door of hell, as the mother of all human
 ills. She should be ashamed at the very thought that she is a woman. 
She should live in continual penance, on account of the curses she has
 brought upon the world. She should be ashamed of her dress, for it is
 the memorial of her fall. She should be especially ashamed of her 
beauty, for it is the most potent instrument of the daemon. Physical 
beauty was indeed perpetually the theme of ecclesiastical 
denunciations, though one singular exception seems to have been made;
 for it has been observed that in the Middle Ages the personal beauty
 of bishops was continually noticed upon their tombs. Women were even
 forbidden by a provincial Council, in the sixth century, on account
 of their impurity, to receive the Eucharist into their naked hands.
 Their essentially subordinate position was continually maintained.
 (note: W. E. H. Lecky, History of European Morals, vol. ii, pp. 357-
358)

The laws of property and inheritance were altered in the same sense 
against women, and it was only through the freethinkers of the French
 Revolution that daughters recovered their rights of inheritance.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM05-130.HTM

 <寸言>
女性であるというだけで劣っているとみなされることは,男性であることだけ
で少なくとも女性よりも優れていると思うことができる。
 強い者にいじめられた場合、強い者に反発するのではなく,自分より弱い者
をいじめる(いわゆる弱い者いじめをする)のも同じ心理が働いているのであ
ろう。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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