名言

(日刊)ラッセルの言葉366_カレンダー版

英国の哲学者バートランド・ラッセル(Bertrand Russell, 1872- 1970)の名言・警句を毎朝お届けするメルマガです。
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ラッセル『結婚論』第五章 キリスト教倫理 n.12

2018/04/04

 第五章 キリスト教倫理 n.12:男の道学者による性的な美徳の強調

 キリスト教倫理は,性的な美徳の強調を通して(性的美的を強調したことに
より),必然的に女性の地位をひどく低下させてしまった。道学者(モラリス
ト/道徳を説く者)は男性であったので,女性は誘惑者に思われた。もしも,
道学者が女性であったなら,男性がこの役割(誘惑者の役割)を受け持ったこと
であろう。女性は誘惑者であったので,男性を誘惑する機会を減らす(切り詰
める)ことが望ましかった。その結果,尊敬すべき(立派な)女性は,種々の
制約でいっそう行動を束縛された一方,尊敬されない(身分の低い/立派とは
言えない)女性は,罪深い者とみなされ,最大限侮蔑的な扱いを受けた。
 女性たちがローマ帝国で(ローマ帝国時代に)享受していた程度の自由を回復
したのは,まったく近代(現代)になってからにすぎない。家父長制度は,先
に見たように,女性を奴隷化するのに大きく貢献したが,その大部分は,キリ
スト教の台頭直前に帳消し(undone)にされていたのである。コンスタンティヌ
ス皇帝以後,女性の自由は,女性を罪から守るという口実のもとに,ふたたび
切り詰められてしまった。女性が自分たちの自由を取り戻しはじめたのは,近
代(現代)になって,罪の観念が衰えてからのことである。

Chapter V Christian Ethics、n.12

The Christian ethics inevitably, through the emphasis laid upon sexual
 virtue, did a great deal to degrade the position of women. Since the
moralists were men, woman appeared as the temptress ; if they had been
 women, man would have had this ro1e.
Since woman was the temptress, it was desirable to curtail her 
opportunities for leading men into temptation ; consequently 
respectable women were more hedged about with restrictions, while the
 women who were not respectable, being regarded as sinful, were 
treated with the utmost contumely. It is only in quite modern times 
that women have regained the degree of freedom which they enjoyed in
 the Roman Empire. The patriarchal system, as we saw, did much to
 enslave women, but a great deal of this was undone just before the
 rise of Christianity. After Constantine, women's freedom was again
 curtailed under the pretence of protecting them from sin. It is only
 with the decay of the notion of sin in modern times that women have
 begun to regain their freedom.
 出典: Marriage and Morals, 1929.
 詳細情報:http://russell-j.com/beginner/MM05-120.HTM

 <寸言>
 男性が女性に対して優位を保てたのは、男性の方が女性よりも腕力が強かっ
たことと、妊娠中、女性は他者の協力・支援を必要とするためのようである。

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創刊日:2014-12-19  
最終発行日:  
発行周期:日刊  
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